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ぼそっとエッセイ
作:春晴秋明



SかMかそれが問題だ


よく私の家に仲良しの友人が遊びに来る。

その友人の彼も、なんとなく一緒に遊びに来る。

そして、泊まっていく。
何故なら・・・・
車で来るから、泊まるしかない。 
車で来ても帰れるのでは?
いいえ、帰れないの。 
何故なら、みんな大酒呑みだから。


友人祥子(仮名:以下しょうちゃん)は、私に言う。
「たっくん(仮名:しょうちゃんの彼)は、珍しく春ちゃんに強気なんだよ〜。 なんでだろう?」

「なんでだろうね。」

「だってさ、たっくんは超どMなんだよ? どMなくせに、春ちゃんにはどSな態度を取るんだよ〜。 春!とか呼んじゃってさ。」

「あ〜、そうだね。春とか言うね、たっくん。」

面白おかしく話を聞く。

春ちゃん(仮名)でも春でもどっちでもいいしね。


そんなとき、焼酎好きのたっくんが焼酎を準備していた。
私のグラスで!!

そのグラスだけは駄目なの。
マイグラスなのよぉ〜。

「ちょっと!たっくん! そのグラスは使わないでよ!! 別なんにして!」

「なんだよ〜、春ぅ〜。 細かいこと言うなよ〜。 いいじゃん、なんでも〜」

たっくんは言う。
だめだめ! それだけは駄目なの!!

「駄目! それ、私のグラスなの! お客様用じゃないんだから。使っちゃ駄目!」


それを見ていたしょうちゃんがかなり驚いた顔をして言ったんだ。

「春ちゃんがそんなに強く言うの初めて見た。 でも・・・なんでそんなくだらないことにこだわるの?」

うーん・・・・・私もそう思う。
そんなに熱くなるところじゃないんだよ。

わかってるのに・・・
何故か、グラスとかお箸とかは「マイ」じゃないと駄目みたい。

でもって、なんだか私のSを、たっくんは引き出してくれるらしい。
そして、たっくんは悦に入った顔をしてるんだもん。

「俺さ、どMだからさ。」

なんて、言うんだもん。
そりゃ、Sになるでしょ?


出会った頃、彼に、

「私、どSだと思うんだよね〜」

って言ったら、

「君は、どMだよ」

って言われたんだ。
衝撃だった。 だって、ずっと自分はどSだと思ってたから。 しかも自分に対してだけ。

そっか・・・ Mって手もあったのか。
(Mって手って、なんに対してよ?)

「きっと、どSはどMに成り得るんだよ。」

そーかもしれん。
納得する私がいたんだ。


そいでもって、今日、彼が始めて慌てた顔を私に見せた。
いつもクールで冷静な彼。
それを見た私は・・・・

「ひっひっひ〜」

って、ちょっとしてやったりな感じになっちゃったんだな〜。


それは、Sの私ね、きっと。












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