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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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武闘会の前の相撲


 武闘会に向け、来賓が集まりだした。

 まずは始祖さんとフーシュ。

「今年も楽しませてもらうよ」

 よく来ているので、久しぶりという感じがしない。

「ギラル君じゃないか。
 山から出てくるなんて珍しいね」

 始祖さんはドラゴン一家の宴会席にスムーズに参加、そのまま楽しみ始めている。

 少し前よりは元気そうだ。

 仕事の方で一段落したのだろうか?

 フーシュに聞くと、揉めていた国が潰れたので揉め事が無くなったとの事らしい。

 国が潰れるって一大事じゃないのかな?

 それで逆に忙しくなくなるとは……大変そうだ。

「フーシュは混ざらないのか?」

 俺が始祖さんの隣に案内しようとすると、フーシュは笑顔でフェードアウトしていった。

 あ、一村住民達の事が気になるのかな?

 でも、まだ来てないぞ。


 続いてマイケルさん。

 追加で頼んだ海産物と共にやってきた。

 武闘会も見ていくそうだ。

 移動はラスティがドライムの巣まで迎えに行った。

 今はガルフと何か話をしているようだ。


 そして、南のダンジョンからラミア族が三人。

 北のダンジョンから巨人族が十二人やってきた。

 大樹の村で働いていた者達と合流し、武闘会開催まで各々行動しながら待つ。

 武闘会は、予定では三日後。



 唐突に武闘会会場の横で、相撲大会が始まった。

 武闘会には参加しない者が、何か出来ないかと相談されて俺が提案したのが始まりだった。

 土俵を作るのも難しくなかったしな。

 マワシ無しの簡易ルール。

 これなら怪我もしにくいだろうと思ったら、そんな事はなかった。

 みんな、なんだかんだと擦り傷や打ち身を作っている。

 フローラが武闘会前から大活躍だ。

 取り組みは出来るだけ同種族でするように推奨。

 巨人族同士の取り組み、三メートル超クラスによる迫力のある相撲は大盛り上がりだった。

 その賑やかさに観客も集まり、武闘会っぽいものが始まりつつあった。

 ドラゴン達や始祖さんも酒を飲みながら見物している。

 まだ三日あるんだけど?

 ラミア族同士の相撲は……判定が難しいな。

 ハーピー族は無理しなくて良いと思うぞ。

 あと、飛ぶのは無し。



 二日前。

 クロの子供達同士の戦いが、武闘会会場で行われた。

 クロの子供達の中での代表者を決める試合のようだ。

 文官娘衆が管理しなくてもしっかりトーナメントやってるな。

 相撲に続き、こちらも人気。

 ただ、区別がつかない。

 絡み合った瞬間、どっちがどっちかわからなくなる。

 あ、ザブトンの子供達が、戦う二頭に衣装を着せ始めた。

 うん、区別が付く。

 どっちも頑張れ。

 あと、フローラ。

 大変だろうけど、よろしく。



 一日前。

 魔王達がやってきた。

 今回は魔王、ユーリ、ビーゼル、グラッツ、ランダン。

 ホウは来れなかったようだ。

 ん、メモ?

 酒リストだな。

 お土産に欲しいって事かな?

 ドワーフに渡しておこう。

 とりあえず、全員をドラゴン達や始祖さんのいる場所に。

 魔王以外の者達が、素早く散ったな。

 ユーリ、ビーゼルはフラウの所に。

 グラッツはロナーナに。

 ランダンはガルフ、マイケルさんに。

 グラッツとロナーナはわかるが、ランダンとガルフ、マイケルさんは妙に仲が良くなって無いか?

 ランダンの妹の婚約に関わった?

 へー。

 とりあえず魔王をドラゴン達や始祖さんのいる場所へ案内。

「えっと……ひょっとして……暗黒竜?」

「ギラルと知り合いか?
 それなら話が早いな。
 他はドースの親族だ。
 あ、あの小さいのはギラルの娘のグラル」

 後はドラゴン達にお任せしようと思ったが、魔王が俺の服を掴んで離さないのでしばらくその場に拘束されてしまった。


 ドラゴン達の話題は主に相撲でどっちが勝つかと、北の大陸のドラゴンの勢力争い。

 勢力争いと言ってもドラゴンはドースの一族の一強。

 ギラルの一族がドースの一族に抵抗するほぼ唯一の勢力で、他は全てドースの一族の支配下。

 しかし、ギラルがドースに従う姿勢を見せているのでドラゴン族は一枚岩になって安泰……

 となれば良かったのだが、上がまとまれば下が争う。

「俺のところが、もっともドース様に信頼されている」

「なにを言ってるんだ。
 寝言は寝て言え」

「まったくだ」

 小さい勢力争いが勃発しているらしい。

 ギラルの一族を除けば、クォンとクォルンをドースの一族に送り込んだクォラインというドラゴンの一族が有力らしいのだが、クォラインはそんなに強くないらしい。

 前に村を襲ったワイバーンに追い払われた事もあるらしい。

 なるほど。

 ドラゴンも色々という事か。

「いや、あのワイバーン相手だと、父上や母上、後はギラル殿ぐらいでないと勝てんから」

 ドライムが、クォン、クォルンを擁護する。

 そうなのか?

「あのワイバーンは、ワイバーン一族でも扱いかねている暴れん坊だったからな。
 ドラゴンでないのが不思議なぐらい多才だった」

 ……

 いきなり村を攻撃してきてムカつくという感情と、それなりに美味かったという記憶しかない。

「知り合いだったのか?
 すまん」

 俺が謝罪すると、一斉に笑われた。

「ワシも食べてみたかった」

「そうですね」

「俺もだ。
 きっと美味かったのだろうな」

 弱肉強食が徹底されているようだ。

 ドラゴンの凄さだろうか。

 とりあえず、食事と酒の追加の隙に、俺は魔王から逃げた。

 大丈夫だ。

 ちゃんと話が出来てた。

 頑張れ。



 鬼人族メイド達がフル活動。

 明日の武闘会に向けての料理の仕込みをしたり、すでに作り始めたりしている。

 ドラゴン達が宴会してたりするからな。

 キアービットも手伝っている。

 手伝いじゃない、ほぼ強制?

 そうか。

 お前は器用だから期待されているのだろう。

 そんな事あるって。

 邪魔だったら叩き出されているから。

 ああ、頑張ってくれ。



 一村、二村、三村からも人が集まりつつある。

 相撲をするのは構わないけど、怪我しないように。

 ルー、ティア。

 フローラの手伝いを頼む。

 本番は明日なんだけどなぁ。



 武闘会前日の夜。

 各種族の決勝戦っぽい相撲が行われ、大いに盛り上がった。

 グラッツがミノタウロス族の決勝戦にまで残り、勝利していた。

 ロナーナの応援が届いたのだろう。

 土俵の上でイチャつかないように。



 その他の決勝戦っぽい相撲も消化されていく。

 一番の盛り上がりは、やはり巨人族。

 うん、凄い迫力。

 ぶつかった音が響く。

 土俵中央での力比べの後、腕の差し合い。

 マワシはつけていないので、そのまま相手の脇に腕を入れ、投げる。

 三メートルの巨体が、土俵に落ちた。

 勝った巨人族が、両腕を上に突き上げる。

 大歓声。

 ドラゴン達も喜んでいる。

 何度も言うが、本番は明日だからな。


 その後、相撲のフリー対戦が始まったが……明日の試合に出るのは遠慮するように。

 相撲は試合に出れない人達用だからな。

 武闘会が終わった後ならやって良いから。


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