第ニ章 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に開始。
第027話 2-16 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に開始。
メインヒロイン的立ち位置なのに、次第にユキが空気化してる気がしてならない。
いや、まぁ……他のキャラが濃すぎるってのはあるんだけどさ。
個人的にそんな展開望んでいないと、ふつふつ怒りが――
四月二七日
今日は晴れてもいないし曇りとも言えない。なんとも微妙な空の下、ユキを待つ俺。
ちなみに姉貴に関しては生徒会の仕事かなんちゃらで早めに出ている。まぁ、それはいつも通りなんだが。
「おはよーユウジー!」
家の塀に寄り掛かりながら待っていると、爽やかな挨拶と共に黒髪のポニーテールを元気に揺らしながら颯爽と駆けてくるユキの姿だった。
「おお! よし、行こうぜー」
「うんー」
と、二人並んで歩き始めそうしていつも通りの他愛のない会話を繰り出されていく――
「ねぇねぇ、おいしいカレーの作り方知ってる?」
「ん?」
こんな普遍的で大きな変化の無い展開が日常会話の一コマだ。
「りんごを入れると味がまろやかになるんだよ」
ほう。今日は、料理会話か。
「なんか聞いたことはあるな」
「他にもカレーにチョコレート入れると、コクが出ていいんだって!」
「まぁ、入れても合いそうではあるなー」
「辛口カレーにココナッツミルクを入れるとなんとインド風に」
「ほぉ」
「カレーの水の代わりに鶏がらスープを入れても美味しいらしいよ」
「へぇ……」
「市販のカレールーだけじゃ辛さや風味が物足りなかったら――ガラムマサラ・レッドペッパー・クミンシード・胡椒・七味・タバスコを入れても合うんだよ!」
「……」
これなんて雑学王? ユキのキャラ設定した人か、今のシナリオ書いた人。料理大好きだろ! っていうかカレーだけで一時間語れる勢いじゃねえか!
「ユキは料理得意なのか?」
「ううん、あんまり」
戦犯シナリオの執筆者かよっ! 性格と合ってないじゃん!
「で、でもね! お菓子は得意なんだよー! 甘いものは大好きだからね!」
おお、女の子っぽい。うーん可愛いなぁ。
「甘いもの好きなのか? 辛い物は?」
「あんまり」
……さっき思いっきり香辛料の話をしてたのは誰でしょうか? あなたですよね! というかシナリオライター! 矛盾発生してるから!
「でもね! ジョロキアまでならイケるよ!」
はい、ええと。それ世界一辛い唐辛子だから。量とか関係しなければそれ以上はないと思うぞ。
「タバスコをさ、パスタについかけ過ぎちゃうんだよねー! いつの間にかパスタの色地が見えなく――」
ぎゃあああああ、パスタの小麦色が真っ赤のタバスコの海にいいいい!?
「や、やめろ! これ以上は致死量だっ!」
想像しただけで目が痛い……ああ、口の中がヒリヒリしてきそうだよ。
というかタバスコか……タバスコの付着した指で、目を擦ってしまった時の激痛を思い出した。
あれは、トラウマだ……鏡で見たら目がもう、充血して大変なことに。リアルギ●ス状態で……何か命令を繰り出せるかと言わんばかりに真っ赤に染まっていた。
「とにかく……甘いものはいいよね!」
話が一切まとめられてない!? その過程が一八〇度ちがうぞ!
なんだこれ。久しぶりのユキ回が、まさかの激辛談で終わるのかよ!
「あ、話している間に学校ついたね」
シナリオライタァァァァ!
……そんなこんなで、また一日が始まります(無理やりな〆)
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。