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召喚されたら神様の助手ーリゾート開発冒険物語ー 作者:ハチマキ

第二章 アラビアンナイト・アウラード

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第10話「修行のち、次なる異世界」

「こら! 余計な事を考えるんじゃない!」
「すみません。師匠」

 修行が始まって一週間が経過した。毎日、滝行をして真っ暗の空間で般若神行の経を聞き炎の近くで座禅を組む
 日本式の精神的に疲労する修行の日々。多少の不平不満が出るのも無理はなかった。例えば、早く終わって欲しいと願えば内心を察した師匠が叱責を飛ばすといった具合だ。そんな日々の癒しといえば食事の時間だった。

「今日も一日お疲れさまでした。たくさん作りましたから皆で食べましょう」
「いただきます! ……旨い! 毎日助かるよ。これがなきゃ三日間で潰れてる」
「そう言ってくれると私も作る甲斐があります。私も嬉しいです」

 食事する場所は自分で創った海の家だ。そこで毎日、マリーが食事を作ってくれている。ちなみに食材提供は創造神様だ。なぜか創造神様はこの世界にしばらく留まるという。あなた忙しくてこの世界を丸投げしたんじゃありませんでした?
 この食事の時間を利用して師匠に気になっていた事を尋ねた。

「師匠、少し気になる事があるのですが、マリーの世界について僕が知っていた神話に酷似していた部分がありました。何か知りませんか?」
「くわひぃくは知らんが……昔から神々が地球に降臨していたからよ。行き先で自分が覗き見てた世界の事を話したんじゃないか?」

 なるほどな。"神"様が語った"話"が世界各地に伝説となって語り継がれていると。もしかしたら物語なんかも語られたものがあるかもな
 食事を終えてビーチでくつろいでいたらマリーがやってきた。少し話をしませんか?と言われたので断る理由もないし応じる。

「来人さんに感謝したくて来ました。いま毎日がとても楽しいです。私は来人さんに出会ってなかったら長い時間孤児院で暮らしていたと思います。別にあの暮らしが嫌というわけではありませんけど、来人さんにきっかけを貰わなければこの時間は無かったと思うと勿体なく思えて」
「僕は別に何もしてないよ。やりたいことを好きにやっただけ。その過程でマリーに出会った。それだけだよ」
「あの来人さん。お願いがあるのですけど次に行く世界への旅に一緒に行きたいです」
「……いいよ。でも何があるか分からないから僕と一緒にいること。それならいいよ」
「ありがとうございます! やっぱり来人さんといると退屈しませんね」

 その後僕たちは雑談して別れた。次の世界か。今は修行の事でいっぱいだったし考えてなかったな。この修行をやり遂げたら自分のご褒美がてら出掛けてみようかな。

 残りの三週間僕の精神修行は続き、迎えた修行最終日の夜、僕がいつものように炎の前で座禅を組んでいた時のこと

「……ふんぬ! …………合格だ。その不動心見事!」
「いやいや、後ろからいきなり殺されかけて心は穏やかではないですけどね。冷静でいられたのは師匠のおかげだと思います」
「今なら制限はあれど以前より力を多様するのは問題ないだろう。ただし油断大敵だ、それを忘れるなよ」
「はい、ありがとうございました!」

 修行を終えた翌日、僕はマリーに次の世界へ行く事を伝えた。
 後日、しっかりと準備し意気揚々と次なる異世界へ繰り出した………………はずだった

「あっついいい! 予想してなかったぞこんな砂漠……」
「暑いですね。早く休める場所と水を確保しないと二人で……考えたくないです」

 扉を開くとそこはどこまでも広がる砂漠だった。創造神様が言うにはどんな世界にも人がいて営みがあるそうだ。それでなければ砂漠を進もうとは思わない。焼けるような日差しを少しでも遮るために見たことがある砂漠の服装を用意したら多少はマシになったものの暑い。
 砂漠を進むこと半日休める場所を見つけることが出来ないまま日が落ちてきた。砂漠の夜は昼間とは真逆で寒い。このままではまずい
 緊急手段は温存しときたかったが致し方あるまい。力を使い砂漠のど真ん中にオアシスを出現させた。

「これでよし。背に腹は代えられないよな」
「夜営の準備終わってます。明日からまた町を探して歩きましょう」
「ああ、そうしよう。マリー、ちょっと静かに」

 いる。何者か分からないが、三人いや四人か。会話していて音の反響に違和感を感じて周囲をエコーロケーションしていた。

「出てこいよ。四人いるのは分かってる何か用があるんだろ?」
「……!!」

 藪から出てくるなりローブを着た四人全員同時に襲いかかってきた。統率のとれた動きで前方から一列になって強襲してくる。左右二人が僕の後ろへ回り込み中央二人が格闘を仕掛けてきた。すかさず後ろ二人が強襲をかける。
 予想はしていたので僕は振りほどき跳躍する。そのまま組んでいた二人の背中を軽く蹴ってやった。後ろの二人は勢いを殺しきれず四人は衝突する

「こいつ!? 逃げるぞ! アラ、時間を稼げ!」
「……」

 アラと呼ばれた襲撃者は恐れることなく手に刃物を持って突進してきた。
 以前と同じような場面だった。同じように刃物を落とし投げようとしたその時ローブの下に隠していたもう一本の刃物を僕の脇腹へ突き立てる
 まずい!と冷や汗を流したその時硬い物に当たった音がして刃物は刺さらなかった

「そおっれ!」
「があっはぁ!」

 投げることが出来てその場が決着する。脇腹を確認すると方位確認のために持ってきていた懐中時計がポケットの傷からみえていた。
 全く偶然だったけど、あり得ないと思ってたことって起きるもんだなぁ。王様に感謝だ。
 さておき、情報を引き出さないといけないな。
 投げた時に分かったのだが背中にある感触があったので性別くらいは判別できた。背格好から察するに僕たちと年齢は変わらないだろう

「聞かせてくれないかな?なんで襲撃したのかを」
「くっ。……殺せ。どうせ死ぬなら女としてキレイな体で死にたい」
「殺せって。穏やかな話じゃないな。それにどうせ死ぬってそれも聞き逃せないが、どういうことだ?」
「俺たちの頭領は失敗を許さない。好きに遊ばれて最後は……」

 なるほどな。だがこれは利用出来るかも知れない。
 僕は赤い髪のスレンダーな彼女に思いついた事を持ちかけた

「よし、取引をしないか?」
「取引だと?」
「僕は君の安全を保証しよう。君に求めるのは衣、食、住の三つと情報だ」
「ふん、悪くねーな。良いぜその条件呑むぜ」
「取引成立だな。僕は来人、この子はマリー。君の名前は?」
「俺はサラ・アラジン。サラでいいぞ、よろしくな」

 アラジンって……どうやら僕らがやってきた世界はあの物語の元ネタの世界だったらしい
 ちょっと騒がしくなりそうな雲行きになってきたぞ
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