挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

5/325

食料確保


 トイレを完成させた後、俺は寝床に戻って寝た。

 行動可能な昼間に寝るのはどうかと思うが、眠たいものは眠い。

 体感で三時間ほど寝たと思うが、日はまだ落ちていない。

 現状確認。

 寝床、水、火、食事にトイレと今日は大丈夫。

 しかし、明日以降を考えれば問題は食事だ。

 今現在、運良く手に入れた兎っぽい動物の肉があるだけ。

【万能農具】を使っている間は空腹を感じないので、食事回数を減らせると考えても……

 五日分ぐらいだろうか。

 それまでに新たな食材を探したい。

 が……その前に夜の事を考える。

 夜は寝た方が良いのは当然だ。

 しかし、森が怖い。

 あの牙の生えた兎は、サイズが大きく敵意があった。

 兎であれだ。

 熊とかなら、ヤバいのではないだろうか。

 火は出来たが……野生の動物が火を怖がるのは迷信だとか聞いた事があるしな。

 なんでも逆に興味を持って近寄って来るとか……

 ……

 とりあえず、木の幹に作った寝床の出入り口を塞ぐ扉が必要だ。

 適当なサイズの木を【万能農具】で切り、取っ手らしき場所を作れば完成。

 多少、重いが……これぐらいで無いと困るか。

 扉を閉めると、完全に中が真っ暗で色々と困った。

 ……ここで火を焚いたら焼死か酸素不足で死ぬよな。

 今後の課題にしよう。

 次に、柵。

 寝床の木と井戸、そしてトイレを囲むように柵を構築する。

 柵と言っても釘が無いので牧場地を囲っているような立派な物ではなく、【万能農具】で切り倒した出来るだけ真っ直ぐで大きな木の枝を払い、丸太にして取り囲んだだけ。

【万能農具】が無ければ動かせないようなサイズの木で、横になっても高さは一メートルぐらいあるから、獣に対しての進路妨害になるだろう。

 この丸太の柵、良い感じで自分の領域を主張するので、調子に乗って広く囲う事にした。

 百メートル掛ける百メートルぐらい?

 調子に乗り過ぎたか?

 ともかく、ここで丸太柵の完成で、日が暮れたので寝る事にした。

 扉を閉める。

 やはり、真っ暗だ。

 何の作業も出来ないが、まあ良いか。

 ……

 …………

 ………………………………

 空気穴っ!

 やばい、やばい!

 暗闇なので、扉の場所がわからずに少しだけパニックになってしまった。

 なんとか扉を開け、その扉の空気穴を何箇所か開けてから、寝る事にした。

 ふう。




 翌朝。

 俺は丸太の柵の外側に掘を作る。

 丸太の柵だけでは不安で、夜中に何度か目が覚めてしまったからだ。

 安眠の為にも、掘を頑張りたい。

 幅が一メートル五十センチ、深さは二メートル。(目測)

 丸太の柵は出入り口として丸太を置かない場所を作ったが、堀は完全に取り囲むように作った。

 そして、板で橋を作る。

 この板も【万能農具】でないと動かせないほど重いけど、俺しかいない現状では何も問題は無い。

 うん。

 良い感じにできた。

 これでさらに安心。

 ……大丈夫だろう。

 うん。

 大丈夫と思いたい。

 さて……寝床の安全も確保したから、次こそは食料だが……

 掘作りにかなり時間を取られ、日が傾いている。

 無茶はしない方が良いか。

 今日はここまで。

 と思ったが、娯楽があるワケではない。

【万能農具】を使っていないと、体力が減ってしまう。

 だから、日が暮れるまで【万能農具】を使ってクワで耕した場所を畑の形にしてみる事にした。

 なにせ、俺のやりたい事は農業なのだ。

 掘の外の開けた場所で、クワを構える。

 畑の大きさの基準ってあったっけ?

 あっても計れないか。

 なので適当に五十メートルぐらいの正方形を形作るように場所を決め、その中に畝を作っていく。

 全てクワでの作業だ。

 なかなか楽しい。

 見る見る畑の形が出来上がっていく。

 踏み荒さないように注意する為、畑の周囲を少し盛り上げる。

 良い感じだ。

 ……

 そして、気付いた。

 気付いてしまった。

 ……種も苗も無い。

 畑を作っても意味が無いじゃないかぁ!




 俺は夜通し畑を作った。

 徹夜だ。

 良い感じの月明かりで、暗さは気にならなかった。

 無心でクワを振るい、畑を作り上げた。

 ここはニンジン、こっちはジャガイモ。

 あっちはキャベツで、あそこは何にしようかなぁ。

 完全なる現実逃避だった。

【万能農具】を使っている間は、喉も渇かず、腹も減らず、そして眠気もない。

 使い続けていれば、無限に動けるのだ。

 気がつけば朝を迎え、俺の寝床を囲む丸太柵と堀の外を、さらに畑で囲むような感じになっていた。

 ははは。

 森の中で育てる事の出来る植物があるかな。

 俺は仕方が無く、森を耕し始めた。

【万能農具】を使いながらの移動は便利だが、こうしている限りは育てる事の出来る植物と出会う事があるのだろうか?

 何しろ、草も木も【万能農具】のクワを入れれば、肥料になってしまうのだ。

 周囲を観察しながら振るうなんて器用な真似は出来ない。

 前もそれで牙の生えた兎を狩ってしまったのだ。

 ふふふ。

 また、やってしまった。

 兎だ。

 何かね。

 俺の前に飛び出すのがこの辺りの兎の習性なのかな?

 しかも敵意剥き出しで。

 前回と同じように首にクワが入ったので、頭部が肥料になり、身体部分が残った。

 ……ありがたく頂く事にしよう。

 日暮れ近くまで森を耕したが、植えられそうな植物とは出会わなかったが、兎の身体が三つほど手に入った。

 出会った兎は四匹……四羽だったが、一羽は首が残って身体が肥料になってしまった。

 これで、前々から察してはいたが、クワの手前部分が肥料になる事を改めて確認出来た。

 合掌して首部分も肥料にしておいた。

 兎の身体は中型犬サイズで運ぶのが手間だったが、この兎の身体も木と同じように【万能農具】で引っ掛ける事によって軽くなった。

【万能農具】様様だ。

 色々と感謝しながら兎を食べ、今日はしっかりと寝る事にした。





+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ