挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

280/324

夏の暑さに

09/14 最後、ちょっと修正しました。

 夏。

 暑くなってきた。

 冬に作った雪山もかなり小さくなった。

 でも、雪山の近くは涼しい。

 だからだろう。

 村の獣たちは雪山の近くによくいる。


 まず山羊。

 脱走してきたのか?

 村の外に出る勇気はないのに、ここに来るのは大したものだ。

 しかも群で。

 ちゃんと夜になったら帰るんだぞ。


 馬。

 おいおい、一家で何をしているのかな?

 暑いのはわかるが、勝手に出てきちゃ駄目だろ。

 キリッとした顔をしても誤魔化されないぞ。

 夜になったら帰るように。


 クロの子供達。

 ……

 非番なんだな。

 ならばよし。


 九尾狐のヨウコ。

 なにやってるの?

「ここ、涼しいから」

 ヨウコは狐の姿のまま、返事をする。

「屋敷に設置した、涼しい空気が出る場所は?」

「あそこは猫達が占領してる」

「ダンジョンは?
 あそこも涼しいだろ?」

「できればあそこには行きたくない」

「えーっと……」

「夜、涼しくなったら森に行って狩りをする。
 サボっているわけではない」

「いや、責めているわけじゃないんだけどな。
 なるべく早く、涼しい空気が出る装置を増やすよ」

「頼む」

 ……

「まだ何かあるのか?」

「獣姿だからかもしれないが、外で仰向けはどうなんだろう?」

 一瞬、死んでいるのかと思ってしまった。

 ハンモックでも作ってやろうか?

 いや、網に捉われてもがく姿しか思い浮かばない。

「失礼なことを考えていないか?」

「気のせいだ。
 腹を冷やし過ぎるなよ」





 俺は屋敷に戻る。

 うん、確かに涼しい空気を出す装置の傍は、子猫達が占領している。

 子狐のヒトエもいるな。

 少し離れてクロとユキ。

 そして猫と宝石猫のジュエル。

 天井は……ザブトンの子供達が多いな。

 えーっと。

 ここ、俺の部屋なんだけど?

 誰も気にしないようだ。

 そうですか。

 早くオンオフ機能をつけよう。



 俺は屋敷の工房に向かう。

 工房では、山エルフたちが涼しい空気を出す装置を作っていた。

 熱気に溢れている。

 暑い。

 涼しい空気を出す装置を作っているのにな。


 元はセナの頼みだった。

 獣人族の赤ちゃんは、暑さにそれほど強くはない。

 強くはないと言っても、この辺りの夏の暑さでどうこうなることはないのだが、セナは心配していた。

 気持ちはわかるし、俺も万が一は嫌だ。

 なので、エアコンを求めた。

 が、原理を知ってても、そう簡単に作れるものではない。

 仕方なく、ルーに氷と風の魔道具を作ってもらい、それを組み合わせた簡易なクーラー……いや、扇風機かな? を作った。

 欠点、オンオフがない。

 風力の調整もできない。

 だが、山エルフたちの刺激にはなった。

 山エルフたちの作った試作一号、オンオフ機能付き、風力調整可能なタイプはセナの家に取り付けられた。

 あとはセナの反応を待ってからと思っていたのだが、希望が殺到。

 量産を求められた。

 ただ、装置は山エルフたちの頑張りで量産できても、動力である氷と風の魔道具作成はルーに頼るしかない。

 現在、三日に一台が限界のようである。

 三日に一台が限界なのに、山エルフたちはなにを熱心に作っているのだろうか?

 もちろん、改良した装置。

 改良に改良を重ね、初期タイプに比べてサイズが倍以上になっている。

 昨日よりも大きくなっているな?

 小型化とかは考えないのかな?

 とりあえず、思いついた機能を詰め込むのは止めた方がいいと思うんだが……

 いや、失敗してからが本番みたいな考え方は止めようよ。

 これ、風を出す魔道具を三つも使うよな?

 ルーが切れるぞ。

 そこは俺に任せるって……

 ルーが本気で怒ると怖いんだぞ。


 本格的な暑さが来る前に、何台かは完成させたいところだ。





 夜。

 一人の鬼人族メイドがアンに怒られていた。

 理由はシンプル。

 俺の部屋で涼しい風に当たっているうちに寝てしまったのだ。

 それで、少し風邪気味。

 そりゃ怒られる。

 俺もあの装置には注意している。

 なにせずっと涼しい風が出てくるからな。

 装置の角度を調整したり、寝る前には外に向けたりと色々やっている。

 オンオフの機能はないけど、オフにすることはできる。

 ただ、一度オフにすると再びオンにするのが面倒なのだ。

 魔道具の稼動による魔石などの消費が気にならないレベルで。

 おっと脱線。

 アン。

 怒るなら元気になってから。

 とりあえず、寝かせてやれ。

 ルーに薬草……ルーは魔道具に掛かりっきりか。

 フローラに薬草を頼もう。

 だから、大人しく寝るように。

 他の者にうつすなよ。

 看病は……俺がやると余計に怒られるな。

 すまないが手の空いた者にお願いする。


 ……

 考えてみれば、村で病人は初めてか?

 いや、薬は消費されている。

 大きい病気がないだけか。

 あってもあの鬼人族メイド程度……

 鬼人族メイドの大きなクシャミが聞こえた。

 お大事に。




+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ