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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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考え事と視察?


 ドワーフ、百六十人。

 エルフ、二百七十五人。

 獣人族、百二十人。

 魔族、六百人と少し。

 人間、二百人に少し足りないぐらい。

 ……

 おかしい。

 まだ村を作るのは決定していないのに、住人候補が集まってくる。

 いや、まだ書類だけで実際に移動は行われていないが……

「こちらが新しい村の代表となる候補者のリストです。
 それと、こちらが官僚機構の基幹人事リストで……」

「気が早くないか?
 村はまだ相談段階だぞ」

 書類を次々に持って来る文官娘衆の一人に俺は聞く。

「魔王国側からの、村を作るならこれだけ支援しますよというアピールでは?
 村長候補に先代の四天王が並んでいるのがやる気を感じさせてくれますね」

「先代の四天王?
 ああ、武闘会に来ていた二人か」

 とても腰の低い方達だったと覚えている。

「二人が協力してくれるのは嬉しいが、さすがに悪いだろ」

「ですね。
 パルアネン様のご子息から、嘆願書が届いています」

「内容は?」

「村に関しては自分が粉骨砕身の覚悟で働きますので、父はご容赦くださいと。
 あれ?
 この方って当主じゃなかったっけ?
 お孫さんに譲ったのかな?」

「なんにせよ、嘆願が来るぐらいには先代四天王の名には重みがあるんだろう。
 さすがに村長にはできないな」

「ですね。
 ただ村長。
 パルアネン様は書類仕事の達人ですよ」

「……マジか?」

「はい。
 現役であった頃は、文官二十人分の書類仕事をこなしたと聞いています」

「くっ。
 スカウトしたい。
 そして村の仕事を任せたい」

「私もそう思いますが……さすがに無理ですよね」

「んー……そうだよな」

 地位も名誉もあった人に、村の書類仕事の為に来てくれとは言えない。

 残念。



「ドワーフ百六十人は、近くにあるドワーフ集落から移住してくる形になるそうです」

「強制じゃないだろうな」

「大丈夫ですよ。
 ドノバンさんが連絡した結果だそうです」

「酒目的?」

「それもあるでしょうが……
 実は私も知らなかったのですが、ドノバンさんってドワーフ達の間ではかなり偉い人らしいんですよ」

「マジで?」

「はい。
 それで、ドノバンさんの名前が出ただけでドワーフ達が協力を惜しまないとなったそうで」

「へぇ」

 考えてみれば、ドノバン達をドワーフと言っているが、正確にはエルダードワーフ。

 普通のドワーフ達とは格みたいなのが違うのだろうか?

「同じようにエルフ達も、近くの集落や村から移住してくる形になります」

「ひょっとして、リアが連絡したのか?」

「いえ、こっちもドノバンさんです。
 知り合いがいるとかで」

「なるほど」

 ハイエルフだから、エルフの知り合いがいると考えるのは早計だった。

 反省。


 今回の住人候補の獣人族は、ハウリン村とは無関係。

 他の魔族や人間と同じく、各地で希望者が募られた結果だ。

 推薦者が厳しい人なのか、各人の人物評は辛口だ。

 ただ、能力よりは信頼できる事が重視されて選別されたというのがわかる。

 選別などしなくても、好きに移住してくれれば良いのに。

 あー、犯罪とかを考えれば、そうもいかないのか。

 うーむ。

 考えねば。


 って、待て待て。

 村を作る前提で考えてしまった。

 まだ村を作るとは決めていない。

 場所さえ見ていないんだからな。

「新しい村関連の書類は、適当な所で放置だ。
 見れば見るだけ、村作りに前向きになってしまう」

「承知しました。
 では、次はダンジョンの改造計画に関してです」

「まだ完成もしていないのに……」

「ダンジョンに転移門を設置するとなれば、今のままでは駄目ですから」

「そうだけどな。
 わかった。
 だが、それはお茶を飲んでからだ」

「いいですね。
 では、私がお茶を用意しますので、村長はお茶菓子を」

「パンケーキで良いかな?」

「生クリームを乗せ、イチゴソースをかけてくれるのであれば」

「了解。
 あ、他の者には言うなよ」

「ふふ。
 善処します」

 まあ、結果だけを言うと、バレてかなりの数のパンケーキを焼く事になってしまった。

「あれだけ良い匂いをさせたら……」

「冬はみんな、室内にいますしね」

「わん」





 冬の寒さが落ち着いた日。

 各村に移動して、様子を見る。

 駐在員を通して各村の様子は聞いているが、実際に目で見るのとは違うからな。

 馬に乗ってのんびりと雪道を移動。



 まずは一村。

 一村に作られた室内競技場の中で、豚が走っている。

 あれは豚なのか?

 妙に締まっているが?

 アスリートみたいになってないか?

 妙に速いし。

 行動もストイックな感じがする。

 一体、どうしたんだと聞く必要もない。

 豚レースで切磋琢磨した結果だ。

 最近は食事にも気を使いだして、注文がややこしいらしい。

 別にそこまで頑張らなくても、お前達を食べる気はないと伝えているのだけどな。

 慢心しないって事かな。


 特に問題はないとの事なので、二村に向かう。



 二村では、ミノタウロス族の子供が外で遊んでいた。

 子供と言っても、体格は俺と同じぐらいだったりする。

 一緒に遊ぼうと言われたので、少し遊ぶ。

 だるまさんが転んだ。

 うん、一歩が大きい。

 もう少し、離れた位置からスタートしようか。



 三村に行くと、馬が少し興奮。

 ケンタウロス族と競争を始めた。

 足場は大丈夫なのかと思ったが、三村の外周に作ったコースの整備は万全だった。

 天気の良い日は交代で整備しているらしい。

 大事にしてくれているようで、ちょっと嬉しい。


 勝負は僅差で馬だった。

 かなり上機嫌。

 勝負したケンタウロス族は、少し落ち込んでいる。

 冬場で動きが鈍くなったんだよ。

 あー、それは馬も一緒か。

 しかも、馬は俺を乗せて移動した直後だしな。

 うーん。

 頑張れ。

 簡単な事しか言えない自分が恨めしい。


 三村も問題なし。

 食料とか薪に困る事があるかと思ったが、そんな手抜かりはないらしい。




 大樹の村に戻り、気球に乗って四村に。

 上空は寒い。

 ただ、四村こと太陽城に近づくとそれが緩和される。

 そして、四村に到着すると春のような陽気を感じる。

 うん、ここは別世界。


 四村も特に問題はなし。

 住居等もかなり出来上がり、昔の賑わいを取り戻したといった感じかな?

「そうですね」

 ベルが四村の各地を案内してくれた。


 最後に、前に言われていたゴウの体が保管されていた部屋に案内される。

 ベルの合図で、壁が開く。

 うん、知らないと絶対無理。

 他の場所とレベルが違う。

「最重要機密ですので」

 そこそこ大きい部屋には、円柱のガラスケースらしき者が無数に。

 ガラスケースの中には全裸の人間が入っており、空なのは一つ。

 なので、これがゴウ用だと推察。

 正解のようだ。

 部屋には他に何もない。

「操作する道具とかはないのか?」

「私達は特に必要としませんから」

 なるほど。

 ベルやゴウにすれば、思考すればそのまま操作できるらしい。

 便利なものだ。

「もうすぐ、こちらのアサ、フタ、ミヨが目を覚まします。
 正確にはもう起きていますが、体との同調作業に手間取っています」

「無理はさせるな。
 万全に頼む」

「承知しました」

「ところでだ。
 お前のは無いのか?」

「私のは、地下に椅子型の物があります。
 ムカつく事に」

 触れてはいけない事だった。


 四村でゴウやベル、クズデンと共に夕食を楽しんだ後、帰路に。

 各村問題なし。



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