挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

191/292

第三回武闘会 開幕~模範試合まで


 武闘会当日。

 晴天に天使族が七人。

 盛大な花火で開幕の合図をした後、ドラゴン族による編隊飛行。

 十頭以上のドラゴンが統率の取れた動きで、飛び回る。

 テンションが上がったのだろうな。

 ブレスを吐いたりしている。

 聞いてないぞ。

 森を燃やさないように上に向けて吐いているので、許す。


 この開幕の花火とドラゴンの編隊飛行で、一村住人と新しい三村住人がパニックを起こした。

 あと、巨人族とラミア族も。

「大丈夫、すぐに慣れるから」

 周囲の温かい介護で、なんとか持ち直した。

 しかし、三村住人はともかく、一村住人はドラゴン見てなかったっけ?

 ハクレンは妊娠中だったけど、ラスティがよくドラゴンの姿になっていたような気がするのだけど?

 ラミア族や巨人族だって見てると思うが?

「数の問題」

 なるほど。

 ちなみに、フーシュとマイケルさんは猫を愛でていて見ていなかった。

 猫が可愛いのはわかるけど、見てあげようよ。

 ほら、始祖さんが開幕の挨拶をしてるぞー。





 武闘会は、例年通り。

 一般の部、戦士の部、騎士の部の三部構成。


 一般の部は、一回戦うだけの勝負なので組み合わせで勝敗がかなり左右される。

 この辺りが改善点だとは思うけど、調整したとしても全てが全てベストマッチとはいかないのだから、運任せでも悪く無いと思う。

 運に任せた結果、今年初参加のガットの弟子の一人とガルフの息子が対戦する事になった。

 激しい戦いだったが、勝利はガットの弟子。

 力量ではガルフの息子の方が上だったように思えるが、勝負に集中していなかった。

 うん、舞台の石畳を割る事を変に意識し過ぎたんじゃないかな。

 そうそう割れるもんじゃないだろ?

 ……

 舞台チェック。

 あ、割れやすい細工をしている箇所を発見。

 気持ちはわかるが、努力の方向を間違えていると思うぞ。

 ガルフの息子にイカサマ石畳を回収させる。


 一般の部の最優秀戦は、三年前に生まれたリザードマンと獣人族の男の子の戦い。

 リザードマンは若いけど、体格は一人前。

 対する獣人族の男の子は、仕事の合間にガルフに色々と教えられている。

 つまりパワー対テクニック。

 勝負が長引き、体格で勝るリザードマンが有利かと思ったところでこれまで隠していた投げ技が炸裂。

 勝負が決した。

 しかし、負けたとはいえリザードマン。

 踏み込みで石畳を一枚、割っていた。

 一応、ガルフの息子にイカサマ石畳の回収忘れじゃない事を確認し、褒めた。


 あと、一般の部では一村の男衆が何人か参加していたが……

「初心者の部を作るべきでしょうか?」

「検討しよう」




 戦士の部。

 一般の部よりは戦える人達による勝ち残り戦。

 連続勝利した数で優勝が決まる。

 ここでの優勝を決める鍵は、ラミア族。

 二人参加しているラミア族を、どう倒すかだ。

 この戦士の部にグラッツ、ランダンが参加しているが……

 うん、勝ててない。

 グラッツは実力不足。

 ランダンは元気な状態のラミア族にばかり当たっていた。

 ちなみに、ラミア族はドワーフのドノバンが上手く倒していた。

 ドノバンは弱くないと思うが、これまでは山エルフのヤー、獣人族のガルフに阻まれていたからな。

 その二人は騎士の部に挑戦するので、順当にドノバンがそのまま優勝した。

「優勝は嬉しいが……来年が怖い」

 ランダンは残念だったな。

「ラミア族の戦い方に翻弄された……勝ち方は見ていたが、同じ事ができないとな」

 グラッツは……ロナーナに任せた。

 イチャイチャしててくれ。



 そして騎士の部! の前に、模範試合が行われる。

 希望者が多かったが、今年はクジで二試合だけ。

 前回、模範試合が盛り上がって本命の騎士の部が霞んでしまったからだ。

 本命は騎士の部。

 それを忘れてはいけない。



 模範、第一試合。

 竜王ドース 対 暗黒竜ギラル

 観客席から大歓声。

 うん、クジ任せだったが良い組み合わせなのかもしれない。

 ただ、他のドラゴン達の顔色が悪い。

「総員、防壁を張りなさい。
 観客席も守るように」

 ライメイレンの指示で、ドラゴン族や始祖さん、魔王、ビーゼル、ルーやティアが魔法で防壁を形成していく。

「できれば、十キロぐらい離れた方が安全なのですが……」

 ……

 中止。

 大ブーイング。

 いやいやいや。

 本人達もこのままじゃ収まらんとか言い出した。

 しまった。

 本気でしまった。

 武闘会の会場が駄目になるのは想定内だが、村に被害が出るかもしれないのは想定外。

 許可はできない!

 ならば!

「勝負方法をこちらで決定する!」

 という事にした。

 さて勝負方法だが、なるべく安全な勝負と思うと……

「腕相撲!」

 駄目だ。

 ブーイングが止まらない。

「……ドラゴンの姿で!」

 ブーイングが止まった。


 結果だけを言うと、かなり盛り上がった。

 急遽、テーブルとなる場所が作られ、間延びしたかなぁと思ったがそうでもなかった。

 二頭の巨大なドラゴンが手を合わせ、互いを倒そうと力を込める。

 審判は俺がやるつもりだったが、無理なので始祖さんに任せた。

 かなり白熱した戦いだった。

 一進一退。

 そしてギラルがドースの腕をテーブルに叩きつけたが、勝利はドースに。

 ギラルが最後、気合を入れすぎてブレスを吐いてしまったからだ。

 ギラルの反則負け。

「よしよし、よぉーしっ!」

「ふ、不覚……」

 ドース、メチャクチャ喜んでいるが大丈夫か?

 顔面にブレスを喰らっただろ?

 あ、驚いただけで、平気と。

 なるほど。

 流石はドラゴンだ。



 第二試合。

 魔王 VS ザブトン

「はい、クジに悪意を感じます!」

 魔王が手を上げて抗議するが、不正は無い。

「では、この試合も勝負方法を決めてもらえると」

 是非、お願いしますと言われた。

 ザブトンも構わないとの事で、勝負方法を決める。

「綱引き!」

 シンプルに綱を引き合い、綱の真ん中に付けた印を自陣にまで引き込めば勝ちだ。

「援軍、援軍をお願いする!」

 魔王の提案により、集団戦になった。

 魔王の援軍はてっきり四天王かと思ったら違った。

 ドライム、ドマイム、マークスベルガーク、クォルンの四人。

 ずるくない?

 ずるくないとの真顔の返事。

 ザブトンの方は……

 ラスティ、グラル、ウルザ、ザブトンの子供達多数。

 えーっと……

 グラルやウルザが参加しているが大丈夫か?

 大丈夫?

 怪我はさせないから安心して欲しい?

 ザブトンがそういうなら任せるが……

 まあ、綱引きなら大丈夫か。

 綱を身体に巻きつけるのは無し。

 危ないからね。


 審判は引き続き始祖さんで、勝負が始まった。

 純粋な力比べ。

 グググッとロープが引っ張られる。

 ……

 掛け声とか無いというか知らないのかな?

 綱引きは掛け声が大事というイメージなのだが……

 贔屓かもしれないが、ラスティに伝える。

 ラスティは半信半疑だったが、掛け声をかけ始めた。

 すると僅かずつだが、ザブトン側が有利になっていった。

 それを感じてかグラルやウルザも掛け声を始める。

 会場もそれに呼応した。

 一体感。

 ザブトン側が勝利に近づいていく。

 だが、それを打ち破る声。

「魔王様、ファイトォ!」

 四天王の三人が、応援団として全力で応援を始めた。

 ドライム、ドマイム、マークスベルガーク、クォルンの妻達もそれに続く。

 綱の真ん中の印が行ったり来たり。

 勝負は激闘の末に、魔王側の勝利。

 大変、盛り上がった。

 盛り上がり過ぎた。

 まず、グラルが負けた事に不満を持ったギラルが再戦要求。

 そしてそのままザブトン側に参加。

 ならばとドースが魔王側に。

 その様子に、見学者達が次々と参加。

 二回目はザブトン側の勝利。

 ギラル、グラルはともかく、住民対住民外みたいな対決になってしまったので数が少々不公平だったかもしれない。

 マイケルさんは魔王側で負けたけど、これは商売になると呟いていた。

 シャシャートの街でやるのかな?

 その後、綱引きの熱が冷めず……仕方なく村対抗戦が開催。

 村対抗戦と言っても、援軍が自主参加するので良い感じにバランスが取れている。

 チーム名みたいなものだな。


 そして……

「このペースだと、今日中に騎士の部は無理ですね」

「翌日に持ち越すか」

 その決定で、騎士の部に出るからと自制していた者達も綱引きに参加。

 夜まで盛り上がっていたが……

 本番、大丈夫か?


+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ