挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

70/286

ドラゴンのお礼とハクレン



 ドライムの親族に頼まれていた遊具を送ったら、お礼に色々と送られて来た。

 ここに居る間に俺の好みを調べたらしく、珍しい木々や植物、作物などが主だ。

 それ以外にも貴金属や装飾品が多数。

 こっちは前の宴会の代金だろう。

 貰い過ぎな気もするが、遠慮するのもなんなのでありがたく受け取る。

 ……

 ひょっとして、ハクレンを押し付けた謝礼も込みかな?


 送られて来た物の中に紙があり、硬い感じだったのでトランプの製作を行ってみた。

 なかなか良い出来だ。

 ついでに百人一首……は数首しか覚えていないので断念。

 素直にカルタを作る。

 作ってから気付いた。

 カルタは木札で良かった。

 紙のカルタで遊ぶと、傷みが激しかった。

 木札でカルタを作る。

 トランプも特に傷みを気にしないゲーム用に木札で作っておく。

 木札トランプの弱点はシャッフルで、前はそれで諦めたのだが、箱に入れて混ぜる方法でなんとかした。

 カルタは獣人族に、トランプはハイエルフや鬼人族、ドワーフに評判が良かった。


 ついでに、獣人族の男の子用に紙芝居を作ってみる。

 本音を言えば、アルフレートに読み聞かせる練習だ。

 物語は……桃太郎、浦島太郎、金太郎、花咲か爺さん、コブ取り爺さん、わらしべ長者、かぐや姫……

 そのままでも大丈夫かな?

 こっちの世界用にアレンジした方が良いだろうか?

 とりえず、色々と候補を挙げ、クジで選んでみた。

 栄光の第一作は、カチカチ山。

 もちろん、お婆さんが殺され、最後にタヌキが死ぬバージョンだ。

 ヌルいカチカチ山だと、ウサギの復讐者の面が弱くなるどころか、ただの嫌なヤツになるからな。

 公開前にルーやティア、ハイエルフ達を相手に練習。

 ウサギがタヌキよりも人間寄りなのが問題だとする重い意見が出た。

「タヌキはウサギを信じたのに、裏切るなんて」

「人間はどうやってウサギを仲間に引きこんだのだ」

 ……

 カチカチ山は封印。

 第二作。

 猿カニ合戦。

 クジに悪意を感じる。

 そして予想していた質問が返って来た。

「栗や糞、臼に人格があるのに、柿の木や実に人格が無いのはなぜなのですか?」

「猿は自身の知恵でオニギリと柿の実を得たのであって、騙される方が悪いのではないでしょうか?
 大体、要求通りに柿を投げてくれたわけで、受け取れないのはカニ側の落ち度なのでは?」

「正確に欲しい柿を要求しない方が悪いな」

「一方の意見だけを聞いて復讐に協力するのもどうかな。
 蜂や栗達は前々から猿を亡き者にしようと計画していたのでは?」

「そもそもカニの親は柿の木を脅迫しているのだが、そこは無視するの?」

 なんだろう。

 大学とかで行う、童話を真面目に受け止めて議論する感じになってしまった。

 桃太郎だと、キビダンゴ一つで命懸けの戦いに赴かせるのは明らかに不当労働であるとかなんとか……

 猿カニ合戦も封印。

 素直にこちらの世界の物語を紙芝居にする事にした。

「村長の考えるお話は好きですよ」

 一部、ファンが出来たみたいだが、俺が考えたワケじゃないから困る。

 とりあえず、知っている童話を文章にするだけしておき、原案として活用して貰う事にした。

 調子に乗って有名漫画のストーリーを紛れ込ませたら、しっかりと見つけられて話の続きを求められた。

 有名漫画とはいえ完璧に覚えてないから、曖昧な所は自分で勝手に補完した。

 ○○先生、ごめんなさい。



 ハクレンは村で色々な仕事を行った。

 ラスティよりも年上なだけあって力の加減も上手く、何でも出来る。

 頭も悪く無いし礼儀も弁えている、一般常識には疎いが村で一般常識に強いのが貴族のフラウなのでそれほど弱点でもない。

 問題は自主的には動かない事と、何をさせるにしても一言文句を言う事。

 文句を言った後はサボったりせずに真面目にやってくれるので、完全にポーズなのは判っているが何とかして欲しい。

 自主性の無さは……まあ、ドラゴンだからと判断できる。

 実際、ラスティも似た感じだ。

 強者ゆえに、積極性に欠けるのだろう。

 積極性を持ったドラゴンなんて迷惑だろうし、それはそれで良いのかもしれないが……

 指示を与えないと部屋に引き篭もり食っちゃ寝するだけというニートにジョブチェンジするのはどうなんだろう。

 指示する度に文句を返してくるから、こちらもあまり重要でない事以外は頼まなくなっているし、このままだと……

 ……

 あれ?

 これはハクレンの作戦か?

 指示を出す方が面倒になるという……

 聞いてみた。

「痛い痛い痛いっ、いきなり部屋に入って来て顔を掴むのは止め痛い痛い痛いっ」

 自白した。

 推測通り、指示を出す方が面倒になる作戦だった。

 気の長い事をする。

 気が長いみたいなので、穴を掘って埋める作業をさせた。

「反省してます」

 一日でギブアップした。

 気は長いが根性は無いのか。

「根性とかじゃない。
 無意味な事をさせるのは止めて。
 気が狂いそうになる」

「部屋で食っちゃ寝をするよりは良いんじゃないか?」

「部屋で食っちゃ寝をしている方が百万倍マシ」

「わかったわかった。
 今後、文句を控えるように」

「言うなじゃないの?」

「多少は受け止める」

「……えへへ」

「なんだよ」

「なんでもない」

 ちなみに、ハクレンは最初、ラスティの家に住んでいたが今は俺の家の空き部屋に住んでいる。

 まあ、そう言う事だ。



 ハクレンに色々と試させた結果、村の住人の教師というポジションに落ち着いた。

 今の所、生徒は獣人族の男女と、リザードマンの子供、クロの子供、ザブトンの子供。

 基本的な読み書きに計算が出来るように頑張っている。

「村の人が賢くなれば、私が楽できるようになるからねー」

 思惑はともかく、悪い事ではない。




+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ