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5-12の別案で、というかGAYM版6話の一部だったりします。そのまとめ版の上です。
もともとはこんな話で、変にシリアスになって気持ち悪かったですね。まあ(下)がかなり関係していて6話が5、5話に差し替えられた理由でもあるのですが――
第八章 ※独占禁止法は適応されませんでした。<クリスマス>
番外14話 BOTSU 5-12(上)
「おーっす!」

福島戸夏こと生徒会役員会計を務める、茶色のセミショートを黒いリボンで纏めたツインテールの髪を揺らしながらやってきた。
手には薄い深茶色の鞄を片手で持ち生徒会のテーブルに備えられた椅子に座る3人に向かってスポーツ部的あいさつを投げてくる。

「コナツも来たねー! あとはミナだけかぁ」

人の噂をすればその噂された人が姿を現す訳で。

「お、遅れましたっ!」

ミナが息を切らしながら、生徒会室に滑り込んできた。

「大丈夫大丈夫! 気にしなくていいよー」

「うん、ありがとね! 葉桜会長っ」

ユウジ姉はおとなしめにスマイル。そしてユウジの姿を自分の視線が捉え。

「あっ! ユウくんっ!」

しかしユウジの名を嬉しそうに呼んだだけで、他のことはしない。一応は、生徒会という場を弁えてのことなんだろうね。

「……おーう」

その思い切り笑顔に対比するかのように陰湿で適当な挨拶を返すユウジ。

「ユウくん元気ないね……どうしたの?」

ユウジ姉は途端に不安の感情を作り出し、ユウジに問う。

「いや別に」

非情に淡泊な返し、でもユウジ姉はテンションを変えずに。

「そうだ! 鞄にう○い棒入ってたっけ……えーと」

なぜ鞄にうま○棒が入っているだろうという疑問をよそに。

「姉貴、俺のことは気にしなくていいからさ」

今度は配慮の言葉の籠った言葉。
なんというか今日のユウジの発言や言葉は安定していなくて統制がとれていない気がする。

「そ、そう? ならいいけど……」

「それで会長、俺らを呼び出して今日は何をするんですか」

会長以外の誰もが聞くであろう質問を低めのテンションでユウジが発す。

「え、えとね……そうだ」

「……今考えたんですか」

「そんなことはないょ? 今日は、今後の生徒会の方針を考えるのっ!」

「そして今、考えるんですか」

「これからの生徒会の方向性を決定付けるコトだから、1クールに渡って議論するよっ!』

「3ヵ月もあれば他のこと出来るでしょうに」

「シモノは黙ってて」

「はい、わかりましたー」

素直に了承すれば、腕を枕にして寝始めるユウジ。えー。

「こらーっ! 寝ないで!」

「……」

「シモノに言ってるんだよ!」

「……」

「前々回とノリが似てない? ネタ切れって言われちゃうよ?」

「……」

「アスちゃんが”黙ってて”って言ったからじゃないかしら」

「屁理屈こねた小学生かよ……」

するとユウジは足元にある鞄から、適当なノートとペンケースを取り出す。寝ながら。
そのペンケースからマジックを取り出しノートを開くとキュッキュッと音を立てながら何かを書き始める。寝ながら。
そして書き終わるとペンケースにマジックをしまい、ノートとペンケースを鞄に片付け、書いたノートを千切ってその紙片をこちらに寄こした。もちろん寝ながら。
この間、顔を皆に見せず、地面にほぼ顔が付いた状態で何かを書いていたことから今は必要のない器用さが滲み出ていた。

「なにかしら……」

そうして皆がユウジの書いた紙片を覗くと、そこには……

「”黙れって言ったから素直に実行してるだろ(#^ω^)ピキピキ”」

「顔文字入り!?」

「それにあまり見ない類のものね」

「……体は高校生、頭脳は小学生だな」

そう福島が呟くと、また律儀にノートとペンケースを(以下略)そしてまた出てきた紙片は……

「”コナンと逆じゃないか( ´_ゝ`)”」

「なにこのイラっとくる顔文字」

「使い方違うわね……」

「うぜええええっ!」

今度はノート、ペンケースをしまわずに居たので次の紙片はすぐに来た。

「”うざい? その反応はこちとら本望だ( ´_ゝ`)”」

「この顔文字気に入ったのかな……」

「見せられた方はたまったものじゃないけどね」

「というかもう喋れよ!」

「”会長ご許可を”」

「え、私!? え、えーと……シモノ喋って」

「……帰ってきました」

「おかえりユウくん」

実況と解説。実況、会長。解説、書記。

「ここでユウジ姉参戦!?」

「今までの会話を傍観視してたみたいね……ミナ、やはりあなたは只者じゃないわ」

「ユウくん今日はグレちゃって……どうしたの?」

実況と解説その2.

「おっとここでユウジ姉の尋問に入る!」

「……随分やさしい尋問ね、怒りや勢い、速さが足りないわっ!」

「チサ、勢いも速さも要らないと思うよ……」

「じゃあ怒りを5トンほど入れても言いわけね」

「いきなりトン単位!?」


「いや、とくになんでもないんだが」


実況と解説その3の他にゲスト乱入。

「あっさりとした返し! コイツベテランだ」

「コナツはそこ突っ込むところじゃないと思う……」

「じゃあどうして……自分のノートを使ってまで!」

「論点ちがくね?」

「もうどうでもいいよ……」


「会長に言われたし、会長は最高指導者だからな……逆らったら夜道にヤラレルだろ」


「私、どんな設定!?」

「夜道で背中をブスリか、脇をブシュッか気になるところね」

「チサさんそこは気にならないからさ」


「大丈夫よユウくん、会長はやさしい人だよ」


「ミナ……」

「百合ね」

「なんでだよ!」


「そうか……なら心置きなく反逆できるな」


「態度の翻しが酷いよっ!」

「のちのル○ーシュね」

「ロクな人生送れないな、ソレ」


「あのー、みなさん」


「え、私たち?」

「みたいね」

「そうみたいだな」


「少し黙っててもらえます?」


「ひぃっ!?」

「ど、どうして私の手は震えてるのかしら……ただミナの笑顔を見ただけなのに」

「笑顔が怖いですから! ミナさん!」


「そんなことないよー」


「……静かにします」

「御意」

「同じく」


「それで本当になんでさっきは……」

「疲れてたんだよ、色々とあってさ」

「え! そうなの!? お姉ちゃんに相談してくれれば良かったのに」

「いいよ、悪いし」

「そんなことない、お姉ちゃんなんだから頼りにしてよ?」

「でも……いいからさ」

「そう……わかった。今度困った時は頼りにしてね」


「ああ、ミナが一目見てもわかるションボリムードに!」

「可愛い弟に拒絶されたのだものね」

「下之の野郎……」


「で、結局会長、今後の方針はどうするんです」


「こっちに来た!?」

「予測が付かなかったわ!」


「またはチサさん」


「わ、私!? そうね……残虐的とか」

「アドリブグッジョブと言いたいところだけどチサさんの趣味丸出しだ!」


「じゃあ、姉貴……はいいや」


「……チサロープ貸して」

「な、何するんですかミナさん!」

「はいロープ」

「チサさんもなんで渡すんですか! というかなんで持ってるんですか!」

「ミナ、一体何に使うの?」

「……ぅぅぅ」

「? どうしたのミナ」

「うぅぅぅ……吊ってきますぅ」

「ミナに何があったの!?」

「ユウゥくんにスルーされたぁ……もう首吊って――」

「早まらないでミナさん!」

「そ、そうよ! ロープはユウに使いなさい!」

「なにチサは勧めてるの!?」


「手首をこのロープで拘束すれば……ユウくんは私のものに……ふふ」


「ミナがチサ化した!?」

「アスちゃん、私を代名詞みたいに使わないでちょうだい、大体あってるけど」

「結局は認めるのか!」


「さぁチサロープを渡して、ユウくんは私のずっと傍に……」


「これは重度のヤンデレね……尽くすタイプだけど浮気を知った途端その浮気した相手を刃物で惨殺するタイプね」

「そんな考察要りませんから! ロープしまってくださいチサさん!」

「もうわけわからなぁーいっ!」


そんな女子勢の混乱をよそにユウジはというと。

「眠い、だるい、はぁ……」

テーブルに項垂れながら肩をコキコキ言わすと小さなため息をつきました。


「ミナ、どうどう」

「うぅぅ……」

なんとか書記の紅がユウジ姉を落ち着かせました。
会長はともかく福島ではなく”あの”紅さんが何故止めたのかは……放っておいたら本当に自殺しそうだったので仕方ない気もしますね。

「ユウ」

「はい」

「ミナに謝って」

「姉貴ごめん」

「謝るのはやっ! というかねぇユウ理不尽に感じないの? 確かに私が言ったこととはいえ……」

「姉貴はそういう人ですから、すごい寂しがり屋なんですよ」

「そ、そうなの……?」

紅さんは呆気にとられている様子。

「自分がなかったことにされるのは、一番嫌で怖いですから、それは自分も同じです」

「……えーとユウどうしたの? なんか急にキリっとして」

「いつまでもダラーっとしてたらいけないですから、それに俺もすこし調子に乗りすぎたようです」

「そうなんだ……」

待って待って待って! ちょっと待って話の流れがおかしくない? 
ユウジがユウジ姉の意見を聞かずにスルーしただけでここまで発展するっておかしいよね!?
ユウジもユウジで自分が原因でした的雰囲気作ってますし。
いつもなら姉や生徒会メンバーに反抗はしているはずなのに。今日は自分に罪があると決めつけている上に、即刻謝ってますね。
……なにかがおかしいです。嫌な予感をナレーターこと私の直感が感じています!。

「……」

会長は何か悩んでいる表情で無言のまま座っています。

「アスちゃん」

「え? なにチサ」

「今日の生徒会はどうする……?」

「え、そうだね……」

会長は辺りを見回す。そこにはまだ泣きじゃくっているユウジ姉が。福島は電子ポットで熱湯を沸かしお茶を淹れ、ユウジ姉の前に置いた。
ユウジに関しては、ぼーっとしているというか我ここにあらずというか意識が何処か遠くに行ってしまったような雰囲気を醸し出している。……ますます嫌な予感。

「皆、今日はみんな駄目そうだし解散にしよう」

「そ、そうね。アスちゃん」

「えっとー、みんな注目ー! とりあえずこれで今日の生徒会の活動は終わり! 明日の放課後辺りにでも放送流すけど覚えておいてねー」

会長がそういうと。

「はい」

ユウジが答え。

「ぅん……ごめんね」

ユウジ姉も答えて。

「わかった明日だな」

福島も答えました。

「じゃあ、今日の生徒会しゅうりょうっ!」

会長の呼びかけで生徒会活動は終了しました。うーん何かひっかかりますねー。




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