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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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大樹のダンジョン


 ザブトンの子達が昼夜問わずに頑張ったからだろうか、ダンジョンが完成した。

 村の南の端に入り口の階段があり、地下に進んでいくダンジョン。

 階段を降りたところが一階層。

 ここは一つの大きな部屋で、広さは百メートル四方。

 天井はカマボコ型で、一番高い所で……十メートルぐらいかな。

 部屋の外壁と天井のデザインは木の根をイメージしている。

 ダンジョンの上に木があるわけじゃないけど、巨大な一本の木の根が部屋を包んでいる感じだ。

 自分ではなかなか良い出来だと思っている。


 部屋にはダンジョン内にあるであろう罠や形状を個別に再現しており、対策を学んだり練習をしたりする用にと考案されたエリアになっている。

 通り抜けるだけなら、障害もなくまっすぐ移動できるので、ダンジョンというよりはただの地下室。

 通称、トレーニングルーム。

 最近はガルフやダガが良くここで特訓している。

 一応、隠し部屋っぽい場所が三つほどあるが、それぞれモヤシ畑、アスパラガス畑、なにかよくわからないキノコ畑になっている。

 なにかよくわからないキノコ畑は元俺の部屋だったのだが……諦めた結果だ。

【万能農具】で耕したのではなく、ザブトンの子供達がダンジョン内に自生したキノコを育てている感じだ。

 食用には向きそうにないビジュアルなのだが、ザブトンの子供達はオヤツのように食べている。

 おいしいのかな?

 あ、止めておいた方がいいと。

 管理はしっかりするように。

 ……クロ達は食べても平気なのか。



 二階層。

 ダンジョンといえば迷路。

 という事で作られたエリア。

 石壁、石床、石天井。

 ダンジョンには色々な種族が来るだろうと予想し、この階層だけでなく各階層の扉は大きく造っている。

 天井も七~八メートルぐらいあるかな。

 なので妙な迫力があったりする。


 大人のミノタウロスが三十人ぐらい入れる大きい部屋や、五人も入れば一杯の小さい部屋をたくさん用意。

 そんな部屋を通路で可能な限り結び、通路を塞ぐ事で変更可能な迷路にした。

 部屋や通路によっては、罠が仕掛けられていたりもする。

 山エルフ達が結構、本気になったので初見殺しが多い。

 攻略できないと駄目だと言わなかったら、ただのキルゾーンになっていたんだろうなぁ。

 罠の攻略者が出ると、山エルフ達がこっそりと罠を変更したりしているので、村人でも油断できないエリアだったりする。

 罠を変更したら、報告と連絡は欲しいなぁ。

 え、いや、確かに俺も勝手に部屋を作ったりしていたが……

 はい、ごめんなさい。

 お互いに報告、相談するようにしよう。



 三階層。

 ドライム、ハクレン、ラスティ達の提案で、竜の巣風に。

 簡単に言えば防衛に特化した屋敷のような形。

 当初は、二階層からの侵入者に対しての防衛を考えていたのだが、転移門をダンジョン内に設置する事になったので変更。

 四階層からの侵入者に対する防衛に変更された。

 なので、三階層に降りたところが豪華なボス部屋の控え室になっている。

 でもって、となりの部屋がボス部屋。

 偉そうな謁見の間風?

 ドライム達がドラゴンの姿になっても大丈夫なようにかなり広い。

 見知らぬ人が転移門を使ってここに来た時、どう思うのだろうか?

 ちょっと心配だ。


 ボス部屋以外は、防衛施設。

 立て篭もったり、隠れて攻撃できるようになっている。

 敵の想定は軍。

 四階層から百人単位で敵が攻め込んで来るかもしれないという前提で、各所に村の住人が立て篭もれるようになっている。

 なにせ二層は迷路、一層はトレーニング用、地上は村。

 ここが防衛の要になるだろう。

 村の住人達も、担当箇所を決められると自分達が守りやすいようにカスタマイズを行っている。

「誰か攻めて来ないかな」

 気持ちはわかるが、物騒な事を言わないで欲しい。

 万が一、攻め込まれる事態になった時は……立て篭もらずに逃げてもらいたい。

 命があれば、なんとかなるのだから。



 四階層。

 ザブトンの子供達が中心となって作ったエリア。

 地底遺跡を思わせるデザインが圧巻。

 この下の五階層に繋がる場所が複数あり、それぞれに転移門が設置される予定。

 だからか、かなり本気仕様のエリアになっており、ダンジョンの怖さがわかる。

 上に注意させて下。

 下に注意させて横とか酷い。

 知ってないと絶対に引っ掛かる。

 ここにはザブトンの子達が常駐し、通行人を案内する事になっている。

 多分、彼らの案内がないと三層に続く階段を捜すのはかなり厳しいだろう。




 五階層。

 ここは転移門が設置される予定の場所。

 転移門は三つあるので、独立して三箇所。

 ただ、どれも構造は一緒。

 転移門の設置部屋、転移門の管理者用の住居、倉庫。

 あと、大勢で転移してくる時用の待機部屋。


 万が一というか事故を考えて長期間、篭れるように作っているが……

 誰が管理者になるか決まっていない。

 どうしよう。



 こうして完成した全五階層のダンジョン。

 一階層から三階層までは、隠し通路を使う事でほぼ直通が可能なので、ダンジョンと呼べるのは実質、四階層と三階層だけかもしれないけど……

 細かい事は気にしない。


 地上から転移門までは、最短で十五分ぐらい。

 もう少し短くできないかと思ったけど、安全を考えるとこれぐらいは必要と説得された。


 転移門が設置されれば、クロの子供達も各階層を巡回する事になっている。

 面倒な事をさせて申し訳ない。

 侵入者がいたら、逃げて良いからな。





 とりあえず、完成したので……

 防衛訓練をやってみる。

 即座に指定された場所に移動できるだろうか?

 ……

 階段をもっと広くした方が良いかもしれない。

 村の住人の半数がダンジョンに入るからな。

 ああ、立て篭もりを考えると各階層に食料庫とかも必要か。

 増設。


 えーっと……ハクレンが三階層のボス部屋に?

 将来的にはヒイチロウに任せたい?

 個室を用意するようにしよう。


 四階層はマクラが管理してくれるのか。

 頼もしいぞ。

 ああ、他の子供達にも期待している。

 頼んだぞ。


 ダンジョン内のクロの子供達は、クロヨンが指揮するのか。

 でもって遊撃部隊の隊長にウノか。

 カッコイイじゃないか。

 でも、無理は駄目だぞ。



 五階層の転移門の管理人、本気でどうしよう。

 敵が来たら一番危ない場所だよな。

 しかも、それなりに長期間篭る事になるし……誰かいないものか。



「あの、村長」

「どうした?」

「ダンジョンの各所にトイレがあるんですけど、これは罠ですか?」

「いや、普通のトイレだ。
 そこらでされると、不衛生だからな」

「えーっと、ダンジョンですよね?」

「ダンジョンだ。
 山エルフ、トイレに罠は仕掛けるなよ。
 セーフティーゾーンだ」

「わかりました。
 外してきます」

 ……

 足りない物がわかる、実りの多い訓練だった。


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