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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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反省会とハーピー族


 お祭り実行委員会のメンバーが集まり、テーブルを囲む。

「お祭りの反省会を行います」

「反省会?
 特に失敗はなかったと思うけど?」

「失敗はないけど、改善点はあったと思うわよ」

「あー……確かに。
 コースは三本ぐらい欲しかったわね」

「ボードの形状も色々あっても良かったかも」

「競技ではありませんが、食事の提供に関して少し問題がありました」

「どんな問題?」

「甘味が人気ありすぎて、私達が食べられなかった」

「あ、確かに」

「運営用に取り置きを希望」

「そうだそうだ!」

 色々と意見が出たので、記録して残しておこう。

 来年はまた別の事をするだろうが、こういった反省点や改善点は覚えておくのが正解だろう。

「村長からは何かありませんか?」

「俺から?
 そうだな」

 俺が問題と考えるのは……

 一部と二部の優勝者の褒賞メダル数が同じ事と、芸術系に走った者達を特に表彰できなかったこと。

「褒賞メダルの数は、最初に発表しちゃいましたからね。
 違えるのはよろしくありません」

「芸術系というか、変な飛び方は面白かったですけど、評価し難いですからね。
 基準をどうするかと……」

 どちらがどう優れていると説明できないのが厳しい。

 それなら、解りやすく水飛沫の量で決めた方が良いだろうけど……

「体格の不公平がありますからね」

「村長の独断と偏見で決めるのはどうです?」

「そういった重責はちょっと……全員の拍手の大小は?」

「種族の数に差がありますから」

 難しい問題だ。

 なので棚上げ。


「あと、一村、二村、三村の者達を呼ぶと、村が無防備になる事かな」

 クロとザブトンの子供達が守ってくれているから大丈夫といえば大丈夫なんだろうけど……

 会話できる者がいないと、何かあった時に状況を調べられない。

 ただ現状、全員を呼ぶか全員を呼ばないかしかできない。

 留守番を作ると、大樹の村のお祭りに参加できる者と、参加できない者に分けられてしまうからだ。

 留守番した者に対し、何か補填を考えてからでないと、留守番をおかせるのは厳しい。

「各村が成熟すれば、自然と年配の者が留守番役を買って出るのですけど……みんな若いですから」

「若い者が多いのは良い事ばかりじゃないか」

 二村のゴードンは留守番をしようとしていたらしいが、代表が欠席するわけにはいかないと参加になったらしい。


 こうして反省会は続いた。


「さて、村長」

「なんだ?」

「反省会で話題にはなりませんでしたが……現在進行形の問題はどうしましょう?」

「現在進行形……フーシュさんね」

 始祖さんが帰る時、一緒に帰ると思ったら村に残った。

 宿に泊まり、日が出ている間はほぼずっと大樹の村の社の前で祈っている。

 それは別に構わないし、村の滞在に関しても始祖さんがお金を置いていってくれたので問題無いが……

 なんか光ってるんだよね。

 俺の作った像が。

 正しい祈り方とかあるのかな?

 それとも魔法?

 なにも知らない人が宗教に嵌るきっかけになりそうな感じで光っているから、どうしたものかと思う。

「夜、まぶしいと問題になっています」

「ザブトンさんの子供達が、多少迷惑そうにしているかと」

「せめて、夜は光を抑えてもらえれば」

「フーシュさんに伝えておくよ」

 光のオンオフができないなら、遮光用のカーテンでも作ろう。

 こんな感じで反省会は終わった。

 いや、もっと話さなきゃいけない事があると思うんだけどな。

 ドース達の競技参加とか、なぜコースの一部を地下にしたのかとか。

 まあ、のんびりやっていこう。




 酒スライムが褒賞メダルの交換に来た。

 スライムと思っていたが、知能があるのかもしれない。

 いや、前々から感じさせてくれていたが……

 酒スライムだけ特別なのかな?

 ともかく、誰だろうが褒賞メダルを持っているのだから交換はする。

「予想通りお酒でしたか?」

「ああ」

 予想は裏切られなかった。

 一部では、何か作物を貰って自分で酒造するんじゃないかとの話も出たが、酒スライムは素直に酒と交換していた。

 ただ、驚いたのは一気に全部交換するのではなく、一枚だけの交換。

 将来の計画性がある。

 知能、かなり高くない?

 とか思っていたら、先があった。

 褒賞メダルの残りを、鬼人族メイドに渡したのだ。

「盗み飲みした酒の代金?」

「実家に仕送り的な感じとか?」

「親にお小遣い?」

「いえ、飼い主に自慢しているだけでは?
 飼ったつもりはありませんが」

 なんにせよ、鬼人族メイドを含めた住民達の、酒スライムを見る目が少し変わった。




 ハーピー族が帰って来た。

 十七家族、四十二人。

 移動時の護衛なのか、キアービットと数名の天使族が同行している。

「遅かったな」

「そう言わないでよ。
 途中、アンデッドを潰してたんだから」

「ん?
 ひょっとしてここから北東の?」

「ええ。
 元々、私達がガーレット王国を離れていたのもそれなのよ」

 なるほど。

 グランマリアと会ったのは、そのアンデッドを討伐に行く途中だったと。

「どこから要請があったのか?」

「コーリン教のお偉いさん。
 協力関係だから、断りにくいのよ。
 天使族はアンデッドに強いのもあるしね」

「そうなのか?」

「ええ。
 でも、あまり戦いたい相手じゃないでしょ。
 だから、もてなしなさい」

「だからがわからないが、食事と酒、風呂を用意しよう」

「ありがとう」

 キアービットと一緒に来た天使族は、前に来た天使族。

 数が減ったのはやられたのではなく、別の場所に移動したらしい。

 グランマリアが誘った天使族の者は、いつぐらいに来るのだろうか。

 ともかく、グランマリアにハーピー達の世話を任せた。



「ハーピー達は一村でよろしいですか?」

「それなんだが、ハーピー達だけで移動できるのか?」

 前に泊まった時は、キアービット達と一緒だった。

「そこまで弱くありませんが……この森ではどうでしょうね」

「だよな。
 しばらくは宿と屋敷の客室で寝泊りを」

 なんだかんだと話し合った結果、ハーピー達用の大きな家を一軒、大樹の村で用意する事になった。


 ハーピー達の仕事は、高度からの周辺偵察。

 異変を感じると、グランマリア達に連絡する。

 一村、二村、三村とカバー範囲が広くなったグランマリア達の目を補う役割だ。

 しばらくは複数で飛び、色々と試していくらしい。

 頑張って欲しい。


 ……あれ?

 これだとグランマリアが誘った天使族の役割が……


活動報告にも書きましたが、リアルが忙しいので更新が滞ります。
すみません。
次回は来週の中ほどになると思います。

キアービットは、大樹の村→アンデッド退治→ハーピーの住んでる場所→大樹の村というルートで移動しました。
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