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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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巨人族と調査再開



 北のダンジョンの巨人族が毛むくじゃらなのは、ブラッディバイパーから身を守る為の進化らしい。

 ブラッディーバイパーに丸呑みにされても、毛で胃液から体を守り、体内で暴れる事で生存するというスタイルだ。

 ブラッディバイパーもそれがわかっているのか、巨人族には手を出さない。

 手を出しても丸呑みにはしないらしい。

 ただし、それは大人の話。

 毛の少ない子供をブラッディバイパーは狙う。

 巨人族も、大人のブラッディバイパーには敵わないが、子供のブラッディバイパーならなんとかなる。

 それが巨人族とブラッディバイパーの関係。

 ちなみに、巨人族の子供には大人の毛を集めて作った全身カツラみたいな物を被せている。

 なるほど。



 俺はハクレンとラスティの起こした崩落が原因でアースラットがやって来た事に謝罪したのだが、巨人族はそうではないと俺の謝罪を受け取らなかった。

「崩落跡から出てきましたが、それだけが原因ではないかと」

 この辺りでアースラットが出るのは珍しく、また出たとしても崩落が呼び水になったとは考えられない。

 ただの偶然だから気にしないで欲しいとの事だ。

 巨人族。

 良い人達だ。

 という事で、宴会となった。

 場所は大樹の村。

 最初はダンジョンの入り口で行おうと思ったのだが、料理が完璧に出来る者がアンだけ。

 俺とリア、そして始祖さんがなんとか出来る。

 他の者は。お手伝いレベル……

 大樹の村から応援を呼ぼうと思ったが、料理が出来ないドノバン達が寂しそうな顔をするので大樹の村でする事になった。

 大変だったのは転移魔法を使う始祖さんだろう。

 それなりに疲れていたが、料理とお酒を遠慮する事はなかった。

 そして宴会は盛り上がる。

 巨人族達は大樹の村の料理と酒を喜び、出し物に素直に興奮してくれる。

 特に山エルフ達の仕掛け発表が、大歓声だった。

 小麦をセットすれば、自動的に粉にする仕掛けだ。

 これをエルフや文官娘衆の演奏付きでやっていた。

 うん、冷静に考えるとそれほどでもないが、音楽によって凄いように感じた。

 音楽の力、凄い。

 そして仕掛けの動力は蒸気。

 酒造りで蒸留中に出た蒸気を何かに使えないかと考えた山エルフがいたので、俺が蒸気動力に関して知っている部分を教えたのだが……

 すでに完成させていたとは。

 やるな。

 凄いぞ。

 問題は、粉になった小麦に蒸気の熱が伝わってしまった事だな。

 焦げてる。

 あと、セットに時間が掛かる。

 素直に手動で臼を挽いた方が早い。

 だが、すぐに改善するだろう。

 俺は炎上している仕掛けを見ながら、そう思った。

 ……

 燃えてる?

「ご安心を。
 すぐに消せるように水を大量に用意しています」

 いや、そういう問題じゃなくて……まあ、ウケてるからいいか。

 ……

 仕掛けに歓声なんだよな。

 燃えてる事に歓声じゃないよな。


 巨人族を交え、宴会は夜遅くまで続けられた。





 翌朝。

 出かけたらすぐに身体を洗いに戻り、そしてまたすぐに戻って来て宴会。

 一体、何をやっているのだろうと俺は反省した。

 温泉調査隊、再出発!

 始祖さんに頼み、巨人族達と共にダンジョンの入り口前に移動。

 昨日の戦いの痕跡を確認。

 ルーとティアの魔法でアースラットの存在を確認。

 探知できる範囲にはいないので、一安心。


 さて、ここで温泉調査隊を二分する。

 温泉調査班と、ダンジョンの崩落部分に繋がった穴を調査する班とにだ。

 穴を掘るアースラットがいるなら繋がった穴を埋めても仕方がない。

 ならば、アースラットがこの辺りに出た理由を調べ、場合によっては原因を潰さないと巨人族達が安心して暮らせない。

 巨人族達は崩落が原因じゃないからと言ってくれるが、こちらの気がすまないので調査を申し出た。

 特にハクレンとラスティがやる気だ。

 崩落の反省もあるのだろう。

 頑張って欲しい。

 そして、俺も穴の調査班にと思ったが、総出で却下された。

 俺には温泉調査隊をお願いすると。

 抵抗しようと思ったが、現実的な理由があった。

「ダンジョンの中やその穴は真っ暗ですけど……」

 夜目か。

 くっ。

 火を焚くのは色々な理由で駄目らしい。

 なので、仕方なく俺は温泉調査隊に。

 他のメンバーは、天使族のティア、グランマリア。

 リザードマンのダガ。

 天使族のキアービット。

 獣人族のガルフ。

 クロ達インフェルノウルフは夜目も利くらしいけど、全員がこっちに。


 穴の調査隊は、ドラゴンのハクレンをリーダーに。

 サブリーダーにドラゴンのラスティ。

 悪魔族のブルガ、スティファノ。

 吸血鬼のルー、フローラ。

 ハイエルフのリア。

 鬼人族のアン。

 それに始祖さんが加わる。

 そしてザブトンの子供達はマクラを含めて全員が穴の調査に向かう。



「無理はしないように」

 俺はダンジョンに向かうハクレン達にそう言って、見送った。

 まあ、始祖さんがいるから万が一の場合は撤退できるだろう。

 ルー、フローラもいるし、治癒魔法もある。

 危険はそうないと思うが……

 妙に気合を入れていた気がするが、大丈夫だろうか。

 ……

 不安に思っても仕方がない。

 任せたのだから、任せる。

 それが信頼だ。


 それに、向こうの心配ばかりではいけない。

 俺の方もしっかりとやらないと。

「以前、発見した熱い場所の位置は確認しています。
 こちらです」

 グランマリアの案内に従い、俺達は北に向かった。

 ……

 久しぶりの森歩き。

 うん、かなり辛い。

 途中から【万能農具】で道を作りながら進む。

【万能農具】を使っている間は疲労しないので、本当に便利だ。

 これまで作った村と村を繋いでいる道とは違い、とりあえず一人が歩ける幅の道を作りながら前進。

 途中、小型のブラッディバイパーと、かなり大きなグラップラーベアが出たが【万能農具】のクワで退治。

 前進を続けた。






 獣人族のガルフとリザードマンのダガ

「ダガさん。
 村長って……物凄く強くないか?」

「弱いと思っていたのか?」

「普通の人間だと」

「普通の人間が、死の森のど真ん中に村を作れるか?」

「無理だな。
 いや、そうなんだろうけど……てっきり、クロさんやザブトンさんと仲が良くて……
 普通の人間が仲良くなれるわけないか。
 そうだよな。
 考えれば魔王様とも普通に話せるんだし……
 村長に就くだけの実力を持っているという事か」

「うむ。
 我らが誇る村長だ。
 くれぐれも失礼のないように」

「ははは。
 手遅れかもしれないけど……気をつけるよ」




 天使族キアービットとグランマリア

「わかっていたけど……村長って凄いわね」

「ええ。
 私も改めてそう思います」

「ティアの夫でなければ……」

「なければ?」

「当然、求婚を申し出ていたわよ」

「気にせず、申し出たらいいのでは?」

「天使族は一夫一妻が決まりでしょ。
 私は族長の娘だから、破れないの」

「それは残念でしたね」

「……その余裕。
 貴女、まさか」

「可愛がってもらってますが、それがなにか?」

「ティアは何も言わないの?」

「推奨されてますけど」

「あのティアが?」

「はい。
 天使族の決まりは大事ですが……
 その決まりで最近は新たな子が産まれていません。
 ティア様はその辺りを憂いたのではないでしょうか」

「むう……」

「興味があるなら、村長との仲を仲介しますよ」

「魅力的な提案…………でも、少し考えさせて。
 色々あるから」

「ふふ。
 わかっています。
 族長の娘は大変ですね」

「それもあるけど、個人的には村長の子供が育つのを待つのも有りかなぁと思っていたりも……」

「アルフレート様に変な真似をしたら殺しますよ」

「ちょ、ほ、本気、それ本気の殺気。
 冗談、冗談だからね。
 あと、他にもいるでしょ。
 リリウスとかリグルとか」

「抱かせてもらった赤子を将来の旦那にしようとか……どれだけ飢えているのですか」

「将来を夢見るぐらいはセーフでしょう」





 クロの子供達(狼語です)

「さすがだな」

「ああ。
 クロ様、ユキ様を従えるだけはあるぜ」

「だが、本来なら接近させる前に我らが察知し、倒さねば」

「そうだが、地面に隠れられると察知するのは厳しい」

「それに察知できたとしても、あのでかいグラップラーベアはどうしようもないんじゃないか?」

「うーむ。
 被害を恐れずに掛かれば仕留められるだろうが……」

「クロ様から、被害を出すのを禁止されているからな」

「なんにせよ、少し先行して偵察を重視しないと。
 クロ様に許可をもらって来てくれ」

「了解。
 って、また村長がグラップラーベアを蹴散らした」

「一撃かぁ……」

村長ボスが先頭なのが、一番安全じゃないか?」

「そうだが、それだと俺達護衛の存在意義が……」

「……頑張ろう。
 いや、頑張るしかない!」

「おうっ!」



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