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ぼそっとエッセイ
作:春晴秋明



愛溢れる人


艶子のように徹のような男との恋愛を経験したことがある。

徹よりももっと酷いかな。ごめん。(笑)
だけど、私は心底惚れた。何もかも失ってもいいぐらい惚れまくった。
だから、彼には今も感謝しているんだ。

だってさ、それだけ惚れさせてくれる人ってそう出会えないでしょ?だから。

だけど、その後は恋というものを断ち切ってしまった私が生まれてしまったんだ。
徹似の男だけではなくてね、その他にもいろいろあったからね。


ある時ね、ぼろぼろのずたずたの、よれよれの捨て猫みたいな私を拾ってくれた人がいたんだ。

親しくなっていく毎にその方の人となりを知り一人の人間として尊敬し大好きになった。

だけど、それは飽くまでも『人間』としてのこと。

それなのに、その人は言い続けてくれたんだ。

「春ちゃん(仮名、しつこい?)が傍にいて幸せだったら俺はいいんだよ。一緒にいて欲しい。」

って。

でもでも、そんなのっていけないじゃん?
だから、断り続けたの。

だけど、いつしか一緒にいたんだよね。(結局そーなんじゃん!)

穏やかな日々。

これか〜、これが幸せってやつなのか〜。
そう思っていた。 ううん、思い込もうとしていたんだと思う。

結局、そのままずーっと一緒にいられるわけなかったんだね。
理由はいろいろあるけど、大きなところは、二人の関係は恋愛ではなかったってことなのかな。

その人は私に言ったんだ。

「春ちゃんは、きっと恋できるよ。もう大丈夫だよ。 だけど・・・・・普通の、当たり前のような人を好きになるんだよ。 春ちゃんがこれまでに出会った人は、申し訳ないけど春ちゃんを幸せにはできない人たちだったんだよ。そして、何より本当に本当に好きになった人だったら、きっと一生一緒にいられると思うよ。 幸せになれるよ。」

って。

私はね、そのときに床が滝壺になるぐらい泣いた。
何を言ってるのかわからないぐらい、その人に何か言いながら泣いた。何を言ったかも憶えていないぐらい頭は混乱していた。

その人は、加えた。

「俺は、春ちゃんにいつの間にか甘えていたんだね。春ちゃんのこと、もっと知ろうと思わずに生きてしまったんだね。」

って。


今ね、思うんだ。

私はその人を、徹似の男とは全く違う類の『愛』という感情を抱いている。
その人もきっと、本当の『愛』を私にくれたのだと思う。

だから、感謝の気持ちも徹似の男とは全く違う類のそれだ。


愛って、そういうことなんだよね。

だけど、それだけでは一緒に生きていくのは案外難しいものなんだね、きっと。


だから・・・・
ありがとう。って言葉に代えることにするよ。
それしか、浮かばないから。












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