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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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第三回武闘会 騎士の部


 朝。

 祭りに続き、武闘会も二日開催になってしまったなぁと思いながらも準備を開始。

 準備と言っても、昨日やっていた模範でもなんでもない模範試合の後片付け。

 すぐ終わる。

 流石に武闘会の開催に支障が出るレベルでハメを外したりはしないか。

 ガルフの息子が石畳を何枚か修理しているけど。



 ごほん。

「武闘会、騎士の部を始める!」

 観客席から大きな歓声。

 今年は参加者が多い。


 吸血鬼のルー。

 天使族のティア、グランマリア、クーデル、コローネ、キアービット、スアルリウ、スアルコウ。

 ハイエルフのリア。

 鬼人族のアン。

 リザードマンのダガ。

 悪魔族のブルガ、スティファノ。

 それと、ハクレンの助産婦に来ていた悪魔族から五人。

 獣人族のガルフ。

 山エルフのヤー。

 ラミア族のジュネア、スーネア。

 巨人族から二人。

 インフェルノウルフからはウノとマサユキの子、フブキの子の三頭。

 デーモンスパイダーからは畳半畳サイズのが四匹。

 マクラは今回は出ないみたいだ。

 そして、死霊騎士が一人。

 始祖さんがわざわざ転移魔法で連れて来た。

 合計三十二人。

 トーナメントに都合の良い人数だが、ハクレンの助産婦として来ていた悪魔族達が人数合わせに参加を表明してくれたのだ。

 実力的には騎士の部に出ても問題無しとドース達が保証してくれたので安心。



 組み合わせはクジで公平に。

 シード等は無し。

 朝から夜まで、三十一試合が行われた。



 一回戦の十六試合の感想としては、悪魔族の強さだろうか。

 ブルガ、スティファノ、そして五人の助産婦の内、四人が勝ち上がった。

 敗北した助産婦の対戦相手は死霊騎士。

 死霊騎士の武器は試合用の木剣だが、それでも剣技で悪魔族助産婦を封殺。

 殺す気なら一瞬でやれたんじゃないかと思ってしまう。

 試合でよかった。


 そして予想外の敗北が、ウノ。

 悪魔族助産婦の一人と対戦し、幻惑系の魔法で敗北してしまった。

 同じくマサユキの子、フブキの子も一回戦敗退。

 インフェルノウルフは悪魔族との相性が悪いのだろうか?

 それともブルガ、スティファノからクロ達の情報が流れているのに、こっちは悪魔族の戦い方を知らないという不利があったのかもしれない。


 ラミア族の二人、巨人族の二人も一回戦を突破できず。

 グランマリア、クーデル、コローネも敗退。

 スアルリウ、スアルコウは運が良いのか悪いのか、双子同士でいきなり対戦する事になってしまった。

 泥試合の末、スアルコウの勝利。

 その泥仕合の後、ルーとティアによる好カード。

 しかし、予想に反してそっちも泥試合。

 ティアがなんとか勝利を掴んだ。

 俺の横で見ていたアルフレートが残念がっている。


 キアービットはガルフとの戦い。

 双方、高速戦。

 どちらの攻撃が先に当たるかの勝負になり、キアービットの膝がガルフの鳩尾にヒット。

 決着となった。


 山エルフのヤーは、ハイエルフのリアとの対戦。

 ヤーは頑張ったが、リアの技術勝ち。

 そんな感じの一回戦だった。




 二回戦に残っているのは十六名。

 天使族のティア、キアービット、スアルコウ。

 ハイエルフのリア。

 鬼人族のアン。

 リザードマンのダガ。

 悪魔族のブルガ、スティファノ、助産婦四人。

 ザブトンの子A、B、C。

 死霊騎士。


 ここまでの戦いから……俺の予想では死霊騎士。

 心情的にはティア、リア、アンを応援したい。

 あ、ダガやザブトンの子達も応援してるぞー。

 ウノ達は残念だったな。

 よしよし。

 向こうで待ち構えるクロサンやマサユキ、フブキが怖いのかな?

 一緒に行ってやるから。

 全力でやった結果だろ?

 大丈夫大丈夫……あー、クロサン、マサユキ、フブキ……手加減してやってくれ。

 マサユキはそんなに怒ってないな。

 怒っているのはマサユキの子のパートナーかな?

 手加減、手加減を忘れないようにな。

 戦えばどっちかは負けるんだぞ。

 拘り過ぎるなー……あー、でも野生を考えれば勝負に負けるはそのまま死か。

 厳しいのにも理由があるのかもな。




 二回戦。

 数多く残っている不幸か、悪魔族同士の戦いが二試合。

 その悪魔族同士の戦いに勝利し、スティファノが三回戦へ。

 助産婦同士の戦いで、片方が勝ち上がり。


 ブルガはアンと対戦。

 アンの連打の前に沈んだ。

「一撃が重過ぎる……」


 ティアは一回戦の泥試合の影響か、精彩を欠いてザブトンの子に負けた。

 ちなみにその時、ティゼルは熟睡していた。


 ダガとキアービットの戦いは、ガルフとキアービットの戦いの再現。

 ただ、勝ったのはキアービットではなくダガ。

「その軌道は先ほど、見せてもらった」

 かっこいい事を言ってる。


 リアはザブトンの子と対戦。

 糸を巧みに避けて接近、ザブトンの子の上に乗った段階でザブトンの子がギブアップ。

「マクラさんの動きを真似しようとしているのでしょうけど、それは貴方の特性に合っているのですか?」

 負けたザブトンの子は、リアの言葉を胸に色々と考えてみるらしい。


 死霊騎士はスアルコウを圧倒。

「手も足も出ませんでした」


 最後は残っている悪魔族助産婦と、ザブトンの子の戦い。

 試合開始当初は、助産婦の幻惑魔法が決まって勝利を手にしたと思ったが、それはザブトンの子の演技。

 助産婦が油断した所を糸で縛り上げて勝利した。

「え、え、え?
 そんなぁぁ~」



 こうして二回戦終了。

 残ったのは八人。


 ハイエルフのリア。

 鬼人族のアン。

 リザードマンのダガ。

 悪魔族のスティファノ、助産婦。

 ザブトンの子A、B。

 死霊騎士。



 ここで少し休憩。

 有志による応援ダンスや歌が披露される。

 ハーピー族はここが自分達の出番と張り切っているな。

 フーシュも歌うのか。

 なかなかの美声。

 マイケルさんも?

 聞き慣れない曲だが、なかなか。

 グラッツとロナーナが乱入し、ラブソングみたいなのを歌っているな。

 うん、カラオケ大会みたい。

 ほっこりしつつ、俺は食事。

 一応は武闘会の責任者という立場になるから、食べながら見るわけにはいかないから。

 好きに飲み食いできる観客が少し羨ましい。

 審判役をやっている始祖さんも食事にやってきた。

 ご苦労様です。





 三回戦。

 まずはリアと悪魔族助産婦との戦い。

 これまでの戦いで手の内を知られた助産婦は、リアに翻弄されてそのまま負けた。

 幻惑魔法は、初見殺しの意味合いが強いようだ。


 次にザブトンの子とスティファノ。

 ザブトンの子が有利かと思ったが、スティファノが糸を避けて接近、ザブトンの子の上に乗って勝利を決めた。

「私達だって強くなっているのですから」


 アンとダガ。

 村の古参同士の対決となった。

 ダガの剣撃は避けられ、アンの打撃でダガの身体が浮いた。

 うん、終始こんな感じ。

 ダガは頑張ったけど、どうしようもなかった。


 最後が死霊騎士とザブトンの子。

 死霊騎士が剣を振り回しながらゆっくりとザブトンの子に近付き、接近した段階でザブトンの子がギブアップ。

 どうなっているんだと疑問に思っていると、ライメイレンがクォンに説明していたので聞き耳を立てた。

 どうやらザブトンの子は糸と同時に糸片を放って攻撃していたけど、剣で全部弾かれたから力量差を感じてギブアップしたらしい。

 糸片……よく見れば床に針みたいな物か無数に落ちている。

 あれを投げて攻撃か。

 結構、怖いな。

 そしてそれを弾く死霊騎士。

 強いな。



 準決勝。

 まずはリアとスティファノ。

 これまでの試合の様子は互いに見ているので、後はどれだけ隠している手があるか。

 リアは弓矢での攻撃から打撃、投げ技。

 さらに関節技を狙ったが……スティファノが全てを上回った感じで勝利。

「今回は優勝を狙ってみようかな」


 次はアンと死霊騎士。

 アンの打撃と、死霊騎士の剣撃のぶつかり合い。

 先ほどのザブトンの子との戦いと違い、目に見えるがそれでもその速さに驚く。

 双方、ほぼ足を止めての連撃。

 ドドドドドッとリズミカルな音が続いていたが、不意にボキッと鈍い音を立てて決着。

 死霊騎士の持っていた剣が折れたのだ。

 折れたのはいつものピカピカの剣ではなく、試合用の木剣。

 それが足を引っ張る形になってしまった。

 相手を怪我させないようにと渡したのが悪かった。

 申し訳ない。

 え?

 剣が折れるのは腕が未熟な証拠、だから気にするな……

 死霊騎士。

 ありがとう。

 今度、盾を作ってやるからな。

 ともかくアンが決勝に。



 決勝戦。

 悪魔族のスティファノと鬼人族のアンの戦い。

 残念ながら決勝は盛り上がらなかった。

 試合開始直後、アンが急接近。

 石畳を割る踏み込みを伴なう真っ直ぐな打撃を繰り出したが、スティファノは避けてアンの顎にカウンター。

 これでアンがダウン、決着となった。

 騎士の部、優勝はスティファノ。

「あはは。
 優勝は嬉しいですが……すみません、治療をお願いします」

 スティファノの片腕がブラブラしていた。

 アンの打撃を避け切れなかったらしい。

「折れてないわね。
 外れてるだけ」

 フローラは先にダウンしていたアンを治療。

 その後でスティファノの腕を治した。

 魔法、凄い。

 ダウンしていたアンも気付いた。

「決勝用に温存していた攻撃でしたが……まさか避けられるとは」

 頑張ったなと頭は……やめて背中を撫でる。

「気を使って頂いたのは嬉しいですけど、ここは素直に頭を撫でる場面です」

 怒られた。




 そして表彰式。

 そのまま宴会に突入し、武闘会の会場はフリーバトルのステージになる。

「審判はちゃんと用意する事。
 双方合意の上じゃないと駄目だぞ。
 無理矢理は駄目だからな」

 フリーバトルにもルールはある。

 ドース達が審判をやるから任せろと言っているので任せるが……ドラゴン同士で戦うのは止めるように。


 文官娘衆達は、やっと終わったと食事をしながら気を抜き始めていた。

「ああ~……お酒が美味しい」

「食事も……やっと食べられた」

「そうね。
 明日の片付けまでは、のんびりして良いわよ。
 飲み過ぎないように」

 その様子を見ながら、俺も食事をする。

 食事が終わったら、アルフレートやティゼル達を寝かしに一度、屋敷に行こう。

 その後は……まあ、その時に考えるか。


 会場の一部では腕相撲が行われている。

 あれなら怪我もしないだろう。

 平和で良いな。

「う、腕が折れたぁぁぁ、フローラさーん」

 ……

 後でフローラを労わっておこう。

 うん、特別に労わっておこう。



 今年の武闘会が終了した。



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