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ランドシン伝記  (アーカーシャ・ミソロジー) 作者:キール・アーカーシャ

第2章  プロローグ、 魔王の系譜-編

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第34話  ニュウの光

 第34話  ニュウの光

 神殿の外へと出たニュウを粘体は飲み込もうと、襲いかかった。
 しかし、ニュウは全身からレーザーを発し、粘体を焼いていった。
 とはいえ、粘体もひるまずに、次々と押し寄せていった。
 そして、ついにレーザーで対処しきれなくなり、ニュウの体は粘体に
取り込まれていった。
 しかし、次の瞬間、粘体は(はじ)け、中から巨大化したニュウが
現れた。
ニュウ『オオオオオオオッ!』
 とのニュウの声と共に、ニュウの頭上に光輪が浮かび上がった。
 そして、その光輪は一気に同心円状に広がっていった。
 この間、粘体はニュウに押し寄せるも、ニュウの周囲を
覆う光の魔力に(はじ)かれており、何も出来ずに居た。
 そして、滅びが訪れた。
 島全体まで広がった光輪の内側が輝きだし、そして、
そこから島全体にレーザーが降り注いだ。
 次の瞬間、島は光に包まれるのだった。

 ロイスとリコリスは気づけば神殿に倒れていた。
 ニュウの張った結界は-いつの間にか砕けていた。
ロイス「う・・・・・・リコリス、無事かい?」
リコリス「ええ・・・・・・。ニョモも無事よ」
 すると、二人は粘体の気配が消えている事に気付いた。
ロイス「奴の気配が消えている。ニュウが-やったのか?」
リコリス「ニュウ・・・・・・。あなた、ニュウの気配を感じない
     わ。ニュウは・・・・・・」
 との言葉に、ロイスは何も答えられなかった。
ロイス「探そう」
 すると、ロイスは体をふらつかせた。
リコリス「あなた・・・・・・?」
ロイス「大丈夫だ・・・・・・あれ?」
 すると、ロイスの鼻から血が出ていた。
ロイス「鼻血か・・・・・・。切ったかな・・・・・・」
 その時、リコリスの鼻からも血が伝った。
リコリス「あれ・・・・・・。変ね。私も」
 二人の間には奇妙な沈黙が訪れた。
ロイス「あの光と何か関係が-あるのか?
    恐らくはニュウが放った光だと思うが」
リコリス「分からないわ・・・・・・。でも、確かに、何か体に
     違和感を覚えるわ。魔力も変に乱れている感じ。
     こんな症状、聞いた事ないわ」
 すると、リコリスの腕のニョモが泣き出した。
 それを見て、二人は気が抜けたように微笑(ほほえ)んだ。
リコリス「よしよし。大丈夫よ。お母さんは-きっと無事です
     からね」
ロイス「ともかく、私が探してくるから。リコリスはニョモを
    頼む。もしかしたら、あのスライムが生き残っている
    かもしれないしな」
リコリス「ええ。あなた、気を付けて」
ロイス「ああ。お互いな」
 そして、ロイスはニュウを探しに()くのであった。


 ・・・・・・・・・・
 小屋には沈黙が()りていた。
これまでのロイスの話を聞き、ヴィル達は何も言えずに居た。
ロイス「その後、私はニュウを探したが、見つける事が出来なかった。
    もしかしたら、ニュウは今も-この島の何処(どこ)
    で生きているのでは無いかと、思う時は-ある。
    そして、以前のように記憶を失って現れるのでは
    無いかと、時折(ときおり)、考えたくなるんだ。
    しかし、あれから、もう少なくない時が流れた。
    恐らくは・・・・・・」
 そして、ロイスは-口をつぐむのであった。
ヴィル「その・・・・・・あまりに壮大な(はなし)でして、何と言って
    良いのか分からないのですが・・・・・・」
ロイス「いや、すまなかったね。ただ、どうしても、君達に
    聞いて欲しかったんだ。もしかしたら、君達になら
    (たく)せるかも知れないと思ってね」
ヴィル「託せる、とは?」
ロイス「・・・・・・それは-また別の機会に話すとしよう。
    それにしても、ずいぶんと遅くまで話し込んで
    しまった。今日は、ここらで-お開きにしよう」
 それから-しばらくして、ヴィル達は小屋を後にする
のだった。

 深夜、雨は止んでいた。
 そして、甲板の上で、トゥセとアーゼは星を見つめていた。
アーゼ「なぁ、トゥセ。あの話、どう思う?」
トゥセ「どうって、俺は直接は聞いてないけどよ。
まぁ、あり得るだろうな。
特にサーゲニアのあたりなんて、妙に納得できるぜ。
奴等(やつら)なら-やりかねねぇ。
    人を化け物に変えるのだってな」
アーゼ「ああ・・・・・・そうだな」
トゥセ「しかし・・・・・・こんな所でサーゲニアの話が出て来る
    とはな」
アーゼ「ああ。因縁なのかも知れないな」
トゥセ「いずれにせよ、今はレククを無事にククリ島へと
    送り届けるので精一杯(せいいっぱい)だけどな。だけど・・・・・・」
アーゼ「トゥセ?」
トゥセ「いずれ・・・・・・いずれ、俺はサーゲニアへ戻るぜ。
    あそこは俺の故郷だ。そこをいつまでも見捨てて
    生きていけるワケがねぇ。もっとも、その時は
    俺はヒヨコ豆-団を去るけどよ。
    団長達に迷惑は()けられねぇ」
 そう言って、トゥセは-ため息を()いた。
アーゼ「ま、その時は俺も一緒する事になりそうだな」
 とのアーゼの言葉に、トゥセは笑った。
トゥセ「それじゃ、あんまし意味ねーじゃねーか。
    そしたら、モロンまで付いて来るぜ」
アーゼ「まぁ、俺達3人は兄弟みたいなもんだからな」
トゥセ「違いない。それで、俺達3人がサーゲニアに
    戻ったら、団長達も絶対に付いて来るぜ」
アーゼ「確かに。駄目だな、こりゃ」
トゥセ「ああ。駄目、駄目だ。
    でも・・・・・・でも、いつの日か、ヒヨコ豆-団が
    海を越えて、サーゲニアへと渡る日が来るの
    かもな」
アーゼ「なんか-ありそうで嫌なんだよな。それで、
    色々と問題を引き起こすんだろ?」
トゥセ「あるある。はぁ・・・・・・ま、俺達みたいな
    ちっぽけな存在が何かを出来るとは思え
    ないけどな」
アーゼ「違いないな。俺達は歴史に残るような存在じゃ
    無いからな」
 そして、二人は笑い合うのだった。

 後に、サーゲニア帝国は全世界に対し、宣戦布告を(おこな)い、
大規模な軍事侵略をしでかす事となる。
 その時、窮地(きゅうち)(おちい)ったエストネア(おう)
(かげ)で助けた冒険者-達が居ると、宮廷(きゅうてい)書記官の
手記には(しる)されている。
 さらに、サーゲニアでのレジスタンスにも、ある冒険者-達が
参加したという記録が存在する。
 彼等(かれら)の名は明らかにされては居ないが、後の研究者達は、
それらの人物をこう呼ぶのであった。
 『無名の英雄達』と。
 その称号は数奇(すうき)な事に、巨人殺しのヴィルの-もう一つの
呼び名と驚く程、似ているのであった。
 ただ、『無名の英雄達』のサーゲニアにての戦いは、
この時点においては、(いま)だ遠いのであった。

 ・・・・・・・・・・
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