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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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合流その二



 時間があったわけではないが、興が乗ったというヤツだろう。

 現在、一番大きな湯船に木製の舟が浮かんでいた。

 一本の木を削って作った丸木舟だ。

 温泉で温まった身体を舟に乗って揺られて冷ます。

 そしてまた温泉に。

 悪く無い。

 舟の上で食事が出来たりして、また良い。


 舟が出来ると、もう少し広い場所を求めてしまう。

 川に行くべきか?

 川は水量はあるが、川幅は三メートルから五メートルぐらい。

 川底は浅い。

 深い場所で一メートルあるかないか。

 なんとかなりそうだな。

 とりあえず、温泉から川へのルートを拡張……待て。

 そんな拡張をしても大丈夫なのか?

 湯船のお湯が一気に川に流れてしまわないか?

 せっかくの温泉を潰す可能性は避けたい。

 ラスティがいるし、運んで貰えば良いか。

 よし、川で舟遊びだ。

 オールを作って……


 転覆した。


 理想と現実の差を改めて痛感。

 流れの緩い湯船だったから転覆はしなかったが、川は無理だった。

 意外と激流。

 死ぬかと思った。


 俺をそんな目に合わせた丸木舟は、リザードマンのダガが乗って巧みに川を下っている。

 転覆は船の性能ではなく、実力という事だろう。

 ラスティやキアービットからの私の舟はどこ? 早く作って。 という視線が刺さる。

 わかってます。

【万能農具】でサックリと丸木舟を作る。

「あまり下り過ぎるなよ」

「わかってるわよ」

 俺は丸木舟を量産し、他の者が乗って遊ぶ。

 全員、俺より上手い。

 少しへこむ。


 クロ達が乗りたそうにしていたので、一頭づつ乗せてやるように指示。

 喜んでいる。

 しかし、一艘に一頭では全員が乗るまでに時間が掛かる。

 なので、少し大きめのイカダを作ってみた。

 木材を並べ、ロープで繋いで固定するだけ。

 ザブトンの子達が糸を出してくれたので、楽だった。

 流されないようにロープで繋ぎ止め、川に浮かべてみる。

 悪くない。

 いや、いいんじゃないかな。

 そして、先ほどと違って転覆はしなさそう。

 俺はイカダの上に仁王立ちした。

 凄い安定感。

 いけるな。

 そして乗り込んでくるクロの子供達。

 ザブトンの子供達もか。

 ははは。


 沈んだ。

 うん、限界はあるな。


 俺がイカダでクロの子供達やザブトンの子供達と戯れている間も、他の者は丸太舟を楽しんでいた。

 川の途中で流れが緩やかになる場所があり、そこをゴールにしてレースみたいな事をやっている。

 帰りはラスティが舟と人を持って移動。

 大変そうだが、本人が喜んでいるから構わないか。

 獣人族のガルフが一番上手いらしい。

 次に、ハイエルフのリア。

 その後は団子状態。

 その実力ハンデなのかもしれないが、クロの子供達を無理に乗せないように。

 安全第一でお願いしたい。


 ブルガとスティファノは舟遊びに参加せず、温泉を堪能している。

 俺は邪魔しないように温泉に戻り、川で冷えた身体を温める。

 その後、食事の準備。

 そろそろ持って来た調味料も減ってきた。

 ハクレン達はまだだろうか?




 ここでの寝泊りもそれなりに慣れたが、冬は越せない。

 なにせテントだ。

 小屋っぽい物も作ったが、今はグラップラーベアの肉を燻製にする為に活用されている。

 この辺り、グラップラーベアが多い。

 ここに到着するまでに数頭と遭遇した。

 到着してからも遭遇している。

 図体がでかいので肉量はありがたいが、味がイマイチなのが問題。

 クロ達は喜んで食べているが、なんだかんだで余る。

 なので保存食として燻製。

 いつもは骨も食べるクロ達だが、肉を余らせる状況でまで骨を食べようとはしない。

 グラップラーベアの胸元にある大きな石みたいなのは食べてたけど。

 残された骨を集めて煮詰めてみる。

 ……

 凄い匂いだったので、中断。

 思いつきで行動してはいけない。

 反省。

 反省していると、ハクレン達がやってきた。




 始祖さんはぐったりしていたので、そのまま温泉に向かった。

 いや、本当に疲れているようだ。

 何があったのだろうか?

 ザブトンの子供達も温泉に向かっていった。

 鬼人族メイドのアンは、残っている食材と調味料の確認。

 すでに次の食事のメニューを考えているようだ。

 そしてハクレンだが……

 なぜか俺に超甘えていた。

 ベタベタとくっついてくる。

「どうしたんだ?」

「別に」

 そういうが、離れようとはしない。

 だから好きにさせていたら……

 俺の膝に頭を置きハクレンが寝始めた。

 アンに目線で事情を聞くと、大活躍だったのでそのままでお願いしますと目線で返された。

 構わないが……

 できればそれをラスティやルー、ティアにも伝えてもらえないかな。

 俺を包囲しているんだが。

 川遊びはどうしたんだ?

 無駄な質問だった。

 一人ずつ、交代で、順番に。

 抵抗はしたけど、無駄だった。

 俺の両手両足は、しばらく枕にされた。




「それで、何があったんだ?」

 解放された俺は、始祖さんに事情を聞いた。

「死霊王が悪い事を考えて行動していたんだけど、それをハクレンが蹴った」

「……」

 良く解らなかった。

 なので重要な部分だけ聞く。

「危険は残っているのか?」

「残っていない……と思う。
 ああ、言っておくが私は詳細を調べようとしたんだよ。
 でも無駄だった。
 蹴ったからね。
 その後、ブレスで燃やしてた。
 資料っぽい物もあったけど、全部燃えた。
 なんとか確保しようと頑張ったんだけどね。
 無駄だった」

「お、お疲れ様」

「ありがとう。
 ハクレンは……ダンジョンを崩落させた事を気にしていたようだから、注意してやってね」

「ん?」

 気にしていたのか?

「ダンジョンを崩落させて、君が巨人族に謝った事を気にしていたんだよ」

「ああ、それでか」

「よろしくね」

「わかった。
 それでだ……聞きたい事がもう一点」

「わかってる」

 アンの傍に、小さな女の子がいた。

 五~六歳ぐらいかな。

 ハクレン達が連れて来た。

 アンが温泉に入れたのでポカポカと湯気を出して満足そうな顔をしている。

「あれは誰だ?」

「死霊王の本体。
 聖属性のブレスをこれでもかってぐらいに叩き込んでいたから、裏返って生き返っちゃったんだ」

「えーっと……」

「ついでに若返りもしているよ。
 お陰で記憶は無いみたい。
 ただの女の子……多少、色々な技を持ってる女の子かな。
 放置はできないでしょ」

「そうだな」

 大樹の村で保護する事になった。




すみません。
書き溜めできると思ったのに、時間がなかった。
出張中なので、ここまでになります。
次回更新は、木曜日と金曜日の間の0時の予定です。
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