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ぼそっとエッセイ
作:春晴秋明



シュークリーム


おなかが減った・・・・


おなかが減ったのに、今私の目の前に食べるものはない。

ないけど、することしなきゃだし。


なんとか、空腹ぐーぐーで、することこなしてたよ。



彼は、そんなとき、


『ピンポーン』


と、やってきた。


『やったー! 来たな〜』

うひひとばかりに、高揚する私。


そうとわかれば、空腹など、頭にはない。



でも・・・・


人間って、不思議。

彼と逢えて、ほーっと一息すると、途端に空腹を思い出す。


「お腹減ったよ〜。」


すると彼は、


「俺、おにぎり食べてきた。」


だって!


えぇ〜〜〜〜。一緒に、おにぎり、なめこ汁(あなたは、豚汁ね)コースじゃないの〜?!


「ふぅ〜、じゃ、コンビニ行ってくる。」


渋々コンビニに行くための武装をする。

武装って・・・


単に、ブルゾンを着るだけだけど。



「じゃ、行ってくるね。欲しいもの、ある?」

「ううん、何もいいよ。」

「わかった。」


少しして、


「シュークリーム買って来て。」

「わかった。」


シュークリームだと〜?!


私はね、あったらね、ぜーーーーったい、カリカリを買うからね。覚悟してね。


そう意気込んで、ドシドシとコンビニに突入。


そうさ! デザートコーナーに、行くわさ! と、ばかりに。






がーん。

ふわふわしかない!


負けた気がした。


カリカリないじゃん、って。


一個しか買わんぞ。 絶対買わんぞ!


そう思ったのに、私は、カゴに二つのシュークリームを入れた。


完敗だ。



「ただいま〜。」

「お帰り〜。」


ガサゴソと、コンビニ袋を開け、おにぎりを食べだす私。

一つだけ、シュークリームを取り出して、


「はい、シュークリーム!」


彼に渡した。


「ありがと。」


はぐはぐと、食べる彼。


「ふわふわだよね〜。クリームは、カスタード。これに限るね。」


ほんっと、はぐはぐ食べてる。超美味しそうに。


しかーし!

クリームは生クリームでしょう。

「シュークリームはさ、シュー生地がカリカリサクサクでしょ?」

「君は、パイか、ミルフィーユを食べてなさい。」

「いやだ。カリカリサクサクのシュークリームが食べたい。しかも、生クリームじゃなきゃやだ!」


「君は・・・イチゴショートを食べてなさい。」

「い・や・だ! イチゴショートじゃなくって、シュークリームが食べたいの。」


「じゃぁ・・・・。そんなスイーツは、ない!」


さすがに、彼は諦めたらしい。


だって・・・・


カスタードクリームも、嫌いじゃないけど、クリームは生クリームが好きなんだもん。

どうしても、シュークリームの湿った感じが嫌いなんだもん。


でも、私は今日、負けた。

彼が欲した、シュークリームを、きっと私も食べたくなってしまいたくなる自分を知っていたから。


そして・・・


半分だけ食べたら・・・


やっぱり美味しかった。


今日の勝負、あなたの勝利!!


さ〜て、次は、何の勝負にするかな〜




おもちゃの手錠? なんじゃそりゃ!













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