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ランドシン伝記  (アーカーシャ・ミソロジー) 作者:キール・アーカーシャ

第2章  プロローグ、 魔王の系譜-編

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第45話  成長

 第45話  成長

 シオンは(うみ)(ねこ)のさえずりで目を覚ました。
 そして、体に柔らかい感触を覚えた。
 見れば、赤毛の女性が隣で眠っていた。
シオン(あれ・・・・・・俺、昨日、あのまま寝ちゃったハズ
    だよね。でも、ターニャさんは居る。
    まさか、もう既に終わってしまったというのか?
    そんな、全然、記憶が無い。何て事だッ!
    そんなの(ひど)すぎるッ!)
 と、シオンは頭を抱え、思うのだった。
 すると、ターニャが-あくび混じりに目を覚ました。
ターニャ「あぁ、おはよう、シオン。ごめん、ごめん。
     昨日、帰って来て-様子を見てみたら、シオンが-
     寝てて、それで起こそうかと思ったけど、あんまりにも
     眠かったから横で寝ちゃったんだよ。ごめんね」
シオン「あ、そうですか。じゃ、じゃあ、まだ-やってないと」
ターニャ「まぁねぇ。それに、昨日は私も客を相手にしたから、
     その直後じゃシオンも嫌でしょ」
シオン「え?あぁ・・・・・・まぁ、確かに」
ターニャ「まぁ、今日は休みを作ったから、もう一眠りしたらだね」
 と言って、ウインクした。
シオン「は、はい」
ターニャ「じゃあ、お休み」
 そして、ターニャはシオンの横で眠りだした。
シオン(なんか、どんどん後になってく気がするぞ・・・・・・)
 と、シオンは思うのだったが、仕方なしに再び眠った。

 ・・・・・・・・・・
 起きれば、ターニャは居なかった。
シオン「ッ・・・・・・寝過ぎたかな。頭が痛い・・・・・・」
 そして、シオンはフラフラと立ち上がった。
 しかし、思い直して、少し毛布に-くるまった。
シオン(ここにターニャさんが寝てたんだよなぁ。
    でも、隣に女の人が眠っていてくれるって
    何か-こそばゆいな・・・・・・。
    あぁ、そう言えば小さい頃は姉さんと兄さんと
    3人で眠ったっけ。あの頃は楽しかったな)
 そして、シオンは-ため息を()いた。
 それから、食卓へと向かうのだった。
 そこでは、ターニャが支度(したく)をしていた。
ターニャ「あ、シオン。良く寝てたね。具合は-どうだい?」
シオン「大分、良くなりました」
ターニャ「しかし、あの傷。誰かに襲われたのかい?」
シオン「いえ。兄と決闘をして。ははっ、こてんぱんに
    されちゃいました」
ターニャ「そうだったのかい。シオンは-もしかして、剣士さん
     なのかい?」
シオン「まぁ、一応・・・・・・。木刀しか持ってませんでしたけど。
    その木刀も、棒きれで叩き折られて、自信を失いま
    したよ・・・・・・」
ターニャ「まぁまぁ、元気だしなよ。今日は丹精(たんせい)こめて作った
     からさ」
 そう言って、ターニャは魚介類のリゾットを持って来た。
 さらに、羊の骨付き肉など、かなり豪華な料理が並んだ。
シオン「これ、食べて良いんですか?」
ターニャ「もちろんだよ」
 と、ニコニコと答えた。
 それから、シオンは料理を恐縮しながら食べるのだった。
 とはいえ、ターニャとの事ばかりが頭に浮かび、
料理には集中できていなかった。
ターニャ「おいしい?」
シオン「え?あ、はい。すごく-おいしいです」
ターニャ「そう。良かった」
 と言い、破顔するのだった。
 すると、奥から一人の女が寝ぼけ(まなこ)で出てきた。
女「わぁ、すごい豪勢(ごうせい)。ねぇ、私の分は」
ターニャ「ありませんー」
女「えー、ケチ。いいなぁ」
シオン「()ります?俺、結構、お(なか)いっぱいに-なってきました
    から」
女「んー。いいや、気持ちだけ受け取っとく。それ取ると
  後でターニャが怖いし。
  はぁ、何か自分で作ろ」
 と言って、厨房(ちゅうぼう)に引っ込んでしまった。
シオン「今のは?」
ターニャ「ニルファっていう名前だよ。結構、マイペースな子
     でね」
シオン「そうなんですか」
ターニャ「気になる?」
シオン「いやぁ、どうでしょう?」
ターニャ「そう」
 と、ターニャは少し嬉しそうに言うのだった。
 それから、シオンは食事をすませ、ターニャが湯浴(ゆあ)みするのを、
部屋でソワソワと待っていた。
 この頃、娼館も開店し、周囲では淫らな音が響き、
シオンの心をざわつかせた。
シオン「とうとう、俺も男になるのか・・・・・・」
 と、感慨深(かんがいぶか)(つぶや)いた。
 すると、薄衣(うすごろも)をまとったターニャが部屋に入ってきた。
 普段-()わかれた髪は-ほどかれ、さらに-しっとりと()れており、
その(あで)やかな(さま)にシオンの心は否応(いやおう)なしに高まった。
ターニャ「じゃあ、しよっか」
 と、ターニャは瞳をうるませながら、シオンの目を(のぞ)いてきた。
 その瞳に吸い込まれそうな感覚に(おちい)りながらも、シオンは
「は、はい」と何とか答えるのだった。
 それから、奇妙な沈黙が二人の間に生じた。
ターニャ「キス・・・・・・しよっか」
シオン「は、はい・・・・・・」
 そして、二人は口づけを深く-短く-何度も(かわ)した。
 シオンの興奮は頂点に達しており、襲いかかりたい衝動を
必死に押さえていた。
 すると、ターニャの手がシオンの下腹部に触れ、段々と
下に()っていった。
 そして、その手がシオンのモノに届こうとした時、
悲鳴が響いた。
ターニャ「何ッ?」
シオン「さ、さぁ・・・・・・」
 突然の事態に、シオンは急激に萎縮(いしゅく)していた。
 すると、一人の女の勢いよく入って来た。
女「ターニャ。ニルファが大変なのッ!やばい客に襲われて」
ターニャ「ッ、今、行くッ!」
 そして、ターニャは-そのまま駆けて行ってしまった。
シオン「え?えぇ?と、ともかく」
 そして、シオンは置いてあった-(まご)()を拾い、
ターニャの後を追った。
 騒ぎは-さらに激しくなっていた。
 薄幕(うすまく)は-あちこちで引き裂かれ、もはや部屋の区別が
付かなくなっていた。
 その中央でガタイのやけに良い男が暴れていた。
 娼館に雇われている年老いた護衛が、その男を
いさめようとするも、殴られ吹っ飛んでいった。
シオン「何で-あんなに怒ってるんですか?」
 と、シオンは娼婦(しょうふ)の一人に(たず)ねた。
娼婦「分かんない。でも、ニルファは良く客を怒らせる
   のよ。ただ、あの客はヤバイわ。
目が-いっちゃってる」
シオン「そんなモノですか・・・・・・」
 すると、男は雄叫(おたけ)びをあげた。
 一方で部屋の(すみ)では、顔にアザをつけたニルファが震えながら
泣いていた。
シオン「やれやれ・・・・・・」
 そして、シオンは男へと歩いて行った。
男「なんだ、テメーはッ!俺は、傭兵のッ!」
シオン「うるさい」
 次の瞬間、シオンの剣技が炸裂(さくれつ)し、男は崩れ落ちた。
 これで、シオンの手に握られているのが(まご)()でさえ
無ければ、相当に格好(かっこう)よく決まっていたのだが。
 場に一瞬の静寂(せいじゃく)が満ち、歓声(かんせい)が起きた。
ターニャ「すごい、すごいよ、シオン。あんた、本物の
     剣士だったんだね。よく、そんなので倒せた
     ねぇ」
 と、シオンに抱きつき言うのだった。
 ニルファや他の娼婦達も、シオンに次々と礼を言うのだった。

 その日の深夜、シオンは-ようやく悲願を達成した。

 シオンは-自分の横で体を寄せているターニャが-たまらなく
(いと)おしくなった。
 そして、思わずターニャの(ひたい)にキスをするのだった。
 それに対し、ターニャは微笑(ほほえ)み、シオンの口に軽く
キスを返すのだった。
シオン(やばい、今、俺、最高に幸せだ・・・・・・。
    もう、ずっと-ここに居たい)
 と、ぼんやりと思うのだった。
 すると、ターニャが口を開いた。
ターニャ「ねぇ、シオン。あなた、いつまで-ここに居て
     くれるの?あなたさえ良ければ、ここの護衛
     として、ずっと居て欲しいくらいだよ?」
シオン「え?いいんですか?」
ターニャ「ええ。それと、敬語は、や、め」
 と言って、ターニャは人差(ひとさ)(ゆび)をシオンの(くちびる)に置いた。
シオン「分かったよ、ターニャ。もうしばらくは、ここに
    居させてくれ」
 との言葉にターニャは起き上がり、シオンに(おお)(かぶ)さるように
抱きついた。
ターニャ「嬉しい。シオン。じゃあ、もう1回・・・・・・」
 とのターニャの提案に、シオンは素直に(うなず)くのだった。

 ・・・・・・・・・・

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