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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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武闘会 騎士の部 三回戦(準決勝)と決勝



 武闘会、騎士の部、三回戦第一試合。

 ティア対ルー。

 この村に来るまではライバル同士であり、俺の子供を産んでくれた女性同士の戦い。

 予想された戦いであり、どうなるかわからない戦い。

 二人共、ズボン姿で武器は無し。

「ふふふ。
 久しぶりですね」

「そうね。
 始祖様が見ているから、手加減は出来ないわよ」

「もちろん、そんなものを期待しません」

 互いの気合は十分。

 審判のハクレンによって、試合開始が告げられた。

 距離を取ったり、空を飛んだりするのかと思ったが、二人はゆっくりと舞台の中央に歩み寄り対峙。

 そして足を止めての殴り合いが始まった。

 しかも、アメリカ映画っぽい、一発殴ったら一発殴らせるスタイル。

 でも、それって男同士がやるから良いのであって、女同士だと怖い。

 しかも、その両方が俺の奥さん。

 かなり怖い。

 殴る手は平手ではなく、握り拳。

 互いの頬を狙い、的確なフック。

 殴られた後、ニヤリと笑うのも忘れない。

 ……

 今後、夫婦喧嘩は出来るだけ避けよう。

 その殴り合いがしばらく行われた後、両方が示し合わせたように距離を取った。

 そして始まる魔法戦。

 よく知らない火や水、風の魔法が飛び交い、ぶつかり合う。

 ハクレンの魔法によって観客席は守られているが、比較的舞台に近い俺の居る場所だとかなり迫力がある。

 そして、どっちが有利かとは全然わからない。

 そんな魔法戦が行われた後、二人を空を飛んでのぶつかり合い。

 殴っているのか魔法を使っているのか、ただの体当たりなのか……

 良く判らないが激しい戦いが行われたのはわかった。

 そして決着。

 両者が空から舞台の上に戻った時、ティアは立っていたが、ルーは立てずに方膝を付いていた。

「今日は私の勝ちですね」

 勝者はティアだった。


 双方、疲労はしているが大きな怪我はなさそうで良かった。

 俺は二人を出迎え、労う。

「アナタァ、ティアがいじめるー」

「ルーさん、それはズルいです」



 三回戦第一試合。

 ブルガとマクラの戦い。

 試合にならなかった。

 ブルガはウノとの戦いで消耗し過ぎたのか分身の数が出せず、マクラの糸が避けられなかった。

「ううっ。
 あとちょっとだったのに……」

 マクラの勝利だった。



 そして決勝カードが決まった。

 ティアとマクラだ。

 その前に、三位決定戦に関して話し合われる。

 準決勝で負けた者同士で戦い、三位を決める試合なのだが……

 ルーはともかく、ブルガは完全にダウンしている。

 フローラも試合の許可は出せないとの事で、三位決定戦は流れた。

 まあ、無理矢理に三位を決める必要も無いだろう。



 そして決勝が始まる。

 まあ、盛り上がらなかった。

 うん、わかる。

 ティアとマクラの戦いだ。

 少し前のコローネとマクラの戦いが思い出される。

「あ、相性が悪過ぎます」

 糸で巻き取られたティアは、似たような事を言って敗北した。



 武闘会、騎士の部の優勝者はマクラ。

 ザブトンの子、マクラが優勝となった。

 マクラは片足を上げ、周囲の歓声に応える。

 嬉しそうだ。




 さて、試合が終わったら表彰だ。

 俺は優勝者のマクラに褒賞メダルを十枚を渡す。

 そして、お祭り前に準備していた木彫りの優勝トロフィーと木彫りの冠を渡した。

 冠に変な意味があったりしないかと少し心配になったのでルー達に相談したが、魔王領だと特に気にしなくて良いらしい。

 そう思って冠を作ったが……

 人間を想定していたので、冠のサイズがマクラに合わない。

 どうしようかと思ったが、マクラは冠を受け取るとお尻の上に乗せた。

 冠をお尻にか……似合っているから、OK。

 マクラはトロフィーと冠を観客に自慢するように見せながら、手を振った。


 準優勝のティアに褒賞メダルを五枚。

 その他に、一回勝った者に一枚、二回勝った者に二枚を渡して表彰式は終了。

 今後も頑張って欲しい。



 武闘会はこれで終わりだが、この後は夜までというか明日の朝まで宴会だ。

 舞台はそのままあるので、自由参加の戦いが行われる。

 ただ好き勝手に戦って怪我でもされると残念なので、ちゃんと審判は用意する。

 戦い足りないハイエルフや山エルフ、ハウリン村のガルフ以外の獣人族達が進んで舞台に上がり、戦いを見せた。

 時々、獣人族の女の子が舞台に上がり、訓練みたいな戦闘が行われたと思ったら、ティアとルーがリベンジマッチを始めたりした。

 日が暮れても、松明や魔法の明かりに照らされながら戦いは続く。

 その横で……

「魔王よ。
 どうだ?
 私とやってみるか?」

「ははははは。
 ご冗談を」

 ドースの誘いを魔王はなんとか断り、始祖さんがビーゼルとユーリを相手に戦闘に関して語らっていた。

「もう少し、無詠唱の魔法が流行れば良いんだけどね」

「無詠唱だと威力が低下しますから、キッチリした手順を大事にした方が良いのでは?」

「私、無詠唱の方法を知りません」

「そうなの?
 じゃあ、簡単に説明すると」

「お、お待ちを。
 良いのですか?
 王姫様に教えると、貴方様の立場がマズい事になるのでは?」

「んー?
 私の立場なんてどうにでもなるさ。
 細かい事は気にしない、気にしない」

「ありがとうございます。
 私、頑張って覚えます」


 ドライムはハクレン、ラスティ、奥さんにライメイレンの五人で食事を楽しんでいた。

「お婆様。
 私はもう少し人化の術を磨くべきですね」

「そうですね。
 ですが、慌てる必要はありませんよ。
 ドライムだって、完全な人の姿になれたのは……」

「お母様、その話は止めてください。
 それよりも、あー、えっと……そうだ、セキレンの嫁入りの話はどうなったのですか?」

「ドライムちゃん。
 私の前で妹の結婚話をする気?」

「か、構わないでしょう。
 お姉様は、ここに嫁いだようなものですし」

「え、あ、ま、まあ、そうなのよね。
 うん、そうなんだけど……」

「あのハクレンがテレているとは……不思議な光景ですね」

「グラッファルーン。
 私をからかうと、貴女の昔の話をするかもしれないわよ」

「……すみませんでした」

 賑やかな食事のようだ。

 回復したブルガとスティファノが世話役として動き回っているので、問題は無いだろう。

 邪魔しないようにしつつ、ブルガとスティファノに食事とお酒の追加を渡しておく。

 それにしても、ドライムの奥さんの昔の話か。

 ……聞くのが怖いな。


 ともかく、大変だった。

 特に心の疲労が。

 怪我の心配で疲れたという感じかな。

 来年は、絶対に別のお祭りにしよう。

 そう思いながら、俺はお祭りの夜を過ごした。

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