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近くにいるのは
作:凛


また今日もここに立っている。
いつも朝になるとなぜだかここに立っている…
私は、今年から高校1年生になったばかり、家から学校までが遠いから学校の近くの寮に住んでいた。
この寮に来てからというもの妙な出来事が数多く起こる…しかもどれもこれも不気味なものばかりだった…

まず始めは、電車の中でいきなり意識がなくなった事がある。
病院に運ばれて数時間たった頃、何事もなかったような顔で目が覚めた。
異常な所はどこにも見つからなかった…

次は、学校の帰り道…
猫がトラックか何かにひかれていた。
血もたくさん出ていたのに猫はそのまま起き上がりどこかにいってしまった。

そして次に、毎晩ベッドで寝ていたはずなのに床に立って寝ている…

それが何週間も続いた。

とても奇妙なので私は、家に帰り家から学校に通う事にした。
けれども朝になるとベッドから降りて床に立ったままでいる。
私は怖くなり母に相談した。
すると母は…
「じゃあお母さんが今日起きてみはっててあげるよ」といった。

だから今日は母も私の部屋にこもり、一晩過ごした。 

その晩、母もウトウトしてきた時間に、それは起こった。

私の体はまるでマリオネットのように不気味な動きをしながら立ち上がり、目をパッと開いた。その目はどちらかと言うとドス黒く、充血し、焦点があっていなかったようだ。
母は驚き、両手で口をふさいだ。しかし、あまりの驚きと混乱のせいか、悲鳴をあげてしまった。
すると私の体はゆっくりと母の方を向き、充血した目で必死に焦点を合わせようとした。その目は鋭く、憎しみに満ちていた。
母は一瞬、心臓が止まるような感覚に陥り、その場に腰が抜けたかのように座り込んだ。が、私があまりにも必死に焦点を合わせようと眼球をクルクルと回すのに流石に怖くなったのか、部屋を飛び出し、自分の部屋にある毛布にくるまった。

そして翌朝、母が恐る恐る部屋をのぞくと、やはりいつも通りに床に立って眠りについたみたいだ。

母はそんな私を心配しお寺に連れて行ってくれた。なんだか嫌な予感がした。
その予感が当たったのか、お寺に吹く風が向きを変えた。
こうして怪しい空気の中でお払いは始まった。

お払いをしてもらっている最中…

私はいきなり立ち上がり母の頭を何度も殴っていた。
そして、お払いをしてくれている人にも襲いかかり、私はこの日に2人も人を殺した。

そして、意識が戻ると目の前には…

母とおはらいをしてくれた人の無様ぶざまな姿が…

2人とも変わり果てた姿で横たわっていた…

ふと手を見てみると…私の手は血だらけになっていた。
私は怖くなりその場から逃げ出し、誰にも見つからない所へ…出来るだけ遠くに逃げた。

次の日、私はなぜかお墓の前に立っていた…

そのお墓は…3年前に死んだ私の親友のお墓だった。

私の親友は3年前に通り魔に襲われめったざしにされ殺された。
目撃者も証拠も見つからず事件は解決しなかった。
私は犯人が憎かった。
親友のお墓…親友は私に何を伝えたいの?

するといきなり頭の中に映像が流れてきた…
沢山の映像が頭をよぎる…

そこには3年前に通り魔に襲われている親友の姿…
犯人の顔…
それは…


私の母だった…


3年前、私は母の古い親友に紹介してもらった私立中学に受験するはずだった。
その人は母と幼稚園からの親友で、その人の紹介なのだからと、私と一緒に勉強から家事まで、全てを私の負担にならないようにかまってくれた。

けれど私は「どうしても親友と同じ中学に行きたい!!」と頼み、親友と同じ中学に通っていた。

母はそれが悔しくて、気に入らなかったらしい…そしてその悲しみはやがて、親友に向かっての憎しみに変わっていった。


親友は…それを私に伝えた。

そして親友にとりつかれ、母を…
関係のないおはらいの人までも…

殺してしまった。

私は生きているのが怖くなった。
家まで走って帰り、ナイフを手にとり腕を切断した。体じゅう全体に激痛が走った。


それでも死ねない。

もうどうしてここにいるかもわからず夜になるとお墓の前に立っている。
その頃から私は私じゃなくなってきた。
記憶がほとんどなく、誰かが私の中にいた。

「きっとまだ親友が私の中に…」

そう思いながら、私は永遠の眠りについた。

けれどまだ私にとりついていた親友は…

この世をさまよいまた違う人にとりつき生き続けているらしい…














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