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7月9日
第ニ章 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に開始。
第019話 2-8 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に開始。
 それで家だ。帰る頃にはすっかり暗くなっていて門をくぐる頃には澄んだ空に星が輝いている。

「たっだいまー」
「ただいまー」

 姉弟揃って玄関に入ると。

「おかえりーお兄ちゃん、お姉ちゃん☆」

 キラッ☆ ……と言ったような”猫かぶり”フェイスをかます妹(桐)がお出迎え。

「ユウくん、ということで今日は腕によりをかけて夕食を作るよ?」
「え?」
「(ぴき)」

 おお姉貴が見事に桐をスルーした! なんか音したぞ、今桐のこめかみから。

「いや、生徒会で疲れてるだろ。姉貴の作れる簡単なものでいいよ」
「はぅっ! うれしいなぁっユウくん……お姉ちゃんのこと心配してくれるんだねっ」

 ……なんだかんだ俺って、姉貴には甘いからな。それに――

「まぁな。家事ほぼ全般に学校では生徒会副会長だもんな……疲れないはずがないだろ」
「(ぴき)」

 照れを隠しながら姉貴の1日にやっていることの具体例を羅列する。
 そう彼女は、俺の姉貴でもあるが学校の生徒会の会長を補佐する立場にある副生徒会長なのだ。

 しかし生徒会そのものがあまり明確なもののでなく。一体何をしているのかイマイチ分からない感じがある。
 生徒会のある日は遅く、六、七時に帰ってくることが一番多いが、遅いと九時前後にもなる。帰ってきた瞬間に見れる姉貴の顔には疲れが出ていて決して楽ではないことが分かる。

 そんな生徒会終わりに夕食も作ってくれる訳だ。何故倒れずに出来るのか逆に不安になる……というかさりげに桐が不機嫌になってる?

「う~んっ! その心配してくれるユウくんの言葉が、私の元気の素なんだよ! さぁがんばるぞ!」
「(イラッ)」

 ……心配をかけまいと投げかけた言葉が、逆手に取られて姉貴を張りきらせてしまった。

「ユウくん、今すぐ作るからねっ♪ あっ、桐ちゃんも待っててね」
「(プチッ)」

 というか桐スルーだったんだが、姉貴気づいてたんだ

「じ、じゃあおにいさん、部屋でできるまでまっていましょうぞ」

 おーい、あんた誰だよ。桐、しゃべり方が大変なことになってるから。
 なんというか姉貴は俺がいると、俺にしか目が行かなくなっちゃうんだよなあ……これもどうしたものか。
 




 で、マイルームに戻ると不機嫌オーラを放つ桐ももれなく付いてきました……ああ、いらねえ。

「姉ルートまでも……それもいつでも結婚できそうな勢いじゃとッ!?」
「いや出来ないから、家族内通話みたいに軽く出来るもんじゃねえよ」
「”タダカゾでいましょう”」
「……某携帯会社のキャッチフレーズをもじったんだろうが、果てしなく言いにくいぞ」
「で、貴様いつのまに姉ルートを? 昨日の時点ではあまりその片鱗を見せてはいなかったが」
「いや、ずっとあんな調子なんだが……今日は学校帰りかつ買い物帰りの姉貴と商店街で会って一緒に帰ったからか?」
「一緒に帰ったじゃとッ! そして買い物袋を二人それぞれ片手ずつじゃとッ……! 羨ましい、なんという新婚さん!」
「言ってねぇよ」
 
 この子妄想癖強い……まあ常にだけど。 

「……わしの本当の敵は家族にあったらしい――ターミネートスル」

 キュイーン。

「効果音付き!?」
「……姉は近親相姦狙いと見た」
「見れねえよ! どういう方角から見たらそうなるんだよっ!」
「このキリ・アイさえあればそんなこと見透かせるわっ!」
「そのキリ・アイとやらは、腐ってるとしか思えないな」
 
 とりあえずそうして新米お笑い芸人も鼻で笑いそうな低俗な会話を繰り広げているのもあくまで時間潰しであり、姉の夕食を待つ俺と桐。

「兄上」
「……そんな呼び方だっけか」
「今までは特に決まってなかったからのう。これにしておいたぞ」
「名前でいいよ」
「名前でよいのか? ふふ……これは妹ルートに入りかけたな。これは良い傾向じゃ」
「俺目線だと、片足さえ入ってないな」
「しかしお主も惜しいことをしたな、あの委員長ルートの分岐が先ほどあったと言うのに」※前回参照
「な、なんだってー! いや、考えてみたら委員長ヒロインじゃないぞ」
「いやなんかスタッフが作ってたんじゃと』
「なんでだよ」
「途中まで書いてたら”あれこれカップルじゃね?”と急きょ書き直したそうな」
「スタッフ、いいのに」
「貴様にとっては良いかもしれんが、スタッフにとってはシナリオが破綻しそうなので止めたそうじゃ」
「そ、そうなのか……というかこんな直前までシナリオ作ってんのかよ! シナリオよりもスケジュールが破綻してるじゃねえか!」
「こまけえこたぁいいんだよ(AA略」
「略も何もここに載せられないだろう(批判的な意味で)」

 そう呆れているとずびしと人差し指をぴっと伸ばしながら右手を前へと出すと、


「コーナー、今日のおさらい」


「……いきなしフリーダムだな」
「コメディが中途半端な男じゃのう」
「いや、どうしろと」
「生徒○の一存まではっちゃけてなく、ギャルゲ○の世界よ、ようこそまで固くない」
「読者の九割九分が理解出来ないネタを」
「ならの○太」
「一〇〇%が”ああーそんなキャラかー”ってなるけど実際違うだろ俺と!?」
「優柔不断なら灼○のシャナの主人公、スク○ルデイズの主人公並みじゃな」
「謝れ伊○誠と一緒にされたことを、坂○悠二に謝れ! 今すぐにぃっ!」
「確実に知ってる者から見たら”なんだとこの野郎! 誠○ね”でコメント欄が荒さられること確実」
「ブログ炎上ならぬ、板炎上かよ。冗談じゃねえ、あってたまるか」
「悟空」
「手から何か撃てそうだな」
「違う、ドラマ西●記の方じゃ」
「まぎらわしいわっ! というか遂に二次元から出ちまったよ!」
「……たくっ、グダグダになったではないか」
「俺のせいかっ!? どうみてもお前が戦犯じゃねえかっ!」
「とりあえずお前は中途半端だ、スタッフは使いにくい(苦笑)しておるぞ」
「えー……スタッフから使いにくい扱いされる主人公ってどうよ」

 ぶっちゃけどうすりゃいいんだよ。

「それは簡単なことじゃよ」
「拒否」

 さりげに心読まれたし。なぜ拒否ったかというと――

「どうせ”なら妹ルートに入ればキャラが確定するぞ”とかだろ」
「なに、心を読まれたし!? 貴様、わしの力をコピーする”ゼロ”のフラグメントが有るというのかっ!」

 容易に想像出来たんだが。更にその桐の言う確定キャラは完全に”ロリコン”という残念な人種だから。
 それに後半のネタはガチで誰も分からないから。

「たまにはロリコンもいいよね!」
「よくねえよ”たまには”ってなんだよ」
「週五ロリコン、土日シスコン」

 結局毎日残念な人……って!

「結局お前には週七日分あるじゃねえかっ!」
「ちなみにハルケギニアだとフリーな日が一日あるぞ」
「んなこと聞いてねえよ」
「ロリと妹の二属性を有するのがわしのチャームポイントじゃな」

 チャームポイントとか言う人にろくな人はいないってばっちゃが言ってた(言ってないけど)そんなこんなで話してるうちに時間は経ち。

「出来たよ~ユウくん」

 どうやら夕食ができたようで。

「――と桐ちゃん」

「(PIKI,PIKI)」

 明らかに桐と俺の言い方が違う。桐はついでみたいに言っているし……そりゃイラっとくるだろうよ、と今回ばかりは桐に同情。

――天然なだけだよな?
 
 計算だったら……桐を怒らせるよう誘導するのは神レベルかもしれん。後者でないことを祈りつつ、姉を追うように、不機嫌モードの桐と共にダイニングへ向かった。


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