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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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二村と三村の扱い


 二村、三村での収穫が終わり、新しい畑を作った。

 今年はこの畑の収穫で終わりになるだろう。


 さて、ここで問題が一つ。

 俺は各村の収穫は、各村でと思っていたのだが周りはそう考えていなかった。

「え?
 全部?」

 二村、三村の収穫は全て俺の物という流れになっていた。

 説明してくれたのは三村のケンタウロス達の世話役であるラッシャーシ。

 二村のミノタウロス達の世話役ナーフは、一歩下がった。

「村長は二村、三村に独立した働きを期待していますよね」

「ああ」

「ですが二村、三村は独立を望んでいません」

「え?」

「独立を与えられるよりは、完全に庇護下に入った方が安全ですから」

「えーっと……」

 独立を望まない?

 そんな事があるのか?

「彼らの状況をお考えください」

「状況?」

「まず、村の防衛力。
 これはほぼクロさんやザブトンさんのお子さん達が担っていますよね」

「ま、まあ、そうだな」

「生産力。
 将来的にはわかりませんが……畑を切り開いたのは村長です。
 彼らは世話をしただけですよね」

「そうだが」

「その上、作物以外の物を求める時、大樹の村を頼らなければなりませんよね」

「そうなる……のか」

「そんな状況で、村の独立を望む者はいません」

「んー……」

「色々と揃っていますが、生まれたての村ですからしばらくは面倒をみなければならないかと」

「そ、そうか」

「収穫物の所有権は村長……大樹の村の村長にあります。
 村長の呼び方、いい加減に考えてください」

「すまん」

「それで、今後の体制ですが……
 基本的に二村、三村は遠地にある村長の畑の管理集団という位置付けでいきたいと」

「……それで良いのか?」

「二村、三村の総意です」

「そうか」

「収穫物を大樹の村に持って来ても良いのですが、その後に食料として渡すのは手間ですので、各村で保管させます。
 各村は収穫物の一部を受け取り、食料とします。
 各村の要望は、駐在員か世話役の私達によって村長に伝える事になります。
 承認をお願いします」

「承認って、すでにそんな感じで動いているんだろ」

「はい」

「畑を作った時はそんな考え方を感じなかったが……」

 二村、三村の者達は畑の大きさや作付けに関して、色々と意見を言っていた。

 自分達の村だと思って言っていたのではないのか?

 んー……

「方針変更に誰かの入れ知恵があるのか?
 誰か余計なプレッシャーを与えたんじゃないだろうな?」

「まさか。
 元から二村、三村の皆さんはそのような扱いだと考えていました。
 方針変更ではありません」

 ラッシャーシは、慌てて俺の考えを否定する。

「村長が二村、三村の収穫物をそのまま全て渡そうとしたので、慌てて私やナーフに相談を求めてきました」

「それで今回の話と」

「はい。
 関係の再確認といいますか、誤解のないようにしておこうと」

「……わかった。
 承認しよう」

「ありがとうございます」

 ラッシャーシとナーフが頭を下げる。

 一安心した感じが、俺の思っていた以上に心配事だったようだ。

「しっかり決めず、不安にさせたようで申し訳ない」

「いえ」

「勝手に独立、自由が良いと思ってしまっていた」

「独立、自由には責任がセットですから。
 そういったのは自分で立つ事が出来て、初めて求めるものかと」

「そうだな。
 これは余談だが……将来的に二村、三村は独立する気概はあるのか?」

「三村は子供が大きくなってからですから、その辺りの話が出来るのは十年、二十年先の話かと」

「二村も似たようなものです。
 ただ、ミノタウロス達の性格から、自主的な独立は考えないかと」

「……わかった。
 当面は面倒をみないといけないって事だな」

「よろしくお願いします」


 ふーむ。

 俺の考えが甘かったか。

 建物と畑を用意したら、後は勝手にやってくれると思っていたのだが……

 そう上手くはいかないか。

 こちらが色々と配慮すると言っても、その言葉に頼った独立よりは大樹の村に従った方が良いという考え方だな。

 確かに、その方が堂々と要求できる。

 子供達も多いし、その方が安心できるのだろう。

 ……

 従う。

 ズシリとした責任の重さ感じる。

 これはあれだな。

 命を預かっているという責任の重さだ。

 これまであまり感じなかったのは俺の目の届く所にいたからか?

 目の届き難い場所に、俺の責任で生活する者がいる。

 ……

 王様とか凄いな。

 とてもではないが、俺には無理そうだ。

 だが、関わったからにはしっかりと彼らが独立するまで。

 独立。

 ラッシャーシも言っていたが、それは自分で立ってからだな。

 つまり、彼らの村だけで立てるようにしなければならない。

 一年二年の事ではないだろうが、頑張ってみよう。



 クロ達の体制を確認する。

 基本、大樹の村で多数が生活している。

 百頭ほどが出かけたが、まだまだ数はいる。

 他に、一村、二村、三村にそれぞれ三十頭が常駐。

 遊撃として三十頭が各村を巡回。

 誰かが指示したわけでもないのに、自主的にやってくれている。

 ありがたい。

 ……

 フリスビーとボールで遊んだ。

「……げ、元気過ぎないかな」

 あと、数がやっぱり多い。



 ザブトンの子供達は、正確な数は確認できないが……各村に五十匹ぐらいづついる。

 主に外敵の撃退と、畑の害虫退治。

 各村の住人とは仲良くやっているようだ。

 ……

 ザブトン達とファッションショーをして遊んだ。

 俺の服が数着増えた。

「今回のヤツ、貴族っぽくないか?」

 農作業時には着れないが、ザブトンが満足気なのでまあいいか。

 その後、ジャガイモパーティーを楽しんだ。

「流石に俺は生のままじゃ食べないぞー」

 俺の所に生のジャガイモを持って来るザブトンの子供達に説明しておく。



 ニュニュダフネは、各村に数人づつが連絡要員として在住しているが……

「お前達、存在感が薄くないか?」

「そう言われましても……村では木の姿ですから」

「木?
 切り株じゃないのか?」

「あれは移動可能なスタイルです。
 普通の木にもなれますから」

「へぇ」

「なので、風景に溶け込むんでしょうね。
 存在感がないのが普通です。
 ちなみに、私達の中では毎日少しずつ家に近付いて住人がいつ違和感を覚えるかゲームが流行っています」

「やり過ぎないようにな」

「了解です」

 一村の管理人を任せているが、手が掛からないので本当に楽だ。

 うーむ。

「何かして欲しい事、あるか?」

「え?
 でしたら、剪定して貰えると」

「……剪定?」

「木を刈り込む事ですが」

「それはわかるが、えっと……大丈夫なのか?」

「木や切り株の姿の時は大丈夫ですよ」

「そうか。
 なら……まあ、上手くできるかどうかわからないが……」

 各村を回って、ニュニュダフネ達を剪定した。

「おおっ、凄い技術」

「剪定経験がおありで?」

「神だ」

「神がいる」

 崇められた。

 多分、【万能農具】を剪定に使ったお陰。

「半年に一回……いえ、年一でも構わないので、今後もお願いします」

「手が空いていたらな」



「私達とは遊んでくれないのですか?」

 大樹の村の者達に言われた。

 いや、別に遊んでいたわけじゃないんだけどな。

 小さなレクリエーションが行われた。

「第一回、大樹の村かくれんぼ大会!」

「じゃあ、死神は村長で。
 見つかった人も死神となってください」

 鬼人族がいるので、追いかけるのは鬼ではなく死神と称される事になった。

「一定時間、隠れ切ったら何かご褒美がでます」

 タッチ無しの掛け声アウト。

 子供騙しなイベントだったが、それなりに盛り上がった。

「全然、見つけられん!」

 村の住人は、隠れるのが超上手かった。

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