挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

272/325

雑談と誕生


 会議の休憩中。

 文官娘衆が話をしている。

「この村の四天王を決めるとすると誰になるかしら?」

「そうね。
 まず、ルーさん、ティアさんは確定よね。
 残りは……ハクレンさん、ラスティさんかな?」

「ドラゴンは反則じゃない?」

「それを言われると、ルーさんやティアさんも反則になるでしょ」

「あー……確かに。
 でも、そうなると吸血鬼や天使族、鬼人族の人達は駄目よね」

「リザードマンや悪魔族も駄目だと思う」

「じゃあ、残っているのはドワーフと獣人族、ミノタウロス族、ケンタウロス族と私達文官娘衆か。
 この中から四天王を決めないとね」

「ドワーフって言ってるけど、ドノバンさん達はエルダードワーフだからね。
 どこの国でも通行自由の伝説の種族」

「ただの酒好きのおじさん達にしか見えないけど」

「あはは。
 一部、女性もいるから発言に注意」

「おっと」

「話を戻して……
 獣人族からガルフさん。
 ミノタウロス族からゴードンさん。
 ケンタウロス族からグルーワルドさん。
 文官娘衆からフラウ様の四人でどうかな?
 ドワーフは残念ながら反則枠に」

「フラウ様は文官娘衆にいれちゃって良いの?」

「私達の代表みたいなものでしょ。
 大丈夫よ」

「そっか。
 あ、待って。
 ガルフさんって魔王国じゃ武神って呼ばれているらしいわよ」

「そう言えば、そうね。
 私も聞いた事がある」

「反則じゃない?」

「そうね。
 じゃあ、ガルフさんは外して……ガットさん?」

「素直にセナさんでよくない?」

「確かに。
 じゃあ、村の四天王は獣人族のセナさん、ミノタウロス族のゴードンさん、ケンタウロス族のグルーワルドさん、フラウ様で」

「……最初の、ルーさん、ティアさん、ハクレンさん、ラスティさんと比べると、迫力不足よね」

「四天王は内政面重視だから」

「セナさん、前にグラッツ様を倒してなかった?」

「気にしちゃ駄目」

 決着したようだ。

 しかし……少し疑問なのだが、クロ達やザブトン達をいれないのはともかく、ハイエルフやラミア族、巨人族からは選ばないのか?

「あ、最初っから死の森に住んでいる人達は除外です」

 それだと、俺も駄目なのかな?


 俺が四天王を決めるとすると……クロ、ザブトン、ルー、ティアだな。

 素直に村に来た順。

 村の為に長く頑張ってくれているわけだからな。

 最初っからいるけど、さすがに自分を入れたりはしない。

 それぐらいの謙虚さはある。


 そんな事を考えていると文官娘衆達の会議が再開されるみたいだ。

 俺は邪魔にならないように場所を移動する。

 会議は今年の祭りに関してなので参加してもいいのだけど、ちょっとそんな気分になれない。

 実はシャシャートの街から帰ってきてから数日後に緊急連絡を受けた。

 セナの出産が近いと。

 予定ではもう少し後、祭りが終わったぐらいと言われていたのだが早くなったらしい。

 悪魔族の助産婦達やホリーに任せているが、すでに六時間。

 まだ掛かりそうだとのことだ。


 ……

 何かしてないと落ち着かない。

 うーむ。

 子猫達の為の玩具を作る。

 キャットタワー。

 ……

 子猫達は見向きもしなかった。

 いいんだ。

 そんな気はしてたから。

 ジュエル、気を使わなくていいぞ。

 はいはい。

 ミエルは頭の上、その他は膝の上で……あ、膝の上はクロね。


 クロと子猫達と戯れた後、お風呂に入っていたら報告を受けた。

 セナ、無事に出産。

 女の子だそうだ。




 獣人族のセナの子、セッテ。

 獣人族の子は、生まれた時から獣人族の特徴があるんだな。

 知っていたつもりだが、実感がなかった。

 セナと同じく犬系の獣人だ。

 母子ともに健康。

 ちなみに、名前はセナがつけた。


 しかし、文句があるわけではないが、母親の血が強い。

 ルーもティアもだ。

 多分、リア達やアン、ハクレン、フラウもそうだろう。

 この世界では母親の血優先なのだろうか?

 それとも俺の血が弱いのだろうか?

 気にはしないが、気になる。

 いや、子供が無事に生まれ、成長してくれるだけでありがたいか。

 神様に治してもらったが、俺は病気で倒れたからな。

 俺の血を強く受け継ぐよりはいいかもしれない。

 少し寂しいが。





 ザブトンの子供達は毎年、生まれてから一年ぐらい経った子達が旅立つが、一部は残ってくれる。

 二年経ってから旅立つ子はいない。

 なので、残ってくれる子で長いのは十年はいる事になる。

 だから大きな個体の子もそれなりにいる。

 マクラなんかはその代表格だ。

 だが、これまで大きくなると遠慮してか、木の上や森の中で活動していた。

 前に出ても、一村、二村、三村の護衛の指揮官としてだ。

 控えめで、それほど目立たなかった。

 なのに大きい固体が急に目立ち始めた。

 多分、ダンジョンの存在が大きい。

 ある程度、大きくなっている個体がダンジョンに入って適応したからだろう。

 ザブトンより大きい固体も出始めた。

 しかも平らなザブトンと違って、立体的なのでさらに大きく感じる。

 大岩みたいな感じだ。

 まあ、大きくなっても片足を上げて挨拶をしたり、愛嬌は変わらないけど。

 パワー重視なのかな?

 あ、速度もあるのね。

 なるほど。

 それが十体。

 時々、ダンジョンの外に出て気分転換をしているので、目立つようになったのだろう。

 でもって、さらに特殊なのが一体。

「ソンチョウ」

 二メートル四方ぐらいの体の大きさの蜘蛛で、頭部の代わりに人間の女性の上半身が持つ個体が現れた。

 アラクネだっけ?

 まだ上手く喋れないが、徐々に上達している。

 最初は奇声だけだったもんな。

 あと、ちゃんと服も着てくれている。

 上半身裸はちょっと……子供達の教育にもよろしくないので、申し訳ないが。

「どうした?」

「ザブトン、サマ、ガ……」

「ああ、無理に喋らなくていい。
 いつものジェスチャーで」

 俺の言葉に、アラクネは素直にうなずいて足を動かす。

 ザブトンが俺を呼んでいるようだ。

「わかった。
 今日はウルザか?
 それともグラル?」

 森に行こうとしたのを捕らえてくれたらしい。

 ……両方ね。

 迷惑をかける。

「ああ、言葉は少しずつでいい。
 焦るなよ」

「ハイ、アリガト、ゴザ……マス」

 蜘蛛の足と人間の手を振るアラクネに見送られながら、俺はウルザとグラルを引き取りにいく。



 ……

 アラクネは、種族名。

 名前を考えてやらないとな。

 リストを作って、希望を聞くとしよう。



+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ