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  王たちの宴 作者:スギ花粉
え~~スギ花粉です。楽しんでいただけたら幸いです。感想とかありましたら、マジで励みになります。ではどうぞ~~
オガン 対 魔王
我こそ……魔国第二代魔王……カイ・リョウザンなのだからな!!」

シ~~ンっと会議の間を静寂が支配した。

誰もが呆気にとられ……誰一人喋ることすらできなかった。だが……

「な、何が魔王だ!!」「貴様!!そんな戯言を!!」「我らを侮辱しているのか!!」

族長達から殺気が一気に噴き出した。

それを………

「お待ちください!!」

オガン族長が一喝し、そしてゆっくりとカイの前に立つ。

190を超えるオガン族長が前にたつと凄まじい威圧感を感じる。

「………カイ……どういう事だ?」

オガン族長がカイを見下ろす。その目にはメラメラと殺気が宿っている。

だが、カイは依然としてニヒルに笑ったままだ。

「どうもこうもない……我こそ魔王と申した。」

ゴキバキ…バキグギ……オガン族長がその拳をならす。

「……カイ…今なら冗談ですむ。我らに自らの過ちを認め……謝罪するのだ」

一般人なら腰を抜かしてしまうであろうほどの闘気がカイを捉える。だがそれでも、カイはひるまない。

「くくくくく……ハハハハハハ。何を謝る必要があるというのだ。我が救ってやろうというのだ。ありがたく受け入れるがいい…我としても恩を返さぬような……」

だが、カイが喋れたのはそこまでだった。

オガン族長がいきなり掌をカイにみまったのだ。

「!!!」

それをカイは何とか両手で防いだが、そのまま後ろに吹っ飛ばされる。びりびりっと両手が痺れた。

地面に降り立つと同時に、ざっとカイが構えるのもつかの間…あっという間に間合いを詰めたオガン族長が次々と拳を繰り出してくる

まるで流れるような…洗練された動きだ。常人なら一撃で殺されていただろう。

だが、カイはそれをパパパパっと凌いでいく。

オガン族長の猛攻が続き……ゾクっと…カイの背筋に粟が立った。

それとほぼ同時に…グワっ!!……唸りを上げた右腕が、カイに迫った。

オガン族長がその大きな手でカイの顔を鷲掴みにし、捻り潰そうとしたのだ。

だが、それを左腕で思いっきり下に払うカイ。

ドゴ―ン!!っと、オガン族長の右腕は床に大きな穴を開ける。

カイはバッと後ろに飛び、間合いをとった。パラパラっと地面の欠片が宙を舞っていた。

「………人間族にしては、なかなかやりおるな、カイ。魔法もつかえるそうだな?………だが、私に勝てるかな?」

オガン族長は、床から右腕を引き抜きながら問う

だが、カイも不敵に笑う。

「くくくくく……我こそ……魔王!!誰にも負けはせぬ!!」

二人が今にも激突しようとした時……

「オガン!!待つのじゃ!!」

今まで静観していたラグナ―様が大声を上げ、立ちあがる。それを聞き、ゆっくりと振り返るオガン族長。

「なぜ、止めるのです。ラグナ―様…カイは我らを……」

だがラグナーはオガン族長の言葉を遮り…こう言った。

「……その者が言っている事は……真実じゃ」

ざわっとそれを聞いた族長たちがざわめき立つ。

「何と!!」「まさか!!」「こんな人間族の男が魔王であろうはずがない」「だ、だが、今の魔王は異世界人だと聞いたぞ?」「そうだ…人間族と何ら変わりないと…」「では……本当に?」

「その通り……この者は嘘をついておらぬ。それはギガン族の神官であるワシが断言しよう」

族長たちがざわつき、カイを見る中……オガン族長だけは目を細めてラグナ―様を見つめている。

そんな空気の中、ラグナ―はカイに話しかける。

「………魔王よ…今そなたは我らを救うと申したな?それは魔国が助けに来るという事か?」

「ふむ……我が命じれば魔国は必ず動く。記憶を無くしていた間……色々と世話になった。恩を仇でかえすような真似はせぬ」

そう喋るカイを、メリルはじっと睨みつけていた。

ラグナ―様は何かを決心したように両手を広げた。その紫色のローブがバサっと音を立てる。

「皆の者!!心して聞くがいい!!……今まさに…神託下れり!!」

「ま、真ですか!!」「遂に……遂に!!」「おお!!神は我らをお見捨てにはならんだ!!」「……………」

9人の族長達がみな、床に頭をつける。それを見渡し、ラグナ―様は厳かに告げる。

「東の空に…暁を見よ!!これこそ…我らが審判に対する神託じゃ!!

 この者が今この時、チャングル山にいる事こそ!!まさに神の我らを救わんとするご意志なのじゃ!!

 …今……我らは試されておる!!我らは魔国の援軍に来るまで、凌ぎきらねばならん!!

 撃って出るのではなく……魔国の援軍を待つ!!籠城の準備を急ぐのじゃ!!」

「「「おう!!」」」

今までの悲観な表情がうってかわり、族長たちは希望に満ちあふれた顔をし会議の間から急ぎ出て行った。

唯一オガン族長だけは、ゆっくりとカシム族長に近づき、まるで荷物でも運ぶように、雑に担ぎゆっくりと出口へと向かった。

そしてカイの横を通り過ぎる時

「………すまなかった」とだけ言った。

そして最後にラグナ―様を黙って見つめ、ぎ~~~~……バタン!!っと会議の間の扉を閉めた。

「うらぁぁぁぁぁぁぁ!!」

それと同時にメリルがカイに襲いかかった。
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