第一章 プロローグのプロローグ
第002話 1-2 プロローグのプロローグ
それはギャルゲーの主人公になったかのような世界で、それでも今までの”俺”の世界でもある。
合わさる世界は時にカオスで、時にファンタジーで、時にラブコメディ。
何度も何度も正解を見つけるまで繰り返され、様々な要素の混ざり合う――それはきっとこんなモノガタリ。
* *
「ユウジー」
まて、落ち着くんだ俺! 俺の交友関係にこんな声の持ち主はいない。
いや、もしかしたらこの人生のどこかに伏線が!? 検索開始――お、遅いっ! なんで未だにA○SLなんだよ俺の脳内回路、はやくに光に切り替えてくれよ。
結果――該当なし。もしかして”ウジ”の間違いではないですか? やかましいっ! その間違われ方は素晴らしく傷つくわ!
で……ないよな。
地味に過ごし地味に生き抜くことにプロ並みの自信を持つ俺が、こんな女子から声をかけられるわけが――
いや、まてよ。俺はそこでふと考える。
「……というかどんな人なんだ?」
声はかわいい、まるで透き通るウンタラウンタラ。歌なんて歌わせたらアニソン紅白出場間違いなしの美声。
しかし……だ。実際に中の人はというと果てしなく美少女からは遠かる容姿のパターンが多い(※過去知り得た声優の検索結果より)
ようするに声と容姿は、天は二物を与えないと言わんばかりに一致しない可能性が高いからな。
「……とりあえず百聞は一見にしかず、見てみるか」
窓を覆うカーテンを引き、窓ガラスを介して下の方を覗く――ササー……俺は即効でカーテンをきっちりと閉じた。
なぜかって?
その女子がかわいいからさっ!
いやあれは超がつく美少女だ(参考、過去十六年間の脳内メモリー)
黒髪ポニーテールとか反則だろう! 媚びすぎだろう(?) ふうむ……これはドストライクだ。
でも今は朝、さらに既に玄関で待たせているので余韻に浸っている余裕はない、
急いで行けなければ――
「(いやまて落ち着け、よおく思い出せ)」
あの女子が友人に居た記憶はない、まして声さえ聞いたことのない――
フラグを立てた覚えはもっとない。
ならなぜ、この玄関前からモーニングコールが?
「(……ん?)」
そういやあの顔に……似た顔を……最近に見た気がするんだよな。
それもごく最近だ。これが思い出させなければ老化ボケ確定の判子が押されること確実……思い出せ、思い出すんだ、下之ユウジこと俺!
これは重要な事だ。本当に見覚えがあるのなら――
「まあいいや」
そんなことどうでもいいっす。さっきまでと言ってること考えてることが違うだろと言われたら申し開きが出来ないが、なんにせよ俺は待たせてしまっているのだ!
あと、こんなカワイコと登校出来るなら構わないぜ! ああ、夢なら長く続いておくれよ。
パジャマ姿の俺はとりあえず制服に着替えることにした。
制服である学ラン一式はベッド側のクローゼットにあるためパソコン机から少し歩く。
その時のこと――
「痛っ」
カツ、と何か固いものに足がぶつかり足先にちょっとした痛みが走る。そしてぶつかったものはといえば、物は地面を滑っていったような気がする。
それで痛みのある足元を見下してみれば――なんともゴチャゴチャと絵が描かれているソフトケースがそこにはあった。
「……基本片づけないからな、俺」
頭をポリポリとかきながら、全く誇れないことをほざきながらケースを手に取る。
しかしそのケースのパッケージを見て頭に電流が走ったかのような衝撃が走る。
「っ!」
そのパッケージに描かれていたのは、透き通る大きな目に、ゴムでまとめた黒髪のポニーテール。
いかにもなどういう構造と、機能性はあるんだろうかと疑問が浮き出るようなギャルゲー的な制服を着ている、その絵の中の女の子は――
窓の外に居た、俺の名前を呼ぶ女子と瓜二つの容姿だったのだ。
「……え?」
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