GAYM版より性格が良くなっている……だと
”もうひとつの世界”とナレーターが称す世界。
その名もGAYM版 「クソゲヱリミックス!!」
http://syousetu2.gaym.jp/s/read.cgi?no=2240
そこでは、この世界と僅かながらも違う物語が進んでいた――
第八章 ※独占禁止法は適応されませんでした。<日常>
第104話 √1-9 ※独占禁止法は適応されませんでした。
ガラガラガラ――生徒会室の戸を引いて、室内へと足を踏み入れる。
「こんにちは――」
俺がそう挨拶しながら中へ入って行くと。
「こん――!?」
まぁ、ものの見事にオルリスしかいなかった。
ちなみに挨拶を言いかけて止めたのも、おおよそ俺が入って来たからであろう。
「……あのさ」
「…………」
ガン無視。 まぁ仕方ないわな。
「ユイ」
「はい、なんでしょう親分」
「悪いが、席を外してくれないか?」
「え……ああ。 なるほどね。 わかった、アタシは外で耳でも塞いで待ってる事にするよ」
「助かる」
ユイも先程の新聞公開時に一緒に居たから、空気を読んでくれたのだろう。
こういうのは本当に有りがたい。 こういう面でのスイッチの切り替えの良さは流石といったところだ。
さて……オルリス一人と俺が残された訳で。
案の定――
「……私一人にしてどうするおつもりですの?」
警戒心や不信感かつ不機嫌、嫌悪感を撒き散らす彼女。
「知らせたいことがある」
「……どうせ他にも何かするのでしょう!」
「しねぇよ。 ……”あの”事が非公式新聞に載っちまった」
「”あの”……っ! そ、そんなはずはないですわ。 どうせ私とあなたとの二人きりにする口実――」
「……現物はある理由で持って来れない。 一応、写メは撮っといた」
携帯を操作して、画像フォルダを開き液晶に映し出す――
「これだ。」
「……!?」
彼女はやはり驚きを隠せないようだった。
それとともに羞恥心が沸きたったのだろう。 顔を真っ赤にして手を震わせていた。
「やっぱり……でしたのね」
「え」
表情を変えないまま、そんなことを言う。
「以前あなたが私を訪ねた来た時にです。 ……あなたも聞こえていたはずでしょう?」
「何の話だ……?」
「シャッター音ですわ」
「!」
そうだ……思い出した。
オルリスの教室を訪ね、その後オルリスに連れられ倉庫入り口かつ半地下で話していた最後の方にだ。
パシャ、というシャッターを切ったような乾いた音が響き聞こえた。
あのときだったのか。
それならば責任は全て俺にある。
あのとき、俺が訪ねなければ。 もし生徒会で会っていれば違ったのかもしれない。
所詮悔やんでも”もし”と言っても時が戻る訳じゃない。
「その件も、そもそもの発端も……本当に悪かった。 クランナ=オルリスさん、すみませんでした。」
もう頭を下げるしかなかった。 例え、今でさえも無視されていても。
例え、答えが返ってこないとしても。 今は謝ることしか俺には出来ないのだ。
「……頭を上げていいですわ」
「え?」
「……連れ込んだの私には違い有りませんから」
「いや! そもそもオルリスさんを訪ねたから――」
「いえ、私にも責任の一端は十分有ります。 申し訳ありませんでした」
「なんでだよ! なんで俺なんかの為に謝る必要があるんだよっ!」
俺が全て悪いのだ。 何もかも。
「……なかなか言いだせませんでしたが、正直私も言い過ぎ――いえ、過剰なまでに憤りを感じてしまいました」
「それぐらい言われて当然のことを俺は――」
「あなたの顔を見るだけで……どうにも怒りが抑えきれませんでした」
「だから、それが当たり前だって――」
「あなたはあの時も、そして今日もこれほどまでに謝ってくれているというのに……私は心が大変狭かったようです」
「いや、だから――」
「ごめんなさい。 言い過ぎました」
「……こちらこそ、すみま――」
「あなたは十分謝ってますから……いいんです」
「…………」
「何故、あのようなことが起きたのか……改めて理由を聞いて宜しいでしょうか?」
「は、はい」
……一応は包み隠さずに話した。 おそらく、大半がいい訳にしか聞こえないだろう。
それは、俺にとって仕方がないことなのだ。 覚悟もしていた――今度こそダメだと。
「……信じてもいいのですか? あなたが、友人を追って――それで、あんなことになったと」
「はい」
「……信じます。 あなたのことを信じます」
「え」
「……感情に身を任せて周りが見えてませんでしたが、あなたは嘘をついているようには見えません」
「!」
「でも……このことを聞いたとしても、まだ許すことは出来ないです」
「ああ、分かってる。 聞いてくれただけで、こっちはよかった」
「……今後の行動で示してください」
「ああ……わかった。」
と……生徒会室ではそんなことが話されていたという。
そして、いつも強張っていた彼女の表情も少し軟らんだように見えた。
「それで……どういたしましょうか」
「ああ、よりによってあの新聞だからな」
「この学校では新聞部が複数存在すると聞いているのですが……? ご存じなのですか?」
「……かなりヤバ目な新聞だ。 次期テスト問題をリークするぐらいに情報入手力がある」
「次期テスト問題……俗に言うカミングでしたっけ?」
「カンニング……まぁいいや。 そんな新聞に目を付けらた訳だ」
「ええ、生徒会役員内で起ってしまったが故に、とびきりのネタでしょうね」
「……思ってたんだが、オルリスさん」
「なんでしょう?」
「オルリスさんは、外国から来たんだよな?」
「あ……はい。 ですが?」
「いや、いやに日本語が上手で、驚いた」
「当然ですわ。 あちらの国では趣味とはいえ日本語、日本文化の勉強をしていましたから」
「おお……そりゃ凄い」
「聞いてておかしくないのですか? 私の日本語は」
「いやぁ、全然。 下手すりゃ、日本人よりも日本人してる」
「日本人より日本……? ええと、一体それはどんな意味で――」
「ま、まぁ話は戻すけどな」
「あ、はい」
「これからは標的にされたと考えて、注意した行動をとるしかない」
「……一体どういたしますの?」
「俺とオルリスさんは一緒に居ない方がいいだろう。 何かにつけてネタにされそうだからな」
「……しかし、生徒会役員としては顔を毎回合わせることに――」
「その時は――とにかく無視すればいい」
「む、無視ですか!?」
「ああ……言っては悪いけども、今までと同じようにだ」
「今までと同じ……私があなたに嫌悪感を抱いている時のような」
「それだ。 ……オルリスさんには面倒な役回りを受けてもらって悪い」
「……いえ、このまま目を付けられる続けるのは嫌ですから。 私も協力させて頂きます」
「……いいのか?」
「あなたこそどうなんです? ……今までの私のあなたへの態度は決して悪いどころか、あなたにとっては――」
「そのぐらい、いいさ。 出来れば……こういう会話も失くしたい」
「……分かりましたわ」
「とりあえずは、もう警戒する必要がなくなる……半年程ぐらいか?」
「それほど必要ですの!?」
「ああいうのはねちっこいからな。 今のところは……な」
「分かりましたわ」
「……ということで、これから頼む」
「任せて下さい――ううん? これは使い方が違うような……」
「いいんだよ、じゃあ――」
「ああ、忘れていました」
「ん?」
「オルリスと……名前で呼ぶのは変に思われるでしょう?」
「え……あ! そうか、悪かった! 気付かなかったわ」
「いいんですが……これからは”クランナ”と苗字で呼んでくれると良いのですが」
「ああ、覚えた。 ……今まで馴れ馴れしかったんだな、俺」
「気にしなくてもいいですわ。 ……では、これからは――」
「ああ、じゃあ――」
新聞部を撒く為に、また元の関係へと戻る。
これからもそっぽを向かれることが決定したのだった。
でも、今までとは違って……少し胸をなでおろす俺が居るのだった。
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