プロローグ
「…。」
ここはどこなんだろう。僕は何してるのかな…?
空を見上げれば灰色に曇っていた。
「お前何してんだ?」
僕が後ろを見るとそこには男の子が一人いた。
同い年くらいで背格好も僕と似てる。髪の色は綺麗な銀色で服は全身真っ黒。でもそれより気になったこては、雨が降ってないのにも関わらず傘をさしていたことだった。
「どうして…傘をさしてるの?」
「…は?」
その子は目を丸くしていた。
そんなに驚くことかな…。
「お前、傘持ってないの?」
僕は自分の身の回りを見たけど、特に何も見当たらなかった。
「早く入れ!!もうすぐ雨だぞ!!」
腕を無理矢理引かれて僕はその子の傘の中にいた。
「雨がダメなことなの?」
「…お前何者?この国の状況知らないなんておかしいぜ?」
何者?って…あれ?
「僕って誰…?」
「は…?」
「わかんない…何も思い出せないよ…。」
必死に頭の中に呼び掛けるけどまったく答えてくれない。
「記憶喪失ってやつか?」
猫に似たその子の目は僕を定める。
「わかんない…。」
僕にはそれしか言えなかった。
「…面倒なもんに関わったなぁ。」
しばらくして横から大きななため息が聞こえた。僕はうつ向くことしかできない。
「この近くにさ、俺の家があるんだよね。」
「?」
「俺の同居人結構物知りだから、お前の役に立つかもよ?」
自分をアオと名乗ったその子は僕にニッと笑いかけた。
それがそのとき僕が覚えてた最後の景色だったと思う。
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