同居人がなんだかんだで増える
ティアが同居するようになって、十日。
ルーが体験したことを一通りやって、今ではかなり落ち着いた。
ザブトンを見て気絶するのは、女性共通だろうか?
そんなに怖い感じはしないのだけどなぁ。
「確かに身体が持ちませんね」
「でしょ。
貴女が来てくれて助かったわ」
急速に仲が良くなった二人は、おいしそうにキュウリとトマトを食べている。
ティアはキュウリが気に入ったようで、ボリボリとカジッているのだが……
可愛らしいティアのビジュアルだと、キュウリをカジる姿が似合わない。
「貴女は小さくなって逃げられるけど、私は無理ですから……対策を考えませんと……第一は相手を増やすことですね」
「旦那様の性格は理解したでしょ。
増やしたいけど、人間をさらってくるとかシャレにならないぐらいに怒られると思うの」
「でしょうね。
大丈夫です。
攫わなければいいんです」
「心当たりがあるの?」
「ええ。
ここに来る前に少し見かけました。
しばらく、空けます」
「……逃げたら、追いかけるわよ」
「逃げません。
ここには旦那様が居るんですから」
ティアも、俺のことを色々な呼び方をした後、ルーと同じように「旦那様」で落ち着いていた。
ティアが所用で出掛けて数日後、クロイチたちの子供が戻り始めた。
何匹かは、ボロボロになっていた。
うん、頑張れ。
初めてここに来た犬は、俺やルーに警戒心を見せるが、クロたちが間に入る事で打ち解ける。
大きな揉め事はなさそうだ。
戻ってきた子のうち、一匹が少し特殊だった。
なんとパートナーを三匹、連れ帰ってきたのだ。
三匹かぁ。
それはイリスの子で、オス。
連れてきた三匹のパートナーはメスだ。
気弱そうな感じがしていたが、特に怪我も無い。
連れてきた三匹とも仲が良さそうだ。
一夫一妻だと思っていたが……違うのかな?
まあ、揉めないなら文句は無い。
そして、フブキに続いて名前を付けた。
マサユキ。
前の世界で存在したヒロインがたくさん出てくるラブコメバトル漫画の主人公だ。
特定のパートナーを決めずに、出てきた女性キャラ全員を妊娠させて終わった最終回は、ネットで大炎上していた。
伝説のハーレム男、マサユキ。
憧れはしないが、似たような生き方をしてほしい。
……
あれ?
俺もルーとティアに手を出しているから……
……
気にしないことにした。
クロイチたちの子供たちが全員、無事に戻ってくると、一気に密度が上がった気がする。
用意していた長屋風の小屋の評判は悪くないようだ。
まあ、外で寝るよりは十分にいいだろうからな。
そして、繁殖が始まるのだろう。
揃って周辺の森に狩りに出掛け、獲物を咥えて帰ってくる。
俺は血抜きや内臓処理で大忙しになった。
また、途中で何度か大きな猪を倒し、俺が運ぶために呼ばれる。
畑の世話もしなければいけないので、なかなかハードな毎日を過ごしていると、ティアが戻ってきた。
七人の戦装束の女性を連れて。