ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
七月二十日
第ニ章 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に開始。
第025話 2-14 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に開始。
「と、いうことで! 新たな生徒会役員が入ったところので、この私こと会長指揮の生徒会コンセプトを発表します!」

 いきなりこの都条例に引っ掛かるフェイク的な容姿の合法ロリ会長は何を言い出すんだ、と少しばかり先程までの展開を思い起こして嫌な予感を感じつつも耳を傾けていると―― 


「コンセプト”自由”!」


 は? まさに今までの治外法権もいいところな拉致監禁強制的に役員に放り込む時点で悪い意味での自由が行使されているんではないかと一瞬にして脳裏を駆け巡る。

「仕事さえ全うすれば後はフリーダム! 生徒会権限をちょびっと使って学校を変えてしまうのもアリ!」
「いや、ナシだろ」

 俺は迷わず反論した……職権乱用甚だしいな。仮にも生徒を統べたりする組織だろうに。

「反論は後日ね」
「今日中に出来ない!?」

 まさかのアフターアンサーを要求されてしまった。

「と、いうことで……雑談でもしますかぁ」
「いやいやいや」

 更に俺は迷いなく反論。迷った時点で人としての理性と常識が欠如しているといっても過言でないので俺の思考は正しい。
 てか、仕事さえ全うしてないからな!

「反論は一クール経ってからならいいよ」
「長え! 三ヶ月長え!」

 その頃には”次期のアニメ楽しみだなー”と言うように完全に忘却していること確定だ。

「えーだってー、このルートのジャンルは”ゆるゆる生徒会コメディ”なんだよ?」
「ルート言っていいのかよ! 」

 そうだ、桐の言ってたイベントってこれか……なんというか凄いメタ臭がするぞ。

「他に希望したいジャンルがあれば、内容次第で採用するから! ドンドン言っていいんだよ!」

 会長さんにジャンルを変える、そんなチートみたいな能力があるんですね、すごい(棒)  
 ……すると会長に次ぐようになんともサドステッィクな笑みで書記の紅さんが口を開いた。

「私は”血みどろ生徒会虐殺劇”の方がいいわ」
「猟奇!?」

 間髪入れずに会計の福島はといえば――

「あたしは”ソードマスター生徒会”の方が」
「なにその打ち切りフラグ!」

 最終話でラスボスが現れそれが親族で何コマかで倒して「ふふ、私をは四天王の中で最弱……! 魔王様が貴様を消し去ってくれよう」というような捨て台詞を吐いた上で主人公が「俺たちの闘いはこれからだ!」ご愛読ありがとうございました、○○先生の次回作にご期待くださいといって締めくくられる明らかに人気の無さから編集部から切られた――作品を指すのがソードマスターだった気がする。

「じゃ、じゃあ、私は”ユウくんかわいい”」
「おい、そこ。既にそれはジャンルじゃなくて感想だから」

 私情に塗れた、な。
 ……ツッコミに徹するせいで俺はいつもよりテンションが高い気がする。いやツッコミ所満載なのはわかるけどよ。

「しものも何かある?」
「いや、特に……っ!」

 ええと、なにこの空気。「何か言いいなさいよ」「空気が読めないのかしら」「これだから男は」「ユウくんかわいいよユウくん」というのが視線から伝わってくるんですけど。
 なんで俺、追い詰められてるんですか。なぜにそんなに言わなきゃいけないですか。大事なことですかね? こんな議題とも言えないような議題が。
 
 すると――突然思い浮かんだ、あるゲーム。そのゲームのキャッチコピーを数珠繋ぎで思い出した。  

「”生徒会的スローライフ”」


 今速効で考えた。なんとも適当だなと、思う。なにせ思い出したゲームのキャッチコピーと生徒会という単語を組み合わせただけだからな。
 こんなの何言ってるのよと怒られるに違いないな。まあいいか、一応意見はだしたんだし――

「……いいね!」

 いいんだ。

「ルート名これにしましょ」

 いやだから、ルートとか言わないでください。

「五八点だな」

 意外に厳しい! 赤点ギリギリじゃねえかよ。

「”ユウくん的スローライフ”……」

 姉貴……(哀れみの目をして)

 ということで、このルート(本来は言いのはナシだけど)は”生徒会的スローライフ”に決まりました……正直どうでもいいな、うん。

「(そういえば)」

 なんかこの”生徒会的スローライフ”的な物語を読んだ気がする。デジャブというか……なんというか。

「(ふふ、何気ないところに伏線が張られていたのね)」
「(伏線?……というか勝手に人の心読まないでください)」
「(以前のあなたの妹の発言を思い出してご覧なさい)」
「(……いや、なんであなたが俺の妹を知ってるんですか)」
「(私はなんでも知っているの)」
「(……)」

 まぁいいや、思い出してみるか。妹ってのは……桐の発言だよな。
 『コメディが中途半端な男じゃのう』
 『生徒●の一存まではっちゃけてなく、ギャルゲ●の世界よ、ようこそまで固くない』
 これか? ……あっ! そうだよ! 生●会の一存だ!

「(確かにこの展開やノリは生徒会の●存のモロパクリだ!)」
「(……もともとパロディだけで構成されたような小説をパクってなんの意味があるのかしら……あらこんな時間に誰か来たみたい)」
「(扉を開けてはダメですよっ! 開けたら最後、富士○書房の人間に消されます!)」
「(大丈夫よ”あちらの私”とは連携がとれてるから心配はないわ)」
「(平行世界扱い!?)」

 紅さんは謎は多いが、かなりの美人だったりする。制服以外の場所から露出する白く透き通った肌。腰まで届くかのような長い深い青色の髪。
 スラリとした手足に精悍かつ女性の色気も醸し出す顔。スレンダーながらも出るところは出ているという抜群のプロポーションである。

「うーん、次の話はどうしようかなー」

 頬杖を付いて考える会長。会長も前述の通り”美少女”だ(少女を強調)その体型のちまっこさが庇護欲を刺激してくるが、桐で耐性が付いたので特に何もしない。 
 そういえば……

「福島」
「ん? なんだ」

 なんとも若干嫌そうに答えてきた。

「さっき、俺と同じクラスって言ってたよな?」
「ああ」
「クラスで福島を見かけることがないんだが、どうしたんだ?」

 というか居たことさえ本人が言って初めて気付いた。意識していないからかもしれないが見たことがない。

「ああー、最近は生徒会で忙しかったからな。下之よりは早く生徒会に入ってるからもあるだろ。最近は殆どこの生徒会室で飯は食べてるんだよなー」

 むむぅ、以外と忙しいのか生徒会。同級生だったという衝撃とまでは行かないとはいえ驚きの事実を聞いた。 
 ちなみに会計の福島は男勝りの喋りとはミスマッチにもかなりの美少女である。
 左右を黒いリボンでまとめたツインテールの黄色い髪。こちらもスタイルよく、非常にバランスが取れている。
 黄色いってのはそのまんまで浮いてもおかしくないはずなんだが……この生徒会ではそれほど目立たない。
 
 というか姉も含めてバランスのとれた美少女で構成されている気がする。

「そういえばさっき俺のこと目の敵のように言ってたけど……俺が何かしたか?」

 気になる。俺がやっぱり何かしたのだろうか。

「いや……なんというか、悪い。勘違いとは言えお前が女たらしに見えたからな。警戒しておこうと思って」
「ああ、そうなのか。誤解させるような行動をする俺も悪いからな……こちらこそスマンかった」
「いや、アタシの勝手な解釈がいけなかったからさ……お前は謝らなくていいよ」

 そうか、そういうことか。なら良かった。

「そういえば……シモノユウジだっけか?」
「ああ」
「これからは、副会長と区別が付きにくいから”ユウジ”で呼ぶぞ」
「構わないぞ」
「じゃあユウジ。こちらから聞かせてもらうが……副会長とはどんな関係が?」

 あー、そっちの誤解は解けてなかったかっ!

「姉弟だよ。なんか姉貴は俺のことすごい気にかけてくれてるみたいだけど、どうも度が過ぎた溺愛ぶりというか……ここだけの話、俺も少しウンザリしてる

 姉貴に聞かれないように、小声で福島に耳打ちする。

「ああ、そういうことか。いや、また誤解してたみたいだな……ユウジ、スマン」

 また謝られる。どういう風に誤解しているのか第三者から意見を聞きたいが恐いので止めておこう。

「アタシも妹が居て結構可愛がってるからな……まぁ一種の甘やかしで、少しねじ曲がっちまったけど」
「ねじ曲がった……?」
「いや、なんというかな……言葉で言い表せないんだよな」
「……? それじゃ、ねじ曲がったと分かる象徴的なエピソードとかないのか?」
「うーんそうだな。 純情ロマ○チカとかアンテ○ークとかはよくアタシに見せてきたな』
「……」
「男、男の同姓同士の場面がスゲェ多かった」
「腐ってる!?」
「あたしにはどうも、受け付けなかったけどな」

 ……ある意味安心した。 

「そういや福島はどうなんだ?」
「マンガ関連でか? マンガはあまり読まないが、アニメは見てたな」
「へぇ、そうなのか」
「ナ●トとかブ●ーチとか――」

 おお、見事なまでにジャ●プ系

「フタコ●オルタナティブとかグレ●ラガンとかさ』

 すげえ。前者はマニアックすぎてほとんどが知らないだろうな。

「まぁ熱血モノなら大歓迎だな!」

 今までの作品群からそれについては凄い納得出来た。

 生徒会総評。
 各それぞれ個性的だと俺は思う……いい意味でも悪い意味でも。 
 でもまぁ、思ったよりは、やっていけそうだな――と思ったのが大きな間違いだったことを以下略。



+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。