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7月25日簡易
第三章 ルート分岐は、気付かぬ内に。 超展開、目前に。
第031話 3-2 ルート分岐は、気付かぬ内に。 超展開、目前に。
「ついにアイツが目を覚ました?」
「ああ、僕が実際に見てきたからな」
「そうか……ならば我々も動かなければな」
「野放しにしておいたら……」
「早急に確保しようか」
「じゃあ向かうと、しますか」


* *


「なんだ、この意味深な冒頭は」

 今までのノリはぶち壊す謎過ぎる会話。なに? 野放しって? 退治モノ?

「これは未来を見ることができる”予知夢”を使って、わしが声マネをしたものじゃ」

 え、桐が今喋ってたのか? ……明るめな声域の高い男子と、冷たく真意の見えない女子の声があったんだが。ああ、これこそ才能の無駄遣いって言うんだろうな。

「お前の能力の一つ……とか言うんじゃないだろうな?」

 心を読む力とか、あったけど。まさかな――

「よくわかったな」
「……わかったつもりはなかったな」

 また、えらいファンタジーな能力だな。 未来予知って。

「ということで。 今の声マネは、今後の伏線じゃ」

 え!? 

「フクセェン!? こんな展開が、この先あるってのかよ!」
「ああ、楽しみにしておれ」

 ……正直、声マネ内容から察するにロクな展開じゃなさそうなんだが。

「そして二期へ繋がっていくのじゃ」

 二期って何だ!? このゲームがか? それは二期とは言わんだろっ!

「クソゲヱRとして来春すたーとじゃ☆」
「爆死臭しかしないな、そのタイトルだと」

 アマ●ンのDVDランキングが、一万ケタで発売中止になったあのアニメを思い出すな。 

「それにしても厄介そうだな……なぁ、回避できないのか?
「諦めるんじゃな。一回は通らぬといけない道じゃ」

 渋い言い方すんな。

「なにせ、お主に寄生するからな」
「えっ! 俺は一体どうなるんだ!?」

 寄生とか、もう只事じゃないじゃん。下手したら命さえ、落としかねないルートな気もしてきたぞ。
 それにしても……なんだろうか。そのシナリオは……出来れば関わりたくないのだが。 
 まぁ無理だろうな。

「とりあえず……前回の続き辺りに戻るぞ」

 前回の続き? ……ああ、生徒会でテレパシーチャットしてたっけか。 

「え? じゃあ、ここどこだよ」

 生徒会ではないし。他の生徒会役員の姿もないし……一体ここは何処だ?

「それはな、閉鎖空――」


 そこで、一旦意識は途絶えた。


「……」

 とりあえず辺りを見渡す。うん……生徒会だな。
 で、先程の冒頭は伏線らしいな……まぁその伏線が生かされる頃には、俺は忘れてるだろうけど。

「で、ユウジくんその娘は誰?」

 と、生徒会長が聞いてくる「妹です」そう答えようとした時だった――

「隠し子らしいわ」

 そう、書記のチサさんが――!?

「隠し子ォ!?」

 骨髄反射のごとく、即刻反応してくる福島。

「お姉ちゃんそんなこと知らないよ? どういうことユウくん?」

 副生徒会長こと姉貴は、またまた笑顔で聞いてくる。

 へぇ、俺に隠し子が。まさか、あの時あんなことになるなんて、俺はなんて取り返しの――いるわけねーだろっ! どこにそんな伏線があったんだよ! 少なくとも、今までの人生の中で、その伏線となるべきである出来事は心当たりがないわ! 

「チサさん何言ってるんですかっ!」
「あら、ごめんなさい……隠しておくべきだったわね?」

 また誤解を生む言い方を!

「そんな事実は存在しませんから!」

「この年でユウジ、オマエ……人として軸がぶれてんな!」

 俺の軸がぶれてるんじゃない、この生徒会役員らの軸がぶれてるんだ!?

「ユウくんのはじめてが……」

 ……なに言っちゃってるんですか、この人。ああ、姉貴です。言ったのは姉貴です。でもこんなのが姉貴と認めたら、色々秩序が崩れると思うので認めません。
  
「はれんちだよ! それは大人になってからだよ!」

 大人になっても、隠し子はいけないと思いますよ?

「ふふ、このリアクションがたまらないわ」

 ……意図的過ぎて感動した。狙ったんですか。そうですか! 狙ったんですね! いや、そうですよね!

「お前を、さっき信じたあたしが馬鹿だった……」
「いや! さっきのは嘘偽りないから!」
「ねぇ……ユウくん」

 おい、なんか話しかけてきたぞ。無視するか? 無視するか? ……一応は聞いておくか?

「なんだ……姉貴?」
「お姉ちゃんは……お姉ちゃんは二番目でもいいからっ! ねぇユウくん! 私と子作」
「ああああああああああっ!」
「急患だっ! この人は、重症なんだ! 医者はいないのかっ! 誰か、姉貴を助けてくれぇぇぇ!」

 病院が来て! もう手遅れなぐらいなんです! だからこんなに血迷ったような、弟にかける言葉として不適切なことを言っているんだよ! 先生、誰か来てー!

「もう! ユウくんったらぁ」
「……」
「いくらなんでも、産婦人科に行くのは早すぎるわよ……?」
「精神科に行く必要は十二分にあるけどな!」

 なにこの酷い有様。俺はプレイするゲームのジャンルを間違えたようだ。俺のやりたかったのは”ハートフルストーリー”なんだ。
 ”ハートフルボッコストーリー”じゃねえんだよ!

 さっきから俺に集中放火。
 チサさんが爆弾を中心に投下し、生徒会長が誤解して、誤情報を流して周囲を混乱させ、更に福島がその誤情報を鵜呑みにし、姉貴が更に爆弾で燃え盛る炎にガソリンを投入した。
 現実にそんな事があったらが大惨事だな。しかし、ええ。 生徒会と、俺の印象は大惨事ですね。
 どんだけ精神的に抉れば気が済むの!? 一人もう姉貴とは呼べない、重度の変態になっちゃってるし! 流れを変えるんだ……とりあえずは本当のことを話さなければ。

「……コイツは俺の妹の桐です」
「よろしくですっ☆」

 猫かぶりに拍車がかかってるな。そして内心、俺の集中砲火を見て笑ってるんだろ! 凄い嬉しそうだもんな!
 そしてかつての火種ことチサさんが、口を開く。
 
「イモウトってのは”義妹”と書く方で合ってるわよね?」
「どこからそんな選択肢持ってきたんですか……」

 どうやってもイモウトとは読めませんね。ギャルゲーとかラノベで強引にフリガナ振って、は見たことあるけどよ。

「義理なら……別にやっても、大丈夫なのよね。羨ましいわ」

 何を!? という単純な突っ込みで返そうとしたら感づく。これはチサさんが地面いっぱいに仕込んだ地雷であると。
 踏んだ(聞いた)瞬間”ハート(ドクロマーク)フルボッコストーリー”が再開されること間違いなし。意味さえ聞かなければ被害を被らずに済むんだ。なぁに簡単なこと――


「ねぇチサ、やっても構わないって……何を?」

 
 ダークホォォォォス!? まさかの生徒会長の追撃。無垢な子供による純粋素朴な疑問だとぉ!? うわぁ、チサさんがニヤリって笑い始めたよ。本当、この時のチサさんは生き生きしてますね!
「それはね……ユウジ。ね?」

 アイコンタクトで、同意を求めないでください。意味を聞き出そうとしないでください!
 しかし、こんな時に限って。ロリ生徒会長の勘の良さが発動……先程のアイコンタクトで、生徒会長は理解(誤解)したようで、

「シモノ、不潔だよ!」

 全くもって俺の意思なんかじゃない! 

「っ! 信じなければ……傷つくことも、なかったんだろうな」

 諦め始められてる!? 

「それなら……姉弟でもいいんだよね?」

 もう、アンタ黙ってて。

「……ぅん! わかったよ! 会長こと私の判断で、とりあえず今日は解散にする!」

 何に頷いたんだろ。何がわかったんだろ。ああ、誤解だって――


 と、いうことで、今日の生徒会活動は終了……ただ駄弁ってただけじゃねえか。
 しかも俺フルボッコで、チサさん以外に誤解を植え付けたまま。このノリが続くとなると、先が思いやられるな……




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