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愛のモノリス 作者:稲葉孝太郎

第2章

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完全同調者ルナ

「神楽さん」
 突然名前を呼ばれ、慌てて花瓶を掴む神楽。
 振り返ってみれば、そこにいたのはかぐやだった。かぐやは直立不動の態勢で、ドア枠に収まっている。
「月代さん、言われた通り待機してくれなきゃ……」
「すみません、何だか心細くて」
 全く悪びれた様子のないかぐや。神楽は溜め息をつくと、入口に歩み寄る。
「月代さん、十一時十七分って数字に覚えはない?」
「十一時十七分ですか……」
 かぐやは、無表情なまま口を噤んだ。
 だが、すぐに答えを返す。
「思い出しました。それは、私があのプリントを焼いた時刻です」
「プリントを焼いた時刻? ……そんなに正確に覚えてるの?」
「はい、確か壁の時計で確認したはずです」
「そう……」
 あまり納得はいかなかったが、勉強机のメモリーと、この携帯電話が連動したのかもしれない。そう考えて、神楽はそれ以上の追及を止めた。もしかすると、無駄になった追加のヒントだったのかもしれない。彼女は、そう推測する。
「じゃ、記憶の照合を始めましょうか。さっきの絵本を持って……」
「それなら持ってきました」
 神楽はそのとき初めて、絵本が少女の手中に収まっていることに気が付いた。ずいぶん準備がいいものだと訝しがりながら、神楽はポケットから先ほどのプリントを取り出す。彼女の勘では、絵本が本物の記憶であり、論文が偽物の記憶ということになっている。彼女の成長具合から考えて、それが妥当だと判断したのだ。
「月代さん、前回の回想で手に入れたプレートを出して」
 神楽の言葉に、かぐやは身じろぎもしない。
「月代さん?」
「出すと言われても方法が分かりません」
 なるほど、尤もな返事だ。
「夢現化はやったのよね? じゃあ、それと同じ要領で、プレートの記憶を思い起こしてちょうだい。大丈夫よ。形をはっきり覚えてなくても、ロスト・メモリーの場合は自動的に再現されるから」
 神楽の説明を聞き終えたかぐやは、黙って左手を差し出し、そっと目を閉じた。すぐにその手のひらに影が現れ、スムーズにプレートの形を整え始める。
 かぐやが瞑想を始めてからたった五秒で、完璧なプレートがそこに生まれた。名前もアルファベットできちんと記入されている。
「オッケー……それにしても凄いわね……」
「何がですか?」
 かぐやは、何だかつまらなさそうにそう尋ねた。
「泰人くんから聞いてたけど、あなたの夢現化能力には驚かされるわ。普通、初心者がこんなに簡単にはできないんだけど……」
 そのとき、神楽の視界に腕時計の数字がちらりと映った。
 残すところ二十分を切っていたが、既に記憶の入手は完了している。
 焦ることもないだろうと、神楽はかぐやの手のひらからプレートを取り上げ、それを論文と接触させた。
「……あら?」
 神楽の指が止まる。何も起こらない。
「そ、そんなはずは……」
 神楽は、もう一度そのふたつを接触させてみた。やはり何も起こらない。
「どうしたのですか?」
 かぐやがその作業を見つめながら尋ねる。
「え、あ、ごめんなさい、説明してなかったわね……。忘れ屋が仕掛けた罠は、偽物の記憶なわけでしょう。そして、このプレートも、その偽物のひとつ。だから、同じ偽物の記憶と反応するはずなんだけど……」
 神楽の推理はこうだった。一回目の回想で入手したプレートは、月代かぐやという人物が見つからなかった以上、偽物の記憶のはずである。それは、忘れ屋たちが植え付けようとした、捏造された思い出に違いない。そして、論文のピースも彼らの罠だと考えるならば、偽物同士が何らかの感応を起こすはずなのだ。
「し、仕方がないわ。事実は事実よね……。月代さん、絵本を渡してちょうだい」
 論文が本物のロスト・メモリーならば、絵本が偽物に違いない。そう推理した神楽は、少女に手のひらを差し出す。
 ところが、かぐやは微動だにしなかった。そして、口を開く。
「私にやらせてもらえませんか?」
「え?」
「私にやらせてもらえませんか?」
 単調に同じ質問を繰り返すかぐや。
 しかし、神楽はそれに応じない。
「ダメよ。クライアント自身がやると、危険だから」
「そうですか……あ」
 いきなり、わざとらしい声を漏らすかぐや。
 何事かと神楽が訝しんでいると、かぐやはうっすらと笑みを浮かべる。
「思い出しました」
「……思い出した? 何を?」
「私が誰なのかを……」
 そう言ってかぐやは瞼を上げると、にこりと微笑む。
「まだお話しする時間はありますか?」
「え……?」
 神楽は、腕時計に視線を落とす。
「え、ええ、まだ十分以上残ってるわよ」
「そうですか……間に合いますね」
 そう言うとかぐやは背筋を伸ばし、左手を背中に回す。
 そして、ゆっくりと話を始めた。
「神楽さん、やはり私は月の民なのです」
 かぐやの言葉に、神楽の呼吸が止まる。
 ふたりの視線が、奇妙な角度で交差した。
「私はもともと月で生まれた高貴な身分の者です。しかし、月である禁忌を犯してしまい、こうして人間の姿を借りて地球へやって来たのです。……あら、どうしました? うふふ、質問は話が終わってからにしてください……。私はお供の者とこの街へ舞い降り、記憶を消されてしまったのです。そんなとき、神楽さん、あなたにお会いしたのですよ……」
 神楽は混乱しながらも、目の前の事態を理解しようと努めていた。話の辻褄が何もかも合わない。かぐやの話には、手のひらに書かれていたメモが出てこない。そもそも、月に宇宙人など住んでいないのだ。
 質問をしようと口を動かすが、うまく言葉が出ない。
 そんな神楽に、かぐやが不気味な笑みを浮かべる。
「嘘だと思いますか?」
 神楽は、無言で頷き返す。
「うふふ、ご明察……全て嘘です」
 全身から力が抜け、神楽は肺に溜まっていた空気を吐き出す。
「月代さん、今はそんなことしてる場合じゃ……」
「いいえ、嘘も時には必要なのです……こうして……」
 かぐやは背中から左手を戻す。そこに握られている物体に、神楽は息を呑んだ。
「複雑なものを夢現化させるためには」
 神楽の眼前に、銃口が突きつけられる。
 あまりの急展開に、神楽は状況を把握することができなかった。
 頭が真っ白になる。
「神楽さん、あなたは少し人を信用し過ぎです」
 かぐやの声は、もはや彼女のそれではなかった。どこかで聞いたことのある、冷たい人を刺すような声。
 呆然とする神楽の前で、かぐやは自分の頬に右手を掛けると、そのまま肌を引き裂き始めた。
 いや、肌ではない。それは、精巧なマスクだった。その下から、一度だけカメラ越しに見たことのある中性的な少女の顔が現れる。
 ルナだった。
「なんで……あなたが……⁉」
 掠れた声で神楽はそう尋ねる。
「仕事で、とだけお答えしましょう」
 答えなど期待していなかったつもりの神楽。それでも、怒りが込み上げてくるのを押さえることができない。そしてその怒りは、目の前のルナよりも、むしろ自分自身に向けられていた。
「月代さんはどこ?」
「あちらの部屋で寝てもらっています」
 そっけない口調の中に、神楽はかぐやの無事を見て取った。
 だが、事態は好転していない。
「……その拳銃はどこから出したの? 変装も……月代さんにやらせたとか?」
 ルナは不敵な笑みを浮かべ、じっと神楽を見つめ返す。
 すると、銃床の下にいくつもの影が差し、パラパラとビー玉が床に零れ落ちた。
 まるで手品のようなその現象を目の当たりにして、神楽はルナの正体を察する。
「完全同調者……!」
 ルナは何も答えず、銃口を神楽に向けたまま、右手を前へと突き出す。
「論文を渡してください」
 この場に似合わない丁寧な言い回しに、神楽はルナの顔を睨みつける。
「断る……と言ったら?」
「ここからあなたをブロックアウトします」
 そう言って、ルナは引き金の指を絞る。
 思い出の中で致命的なダメージを受けると、同調に異常をきたし、強制的に覚醒してしまう。ルナが言うブロックアウトとはそのことだろうと、神楽は見当をつけた。
「へえ……だけどその衝撃で、この世界が破綻するかもしれないわよ?」
 神楽は、あくまでも強気に出た。これまで、致命傷を負ったことなど一度もない。そこで何が起こるのか、神楽自身にも判然としていなかった。
 そんな神楽の強がりを見透かしたように、ルナは微笑む。
「神楽さん、あなたよりも私の方が場慣れしているようですね。思い出屋が夢から弾き出されても、別の侵入者が残っている限りクライアント本人に影響はありません。おしゃべりはここまでにしましょう。五数える前に論文を渡してください。言っておきますが、夢の中で致命傷を負った場合、あなたの精神に異常をきたすかもしれませんよ。一、二、三……」

 ビーッ! ビーッ! ビーッ!

 突然のサイレン。神楽のみならず、ルナも思わず警戒を緩めた。
 それを見逃さず、神楽はルナの胸元へタックルする。
「きゃッ⁉」
 ふたりは床に倒れ込み、激しい揉み合いになる。
 女同士の争いだが、身長の高い神楽の方に若干の分があった。拳銃を持ったルナの左手を押さえ込み、さらに絵本へと手を伸ばす。
 逆転だ。そう考えた瞬間、するりとルナの手首が神楽の指をすり抜け、銃口が鼻先に突きつけられる。
「しまッ……!」
 その刹那、神楽の視界がフェードアウトした。

 ☽

 暗闇の向こうに、うっすらと七色の光が射す。
 神楽が瞼をあげると、例の客間が視界に開けた。
 かぐやの座るソファーに視線を移した瞬間、神楽は飛び上がるほど驚く。そこには、かぐやを押し倒す格好で身を委ねている泰人の姿があった。
「あんた何やってんの⁉」
 これまでの出来事も忘れて、神楽は大声で叫んだ。
 使用人が飛んで来てもおかしくない音量である。
 かぐやの上に倒れていた泰人はガバッと身を起こし、慌てて神楽の方を向く。
「ご、ごめん! あ、あ、あ、足が滑っちゃって!」
「足が滑ったぁ?」
 この場を誤摩化すための言いわけではないかと疑う神楽の前で、泰人はかぐやから身を離す。よくよく見ると、泰人の手にはキッチンペーパーのロールが握られている。
 そうだ、かぐらがコーヒーをこぼしたのだと思い出し、神楽はことのあらましを察した。大方、メイドからペーパーをもらい、かぐやのそばへ寄ったところで、何かに躓いたのだろう。神楽は、そう推理した。
「キッチンペーパーを換えようとしたら、テーブルの端に躓いちゃって! そ、それで!」
 神楽は額に手を当てると、大きく溜め息を吐いた。普段ならきつく叱るところだが、事情が事情だけにそうもいかない。
 そう、神楽は、泰人のおかげで助かったのだ。撃たれた記憶はないし、体のどこにも苦痛は感じなかった。神楽が目を覚ました理由はただひとつ、泰人がかぐやに衝撃を与え、それによって強制的に覚醒させられたからに違いない。
 ホッとしたのも束の間、神楽はすぐに顔色を変え、かぐやに駆け寄った。
「月代さん……?」
 追加のショックを与えないように、神楽は小声で話し掛ける。
 自分が覚醒した以上、同調相手のかぐやも覚醒しているはずだ。そんな神楽の推測に答えるように、かぐやがそっと目を開く。
「神楽……さん……?」
「気分はどう? ここがどこだか分かる?」
 神楽の質問が耳に入らなかったのか、かぐやは虚ろな目で辺りを見回す。
 記憶障害か。神楽と泰人の間に緊張が走る。
「ここは……私の夢の中ですか……?」
 ぼんやりとそう尋ねるかぐや。彼女を安心させようと、泰人が穏やかな笑顔を見せる。
「ここは現実世界よ? どこも悪くない?」
「悪い……? 痛ッ!」
 突然痛覚が戻ったのか、かぐやは後頭部を押さえた。
「先輩、いったい何が?」
「泰人、氷を持って来てちょうだい。それにタオルも」
 動揺する泰人に、神楽はてきぱきと指示を出す。
 何が何やら分からない泰人は、とりあえず部屋を駆け出して、メイドからビニール袋入りの氷とタオルをもらってきた。即席の氷枕だ。
 それを手渡されたかぐやは、特に言われるまでもなく後頭部を冷やし始める。
 かぐやの様子が落ち着いたところで、おもむろに泰人が口を開いた。
「夢の中で何かあったの? 階段から落ちたとか?」
「忘れ屋に待ち伏せされたわ」
「え?」
 それを聞いた泰人は、まるで自分が遭遇したかのように、体を引いた。
「しかも、完全同調者だった」
「完全同調者って……まさか……」
「ええ、そのまさかよ。今度の相手は、相当ヤバい組織みたいね」
 ふたりの間で進められる会話に、かぐやはついていくことができない。
「完全同調者って何ですか? 何があったんですか?」
 神楽はかぐやに視線を移し、慎重に説明を始める。
「完全同調者って言うのは……同調能力を利用したとき、本人の脳波とほぼ完全に同調することができる人間のことよ……」
「同調……? でも、神楽さんたちも私の頭の中へ、そうやって入るんですよね……?」
 かぐやの質問に、神楽は首を左右に振った。
「私たちと連中とじゃ、同調率が違い過ぎるわ。私たちは、あくまでも月代さんの記憶の中に介入できるだけ。でも、完全同調者は違う。連中は、記憶の中へ入るだけでなく、本人しかできないはずの夢現化を行使できる……十万人にひとりの特異体質の持ち主よ……日本でも千二百人くらいはいる計算になるけど、全員が夢案内人になるわけじゃないから……おそらく、組織の中でも金の卵のはず……」
「そ、その完全同調者が、なんで私の頭の中にいたんですか?」
 かぐやは、酷く怯えていた。ただでさえ他人に記憶を弄られる抵抗感があるというのに、それが得体の知れない犯罪者の手になるとすれば、なおさらであろう。そのことを理解している神楽は、なるべくかぐやが傷つかないよう、ポジティブな方向から話を進めることにした。
「大丈夫。月代さんの記憶のピースは、俺が確保したから。連中が持って行ったのは、偽の記憶の方さ」
 神楽の言葉に、かぐやは片手を頭に当て、無理にでも記憶を思い出そうとした。
「駄目です……何も思い出せません……。最後に神楽さんと別れて……それから、誰かに殴られたような……」
「仕方がないわ。真贋のチェック前に分かれちゃったし。次の回想で思い出せばいいの。完全同調者相手に記憶をひとつ守れたんですもの。奇跡みたいなもんよ」
 次の回想という一節に、かぐやは軽く身構えた。
 手のひらから氷枕が滑り落ち、床で鈍い音を立てる。
「……もう一回入るんですか?」
 神楽は、躊躇いなく頷き返す。
「そうしないと、あなたの記憶を取戻せないわ」
 神楽はそう断言した。曖昧な可能性を残すよりも、唯一確実な方法を選択したのだ。
 後は、かぐやの決心がつくかどうかだ。
 かぐやはしばらく逡巡した後、神楽の顔を見つめ返す。
「私……このまま記憶が戻らなくてもいいです……」
 神楽は、内心の失望を気取られないように、自分の表情を調整する。
「クライアントのあなたがそう言うなら……私は反対しないわ……」
 神楽は、なるべく平静を装った。クライアントの拒絶それ自体よりも、その拒絶の理由が自分の失態であることにショックを覚える。
 とはいえ、クライアントのことはクライアントが決めるという神楽の信念に、揺らぎはない。だから、説得しようとも思わなかった。
 それに対して、ひとりだけ納得のいっていない人物がいる。
「かぐやちゃん、そんなのダメだよ!」
 泰人が、自制のきかない大声でそう叫んだ。
 片耳を押さえながら、神楽は泰人を振り仰ぐ。
「泰人、思い出屋の仕事は、クライアントが望む限りで記憶を再生してあげることよ。無理に真実を見つめさせることじゃない。人間には、忘れた方がいいこともあるんだから、ここは月代さんの……」
「ダメだよ! かぐやちゃんはまだ何も思い出してないんだよ? これからどうやって生きていくの? お父さんやお母さんも心配してるだろうし……それに……」
 思考がまとまらないのか、泰人はそこで口ごもった。
 クライアントの前でアドバイザー同士が揉めるのはまずいと感じながらも、神楽は泰人の論争を受けて立つ。
「泰人、それは別に私たちでなきゃ解決できない問題でもないのよ。警察へ行けば、身元くらいは分かるでしょう。月代さんだって、最初は警察へ行こうとしてたらしいし……手に妙なことが書かれてたから、憧夢へ来ただけで……」
 神楽は、ふとかぐやの左手を見た。インクで書かれていた文字は、石鹸で洗い落とされたのか、跡形もなく消えている。雪のように白い肌が、窓から差し込む日差しに輝いているだけだった。
 神楽は、あの落書きについてもう一度考えを巡らせる。あの落書きを書いたかぐやの意思は、あくまでも神楽に記憶を取戻してもらうことだった。記憶を失う前のかぐやと、記憶を失った後のかぐや。どちらが真のクライアントなのか、神楽には分からなくなる。
「ともかく、私たちの調査は行き詰ま……」
 そのとき、泰人のポケットから、軽快なメロディーが流れて来た。
 神楽はそれに顔をしかめ、注意を促す。
「泰人、潜入中は電源を切れって言ってるでしょ?」
「ご、ごめん!」
 そう謝りつつも、泰人は電源を切るどころかそのまま電話に出てしまった。
 一瞬それを取り上げようと思った神楽も、さすがにやり過ぎかと自分を抑える。潜入は既に終わったのだ。そこまでする必要もない。
 そんな神楽の思いも知らず、泰人は通話相手の声にしきりに頷き返している。
 そして、いきなり神楽の方へ顔を向けた。
「神楽先輩にですよ」
 そう言って、泰人は携帯を差し出す。
「私に……? 誰から?」
「フブキちゃんから。神楽先輩に繋がらないから、俺に掛けてきたらしいです」
 今さら何の用だろう。神楽は訝しがりながら、泰人の携帯を受け取る。
 画面には、確かにフブキの名前と番号があった。
 神楽はそれを軽く耳に押し当て、フブキの名前を囁く。
「フブキ? 何の用? ……え? も、もう一度言ってちょうだい」
 神楽の声が高揚する。ただならぬ雰囲気に、泰人とかぐやが体を前に乗り出した。
 そのふたりの前で、神楽の声が弾ける。
「月代かぐやが見つかった⁉」
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