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〜ランダム〜
作:志貴



またかよ


ガタンゴトン、と電車に揺られながら、学校を目指す。

腰掛に座り、前方の窓から移り変わっていく景色が目に映る。
その空は灰色の重々しい雲が、空いっぱいに広がっていていつ雨が降ってもおかしくないほどだ。しかし、天気予報で今日の降水確率は10%と言っていたので、たぶん大丈夫であろう。

ガタンっ、と大きく電車が跳ねる。

通常なら今の時間は通勤通学のラッシュなので、誰かの肩に触れるてしまうぐらいはあるだろう。だが、魁人の周りではそうは起こらなかった。いやそれどころか、満員電車独特の息が詰まるような窮屈感、暑っ苦しい圧迫感すら魁人はまったく感じていなかった。

居ないのだ。

人が。

魁人の周り半径二メートルぐらいにかけて。

明らかに距離を置かれている。

こっちでは空間が余りあるほどなのに、隣の車両ではギュウギュウの満員だ。
そんなにも恐がらなくてもいいだろうと思う。
しかも何か、恨めしそうにこっち見てる人がいるし。
だったらこっちに来ればいいのに。同じ車両にいるだけで誰が何をするというだろうか。
その人に視線を移したら、光速以上の速さで顔を逸らされた。

・・・・・・・・・別に、もう慣れたけどね。

所詮人間なんて見た目なんだ。そう思わないと人生なんてやっていけない。
自分はこの先ずっと、学校で友達の一人も作れずに卒業してしまうんだ。
誰とも関わらずに誤解も解けずに、不良以上のヤクザ予備軍として扱われるのだろう。

と、思っていた。

だと思っていたのに。

魁人の靴箱に、(今日の放課後、体育館裏で待っています)と書かれた手紙が入っていた。

デジャビューだ!!デジャビューを感じる!!

この前、といっても昨日と言う凄く最近だが、酷い目に合ってしまった自分は、もはや人間不信と疑心暗鬼、それと対人恐怖症に陥ってしまっているのだ。
もう、他人なんて信じられない・・・。
忘却の彼方に押し遣ろうとしていた記憶が復活してしまった。
昨日、意味も分からずいきなり殴りかかられた俺は、意識を失いそうになったが、そこは何とか持ちこたえた。
そして、正気を取り戻したときには、俺を殴った確信犯は遠の昔に姿を消していたようだ。
確か名前は倉元亜紀と言ったかな?
今まで見たことも無い顔だったので、きっと隣のクラスにやってきた転校生なのだろう。
このまま無視してしまっても構わなかったが、それは俺の良心が許さない。
昨日の会話から、俺が彼女に何かしてしまったようなのだ。
俺自身にそんな記憶は無いが、相手がそうだと言っているので原因を突き止めないといけない。
そうしないと俺も納得できない!!
今日の昼休みぐらいに、彼女と会おう。
俺は決意を新たに教室へと入った。








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