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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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春が来た


 クロイチ、クロニ、クロサン、クロヨンの角がボロっと落ちた。

 俺がビックリしていると、角のあった場所に小さな角が生えそうになっていた。

 同じように、クロとユキの額からも生えそうになっている。

 年に一回、生え変わるのかと安心した。

 クロとユキは前が折れていたから、余計にだ。

 クロイチ達の落とした角を回収し、記念として犬小屋に飾ってやる。

 角はデザインナイフみたいで、なかなか綺麗だからだ。

 今後、増えていくのかな。

 とりあえず、俺は活動を再開する。

 まずは畑。

 冬の間に作物はかなり消費した。

 そして冬の間に色々と考えた。

 調味料が無いなら、味の濃い作物を作れば良いのではないかと。

 ニンニク、タマネギ、ネギ。

 クロ達には与えるワケにはいかないが、俺の食生活を豊かにする為にも頑張って欲しい。

 あと、お茶。

 これも早く気付けば良かった。

 後は空いている畑にいつも通りにトマトとジャガイモをそれぞれ二面づつ。

 果実系の木で畑二面分を使っているので、残りは二面。

 悩んだが、キャベツとほうれん草にした。

 青物は大事だ。


 畑が終われば、次は畑の外周を囲う丸太柵と掘をチェックする。

 冬の間に何かなかったかと心配したが、丸太柵は異常無し。

 掘の方では、牙の生えた兎が一匹、落ちて死んでいた。

 ここに突撃して来たのだろうか。

 流石に衛生を考えると食べる事は出来ない。

 手を合わせた後、肥料にした。


 同様にため池と排水用の水路をチェック。

 水路はともかく、ため池には少し水が溜まっていて驚いた。

 そういえば雪が降ったから、それが溶けて貯まったのかな。

 ため池の底は【万能農具】のハンマーで叩いたから、水が染み出す事はない。

 腐るかな?

 排水したいが、排水用の水路へ続く箇所は水が貯まっている場所よりも遥かに高い。

 どうしようも無いので放置。

 問題は無いだろう。


 長らく中断していた滝から水を取る為の水路作りを再開する事にした。

 久しぶりの作業は楽しいが、やはり先は長そうだ。

 滝に近付く度に積み上げる土の量が増える。

 角度に問題は無いだろうかと不安になるが、修正するにしてもとりあえず滝まで作らないとと頑張る。

 万里の長城っぽい物を作っている感じがして、気付いた。

 寝床から滝を結ぶ水路。

 壁になってるよな、これ。

 どこかに通行用の穴を開けないと、動物が行き来できずに壊しに掛かって来ないか?

 第一、俺が壁の向こう側に行き難くて不便だ。

 ……

 とりあえず、水路が完成した後で穴を開けよう。

 うん、急ぐ事はない。

 そう思ったが、気分転換で通行用の穴を何箇所かに作った。

 男はトンネルが大好きなのだ。


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