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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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祭り クイズ大会と騎馬戦


 まず、クイズ大会が行われた。

 簡単な○×クイズ。

 問題が読み上げられ、○と思えば○のゾーンへ。

 ×と思えば×のゾーンに移動するだけなので、誰でも参加できる。

 去年は余興的にやったが、今年は本格的に。

 また、問題も大きくいくつかのジャンルに分けられ、内容も少し細かくなった。

 ジャンルは『村全般』『世界』『作物』『魔物』『竜』の五つ。

 ジャンル毎に優勝者を決めれば、それなりに表彰者が出るだろうと思ったのだ。

 問題の難易度も、今回はちゃんと徐々に難しくなっていく。

 完璧だ。



 ジャンル『村全般』  優勝者 ルー

「去年みたいに変な問題が出なければ負けないわよ」

 変な問題というかカルトな問題だな。



 ジャンル『世界』   優勝者 魔王

「魔王なんでな。
 このジャンルで負けるワケにはいかん」

「あっちで膝を抱えているビーゼルとランダンは?」

「気にしないように」



 ジャンル『作物』   優勝者 フラウ

 馬鹿なっ。

 この俺が負けるとは……

「出荷先の問題が勝負を分けました」



 ジャンル『魔物』   優勝者 ザブトン

 最後まで競ったユキとガルフが悔しそうである。

「私の知っている生態と違う……」

 ベルは最初の方の問題で間違い、ショックを受けていた。



 ジャンル『竜』    優勝者 ヒイチロウ

 正確には、ヒイチロウを抱えたライメイレン。

 うん、誰も何も言いません。



 結果的には盛り上がったので、成功。

 だが、難易度調整はどうだったのだろうか。

 勝つ人が順調に勝ってしまった感はある。

 難易度は前回のランダムの方が良かったのかもしれない。

 いや、もっとジャンルを増やすべきだったのかな?

 後で話し合おう。





 祭り本番!

 騎馬戦!

 体格差別なので、まずは小さい部門から。

 正直、この体格差は厳密には分類していない。

 個人差とか種族差があるから。

 基準となる騎馬と騎手を用意し、大体、それに似た体格かどうかで判断される。

 小さい部門の基準は、騎馬と騎手がハイエルフで構成されたチーム。

 つまり、普通サイズだ。

 ドワーフ四人での騎馬と騎手は少しサイズが小さいけど、OKとなった。

 ケンタウロス族にハーピーを乗せたコンビも、ここでの参加となる。


 参加チームは、三十二チーム。

 結構、多い。

 ハイエルフが四チーム。

 リザードマンが二チーム。

 山エルフが二チーム。

 鬼人族メイドが二チーム。

 獣人族が二チーム。

 ドワーフが四チーム。

 一村の人間が二チーム。

 太陽城の悪魔族と夢魔族の混成が六チーム。

 ケンタウロス族+ハーピーが六チーム。

 それと、フラウ+文官娘衆チーム。

 魔王、ビーゼル、ランダンにガルフを加えたチーム。


 騎手は全周囲にツバのついた麦わら帽子を被り、それが一回でも頭から離れると失格。

 また、騎馬が崩れるのは構わないが、騎手が地面に落下すると失格。

 騎手以外は攻撃、妨害は禁止。

 もちろん、武器は駄目で素手オンリーだ。

 ただ、競技的に騎馬同士のぶつかり合いはセーフとなっている。

 フィールドは競馬場のトラックの内側。

 それなりに広いが判りやすい。

 トラックに出てしまうとそれも失格というルール。

 勝敗は最後に残った一騎が優勝者となるが、奪った帽子は他の者に移動せず、その数だけ褒賞メダルを渡す事になっているので頑張って欲しい。



「村長。
 注目選手は誰ですか?」

 司会進行役の文官娘衆が、俺に意見を求めてくる。

「んー……やっぱり魔王のチームかな」

 騎馬はガルフを先頭に、後ろにビーゼルとランダン。

 麦わら帽子が思ったより似合う魔王がそれに乗っている。

「魔王様のチームですか。
 私はガルフさんが騎手の方が勝ち残れるかと思ったのですが、お遊びとはいえ魔王様が騎馬というワケにはいきませんからね」

「そうだな」

 あと、魔王と四天王二人に囲まれたガルフが少し気の毒だ。

 最初は一村のジャックが魔王に捕まっていて、それを見て代わってやったんだよな。

 いい奴だ。


 各チームが、ほどよく離れたところで笛が吹かれ、騎馬戦開始。

 全員が事前に騎馬を組んで予行演習的な事はしているので戸惑いはない。

 しかし、動きが少ない。

 勝負は最後の一チームになるまで続けられるので、牽制しているのだろう。

 最初に動いたのはドワーフで組まれた一チーム。

「いくぞおおおおっ!」

 近くにいたハイエルフのチームに襲い掛かる。

 襲い掛かられたハイエルフのチームは、他のチームのいる場所に逃げ込み、全体が動き出した。



「積極的に襲うチームと逃げるチームに別けられるな」

「体力があるチームが襲って、体力のないチームは逃げ回っていると……あと、ケンタウロスとハーピーコンビは逃げ回っていますね」

「乱戦は不利だからだろう。
 広いトラックを使った作戦だな」

「ケンタウロス族に逃げられると、追いつけないのでは?」

「……ある程度、チームが減ったらフィールドを小さくしよう」

「そうですね。
 では、半数になった段階でフィールドを半分に」

「頼む」



 フィールドでは魔王が囲まれていた。

 囲んでいる方は、協力して強敵を潰そうという事だろう。

「どうする?
 突破か?
 迎撃か?」

 ガルフが魔王に指示を仰ぐ。

 応えたのはビーゼル。

「魔王様、右側のドワーフとハイエルフの間が広いです。
 そこから逃げましょう」

「いや、逃げてもまた囲まれる。
 ここはチームワークの悪そうな鬼人族を狙おう」

 ランダンが反論。

 それに魔王がさらに反論。

「ランダン。
 それは罠だ。
 この村での鬼人族メイド達の働きを考えてみろ。
 チームワークが悪いと思うか?」

「い、言われてみれば……」

「舐められたものよ。
 この魔王にその程度の演技が通用するものか!」

「さすがは魔王様」

「ははははは」

 高笑いする魔王に、ガルフが改めて聞く。

「で、どうするんだ?」

「ビーゼルの意見を採用。
 ゆくぞっ!」

「おうっ!」

 魔王達は巧みな動きで包囲を突破した。


 ただ、魔王を囲んでいるチームにフラウがいるのが残念だったな。

「狙い通りに突破してきました。
 みなさん、次のフォーメーションに」

 包囲の先にも包囲があり、魔王のチームは潰された。

 魔王の帽子を奪ったのは、ドワーフのチーム。

 身長差で届かないかと思ったが、騎馬ごとのジャンプはなかなかの見事だった。

 着地に失敗して、騎手が落下してしまったが。

 そして、魔王が倒された事により協力していたチームがまたバラバラに……

 なかなか見応えがあった。


 それなりに長い時間の戦いの後、優勝者はリザードマンのチーム。

 獲得帽子も五つと、戦って奪い取り続けた結果だ。

「攻撃こそ最大の防御です」

 優勝したリザードマンは、騎馬を組んだままウィニングランをして観客に応えた。




 次は大きい部門。

 ミノタウロス族が四チーム。

 ティアを騎手に、グランマリア、クーデル、コローネのチーム。

 ルーを騎手に、キアービット、スアルリウ、スアルコウのチーム。

 ラミア族と巨人族が一チームずつ。

 あと、死霊騎士を騎手にしたライオンのチームが参加。

「さすがにあれはズルいんじゃないか?」

 他の参加チームからではなく、小さい部門に参加したケンタウロス族からクレームが出た。

 しかし、他の参加チームからはOKとの返事だったので問題無し。

 全九チームで行われた。

 ルールは小さい部門と同じ。


 まず、ティアとルーのチームが手を組んだ。

 あらかじめ、他を潰してから最後の一騎打ちとでも話をしていたのだろう。

 アルフレートやティゼルが見ているから、カッコイイところを見せたいのかもしれない。

 だが、その目論見は早々に崩れた。

 立ちふさがる死霊騎士とライオン。

 ルーとティアの二チームで協力し、なんとか死霊騎士の攻撃をかわしている状況。


 その横で、ラミア族の一糸乱れぬ騎馬の動きを見せながら巨人族の騎馬とやりあっていた。

 ラミア族の動きは、下半身が蛇だからかな。

 ヌルヌルした動きで、帽子を取ろうと伸ばした巨人族の手を避ける。

 ラミア族の騎馬は素早く巨人族の騎馬の横に回りこむと、一気に尻尾を伸ばして騎手を高く持ち上げた。

 そこからさらに騎手のラミア族が尻尾を伸ばして巨人族の騎手の帽子を狙う。

 ラミア族の勝利かと思ったら、巨人族の騎手はラミア族の騎手の身体を抱え込み、帽子を奪った。

「ブラッディバイパーと日々、戦っていますから」

 蛇関連には強いという事かな。

 ラミア族は悔しそうにフィールドの外に。


 ミノタウロス族はミノタウロス族で奪い合い。

 身長が二~三メートルあるミノタウロス族の騎馬は、なかなかの迫力。

 見ていて楽しい。


 大きい部門の優勝は、死霊騎士とライオンだった。

 ルーとティアのチームを打ち破り、ミノタウロス族で残っていたチームを強襲した後、巨人族のチームと一騎打ち。

 決め手はライオンの跳躍だな。

 凄かった。



 次に、行われたのが特殊部門。

 ケンタウロス族の背には天使族のキアービットやスアルリウ、スアルコウ、グランマリア、クーデル、コローネ、それにハイエルフのリア、鬼人族メイドのアンが乗っている。

 その他、ラミア族のチームや死霊騎士とライオンのチームが再参加。

 フィールドはトラックの内側ではなく、トラックをそのまま使う。

 一周勝負で、帽子を取らなくてもゴールに一番に駆け込めば勝利というルールが追加された。

 ただ、これだと最初っから全力で駆け抜けた方が楽なので、コース上には障害物というか帽子を狙う敵を配置した。

 敵は騎馬ではなく、ハーピー族。

 コースの特定のエリアに侵入すると、空から急降下して帽子を狙ってくる。

 半分、実験的な騎馬戦だがどうなるかな。


 開始の笛がなった。

 その場で帽子を奪い合う組と、ゴールを目指す組に分かれた。

 ゴールを目指すのは、スアルコウ、クーデル、コローネ、リア。

 判断が早かったのか、スアルコウが数馬身先行。

 だが、急降下してきたハーピーの集中攻撃で帽子を奪われてしまった。

 あそこは先行するより、集団で移動する方が有利だよな。

 スアルコウを追いかけていたクーデル、コローネ、リアは、その場では協力してハーピーの攻撃を避けていた。


 残って帽子を奪い合う組は、キアービットとグランマリアが良い勝負をしていた。

 ただ、他を蹴散らしたアンと、死霊騎士に横から襲われた。

 そして残ったアンと死霊騎士で一騎打ちかと思ったが、その前にコースを一周してくるクーデル、コローネ、リアを迎撃する為、コースを逆走した。

 なるほど。

 逆走は禁止していない。

 そういう手段もありか。

 ただ、帽子を奪わなければいけないアンと死霊騎士に対し、駆け抜ければ勝ちのクーデル、コローネ、リア。

 どうなるかと思ったら……

 アンがクーデルの帽子を奪い、死霊騎士がリアの帽子を奪った。

 運良くか要領良くか、コローネはアンと死霊騎士をかわしてゴール。

 優勝となった。


 あー……死霊騎士が本気で落ち込んでいる。

 それをライオンが慰めている。

 微笑ましい光景だ。

 あ、うん。

 俺はアンを慰めれば良いんだな。




 最後に、子供部門。

 クロの子供達に、ウルザをはじめとした子供が乗り、参加する。

 これは遊びのようなもので、振り落とさないようにクロの子供達に注意。

 怪我は駄目だからな。

 心配は、アルフレートも参加すると言って聞かなかった事だ。

 まだ小さいのに。

 落馬……というか落狼しないように祈る。

 あ、ザブトンが見張ってくれるのね。

 危ない時は糸で止めてくれるらしい。

 ありがとう。


 試合が開始。

 ほんわかした空気が流れる……かと思ったら、ウルザが全力だな。

 それに対抗するのが……グラルか。

 でもって獣人族の男の子。

 ……

 アルフレート、逃げて良いぞ。

 逃げるのは恥じゃない。

 こっちだ。

 こっちに逃げてくるんだ。





 祭りは盛り上がったと言っていいだろう。

「どうだった?」

 俺はお茶を飲んでまったりしているベルに話しかけた。

「なかなか面白かったです。
 特に最後のは」

「ああ」

 子供部門が終わった後、自主参加で行われた騎馬戦。

 これにドース、ギラルが参加したから大変だった。

 さすがにドースもギラルも女性の騎馬に乗るのは抵抗があったらしく、数少ない男性が集められた。

 魔王、ビーゼル、ランダンも参加だ。

 もちろん、俺も巻き込まれた。

 正直、見ている分には楽しいかもしれないが、やると怖いね。

 今は恒例……なのかな? 相撲や腕相撲を楽しんでいる。

 ミノタウロス族、巨人族の相撲は人気だな。

「久しぶりに大笑いしました。
 また来年もお誘いください」

「わかった。
 来年はゴウも来れるか?」

「ええ。
 大丈夫でしょう。
 他の者もそろそろ目を覚ますと思います」

 他の者……ベルとゴウの仲間の事だろう。

 燃料節約の為に寝ていたのだったな。

「大変だろうけど、頑張ってくれ」

「大変?」

「状況説明。
 色々と変わっただろ」

「確かに。
 頑張ります」

 その後、ベルと太陽城で調味料関係の作物を育てる計画を相談する。

 祭りの日にしなくてもと思わないでもないが、なんだかんだで俺もベルも忙しいからな。

「あ、村長。
 騎馬戦に使っていた帽子。
 記念に頂けると嬉しいのですが?」

「今回だけだと思っていたから荒い作りだぞ?」

「記念ですから」

「わかった」



 さて、明日は……祭りの後片付けと、反省会。

 シャシャートの街のお店の事も考えないと……

 おっと、まだ今日は祭り。

 まだ眠くないからな……誰かと語らう事にした。


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