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ランドシン伝記  (アーカーシャ・ミソロジー) 作者:キール・アーカーシャ

第2章  プロローグ、 魔王の系譜-編

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第46話  依存

 第46話  依存

 それから一週間が過ぎた。
 例の事件のせいで、建物は-あちこちが壊れており、
修理する事となっていた。
 そして、改修工事の間、店は休みとなり、ターニャと
シオンは一日中、暇となっていた。
 シオンは早くも-そっちの剣の才能も開花しつつあり、
ターニャは体が保たない程であった。
 そして、その日も二人は寄り添い合っていた。
ターニャ「信じられない・・・・・・シオン、あなた(すご)すぎるわ」
 と、ターニャは体をぐったりとさせながら言うのだった。
シオン「そ、そうかな?」
 と、シオンはキョトンとしながら言うのだった。

 それから、店が開き、ターニャは再び娼婦の仕事を始めた。
 シオンは-その間、安物の剣を携え、護衛をするのだった。
 そうこうしてる内に、シオンは店の女性達と親しくなっていた。
 ただし、皆、ターニャに遠慮してるのか、必要以上には
シオンと仲良くしようとは-しなかった。

 それから半月が()ち、シオンとターニャは関係を重ねていった。
 しかし、それはターニャにとり、あまり幸せとは
言えなかった。
 ターニャは本当にシオンの事が好きになっていたのだった。
 そんな彼女にとり、好きでも無い相手と商売で寝る事は
段々と苦痛になってきたのだった。
 それでもターニャは気丈に仕事を続けた。
 しかし、仕事の後、汚れを落とすようにシオンを
求めるため、次第に-その体は、やせ細っていった。
 店の女達も、そんなターニャを心配そうにするのだった。

ニルファ「ねぇ、シオン。あなた、ターニャと結婚する気は
     あるの?」
シオン「どうしたんだ、いきなり?」
ニルファ「別に。でもね、そうじゃないなら、あんまし
     ターニャに優しくしないで-あげて。
     そうじゃないとターニャが壊れちゃう
     娼婦が本気で男に()れたら、辛くて商売やってられ
     なくなっちゃうのよねぇ」
シオン「それは・・・・・・」
ニルファ「やっぱ、何でも無い。あ、今の話、ターニャには
     内緒でね」
シオン「ああ・・・・・・」

 その深夜、シオンの横でターニャは-すすり泣いていた。
シオン「どうしたの?何か、辛い事があった?」
ターニャ「ううん。そんな事、無いわ。ただ、どうして、
     こんな仕事してるんだろうって、思って」
シオン「・・・・・・仕事が辛い?」
ターニャ「仕方ないわよ。仕方ない。私がしっかりしないと、
     皆が困っちゃう」
シオン「あんまり無茶しないで。ターニャは良くやってるよ。
    体が辛いなら、俺とする回数を減らせば」
ターニャ「それは嫌・・・・・・あぁ、私、駄目だ。
     どうして?こんなのは初めて。
     まるで、生娘(きむすめ)みたいに-なってる。
     シオン、あなたが居ないと駄目なの。
     でも、シオン、あなたは私を置いて
いずれ何処(どこ)かへ行ってしまうのよね」
シオン「俺は行かないよ。何処(どこ)にも行かない」
ターニャ「ううん、いずれ-あなたは遠くへ行ってしまうんだわ。
     そして、騎士様となって、世界に-その名を(とどろ)かせる。
そういう星の下に、あなたは生まれてるんだわ」
シオン「そんな事、無いと思うけど」
ターニャ「でも、今だけは一緒に居て。今だけは」
 と、すがりついて言うのだった。
 そんなターニャをシオンは-そっと抱きしめるのだった。

 ・・・・・・・・・・
 戦況は悪化する一方だった。
 ついに、ゴブリン達はエストネア本土に上陸を果たし、
港町のエーシェスを占領した。
 しかし、シオン達の居る街-ゴートスには、戦火の波は
(いま)だ届いていなかった。

ニルファ「シオン?何してんの?」
 と、ニルファは小刀を手にするシオンに尋ねた。
シオン「ヒゲを()ってる」
ニルファ「へぇ。マメだねぇ」
シオン「ターニャがチクチクするって言うからさ」
ニルファ「はぁ、確かにキスする時とか、そうかもね」
シオン「いや、それもあるけど、むしろ()める時に・・・・・・」
 とのシオンの言葉にニルファは噴き出した。
ニルファ「あはは、いいね。ターニャは愛されて。
     幸せ者だよ」
シオン「でも、ターニャ、最近、辛そうなんだよな」
ニルファ「まぁ、この商売をしてたら、みんな辛いって。
     でも、生きて食べてけるだけ-もうけモノだよ。
     結局、生きてりゃ何とかなるモン」
 との言葉には、何処(どこ)か悲しさを()びているように
シオンには思えた。
 シオンは水商売系の女性達と接していたが、
水商売の女性達は-わざと明るく振る舞うフシ
が-あった。
 シオンには-それが空元気(からげんき)に見え、何とも(せつ)ない気分と
なるのだった。
シオン「ところで、気になってたんだけど、ニルファ達って
    子供とかって出来ちゃわないのか?」
ニルファ「あぁ、それ?一応、避妊は-してるよ。
     (まじな)()の-お(ばあ)さんに頼んで」
シオン「(まじな)()?まじないで、避妊できるのか?」
ニルファ「いやいや、結界を張るんだよ。奥にね。
     それで精が奥まで入って来れないように
     するんだよ」
シオン「なる程」
ニルファ「でも、結界を張る人の腕が悪いと、中が結界で
     傷ついちゃう事もあるんだよ」
シオン「なる程。なら、お金もかかるのか?」
ニルファ「多少はね。でも-妊娠(にんしん)するよりは、ずっとマシだよ。
()ろすとなると、やっぱり大変だからね・・・・・・。
     もっとも、結界も完全に防げるワケじゃないん
     だけどね」
シオン「そうか・・・・・・」
ニルファ「まぁ、面倒(めんどう)なのは生理の時だよね。
     その時は結界を解かなきゃいけない。
     急いでる時は、針でつついて結界を壊しちゃう
     んだけどね」
シオン「色々と大変なんだな」
ニルファ「そうだよ。男の人には中々、分からないだろうけどね。
     少なくとも、血は見慣れたモノだよ。
     毎月、嫌でも見るからね」
シオン「たくましいな」
 と言い、シオンは微笑(ほほえ)むのだった。

 ・・・・・・・・・・
 その日、ターニャとシオンは風呂場でイチャイチャと
していた。
 ターニャにとって、シオンと体を重ねる事も幸せで
あったが、こうして、(そば)で肌を触れ合わせるだけで、
この上なく幸福なのであった。
 それから、二人は風呂を出て、仕事に戻った。
 そして、シオンが-ぼんやりと入り口で(たたず)んでいると、
客の中に-良く知った顔が見えた。
 それは養父のガルンだった。
ガルン「シオン・・・・・・なのか?」
 と、ガルンは目を見開いて言うのだった。
シオン「父さん?」
 と、シオンはポカンとしながら、言葉を()らすのだった。

 ・・・・・・・・・・

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