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召喚されたら神様の助手ーリゾート開発冒険物語ー 作者:ハチマキ

第一章 初めての異世界

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第8話「謝礼、のち旅立ち」

中途半端になりそうだったので一気に第1章完結まで書き上げました。
今後も二千文字前後で50話を目標に頑張って行きます
「よく来てくれた。そう堅苦しくするでない」
 玉座の間。豪華絢爛な装飾や大きいシャンデリアに囲まれた中央最奥に座る人物に呼び出された僕らは部屋の中央で膝を付き頭を垂れる。
 アルカディア王国国王イーアソス十八世は続ける
「今回呼び出したのは他でもなく感謝をワシから直接伝えたかったからじゃ。だから頭を上げてくれまいか」
「お言葉に甘えさせて頂きます。国王様、まず始めにこの懐中時計をお返しします」
 僕は懐から王家の紋章が刻印されている懐中時計を取り出す。あの時、飛び出していったから返し忘れたんだよね。
「それは返さなくていい。君はこの国の恩人、持っていれば王家が後ろ盾になる証になる。役に立つ事があるだろう」
 あのー、そう口を開いたのは青い瞳の少女
「恐れながら申し上げます。国王様、私は何故ここへ呼ばれたのでしようか?」
 国王は頷いて兵士に指示を出す。玉座の間の扉が開くとシメルヴィが入って来た。
「まず、そなたに謝罪したい。そこのシメルヴィは、そなたの敵じゃ。その恩人らいとから受け取った薬を吸わせたらすべて吐きおった。あの虐殺事件はこやつが近衛兵を使いやったことと判明してな。此度の不祥事許して欲しい。そこで、そなたに敵討ちの機会を与えようと思う」
 やっぱり、こいつの仕業だったんだな。僕の推論だが、地方に先祖代々の確執があると踏んで決行したのだろう。結果的にはあまり効果がなかったようだが、そんな事の為にマリーの家族がいなくなったのなら到底許せないはず……だったのだが
「いいえ国王様。その機会をお断りします。」
「シメルヴィを許すということか?」
 その言葉を皮切りに彼女なりに必死に抑えていた気持ちが爆発する。
「許せるわけ……許せるわけがない!! でも、でもでもでも!! いまここで、そいつを手にかけてしまえば人殺しの同類になってしまう!! そんな事でもしたら父と母が報われない!! 私は絶対に両親が悲しむことしたくありません!!」
 そのまま嗚咽を漏らし、しゃがみこんで動けなくなってしまった。彼女はメイドさんに付き添われて退室した。
 そこで国王は人払いをして玉座の間には二人だけになった。
「さて、君は一体何者なんだね。まずは名前を聞こうじゃないか」
「僕の名前は渡 来人。旅人かな」
「旅人か。来人殿のような城に忍び込んで王に直接問いただしたり、国の厄介事をあっという間に解決する旅人など見たことないぞ」
「……その節はすみませんでした」
「それはよい。それはそうと来人殿に謝礼したい。何がいいかね?望むものを用意しよう」
 そう言われると悩むなぁ。ふとあることを思い出した。
「結論から言いますと、この国にある保護施設を公営にするか補助金を出して頂きたい。王様は木漏れ日の孤児院という場所をご存知でしょうか? そこはマリーが暮らす場所です。しかし経営的にギリギリでやっていてマリーが毎週狩りをして経営を助けている状態です。そこで補助金を出して頂きたい。他にも孤児院はあると思いますからそちらにもお願いします。それが僕の望む謝礼です」
「分かった。約束しよう。すぐには出来ないが必ず」
「ありがとうございます」
 約束を取り付けたところで僕らは城を出た。医務室で休んでいたマリーを迎えに行き孤児院に戻ってシスターへ約束を伝えるとホっとした様子だつた。負担の高かった経営事情が改善されるのだから普通の反応だろう。
「来人さんには感謝してもしたりません。本当にありがとう」
 改まって感謝されるとなんか照れる。地球では感謝されたことなんてなかったからな。

 その夜僕はこの一週間であった事を、整理した。実に濃い一週間だったな。おかげでリゾート開発のヒントを得る事ができた。料理だ。異世界にきて独特な料理を見た。これがもしも各異世界に独特なものがあるなら、それらを集めてレストランを開くのも面白そうだ。
 そうなると一度この世界を離れなければいけない。いつ戻るかも分からないし適当に別れを告げるかな。出発は明後日にしよう。お世話になった人に一言声をかけなきゃいけないから。

 翌日、僕は世話になった人に声をかけて回った。といっても王様と宿屋のマスターしかなかったけどね。
 孤児院の皆にも出ていくことを伝えたらその日の夜にちょとしたお別れ会を開いてくれた
「さあ来人の為に特別にごはんを用意しましたよ! どうぞ食べて下さい!」
 マンガ肉みたいな塊を丸焼きにした物やサラダ、揚げ物等々豪華な食事が並んだ。子供たちが歌を歌ってくれたり楽しい時間を過ごした。
 別れの日はあっという間にやってきた。僕は身一つで来たから荷物はこっちにきて創った着替えくらいで大きな物はなかったから身軽だった
「それでは僕は行きます。お世話になりました」
「来人さん……また来て下さいね」
「うん、また来ると思う。また来たときに必ず寄るようにするよ。またねマリー」
 そう言い残して僕は出発した。

「行ってしまいましたね」
「ねえマリーあなたはこれで良かったの?本当は一緒に行きたかったんじゃないの?」
「私は子供たちの面倒をみる仕事があるから。それにシスターだけじゃ大変でしょ?」
「いいえ、これから人を雇える目処が立ちそうだからそうでもないわ。いいかいマリー自分の気持ちに正直にならないと後悔するわ。今がその時よ」
「そうだぞお姉ちゃん! 後悔するぞ! それにお姉ちゃんが思うほど子供じゃないんだからな!」
「トールまで……………………ありがとう!支度してくる!」
「本当に分かりやすい子だこと」

 外に出る門が見えてきた。あそこを出ればこの世界とは少しお別れだな。あの力は町の外で使ったほうがいいだろうし。
「来人さーーん! 待って下さい」
「マリー? どうしたの?」
「私を連れていって下さい! 私はついて行くと決めました!」
 この目はあの時の目だな、やると決めたことは絶対にやる目
「ちなみに断ったら?」
「ついて行きます」
 ダメだなこれ。諦めるしかないらしい。この頑固さは頭がさがる
「わかったよ。よろしくマリー」
「はい! よろしくお願いします!」
 僕たちは王都イーアソスを旅立った
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