挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
セブンス 作者:わい/三嶋 与夢

二代目様は苦労人

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

32/345

再会を願って

 ダリオンに来て三ヶ月が過ぎようとしていた。

 ゼルフィーさんとの契約期間が終りを迎えると、俺たちはギルドにある個室で契約の達成を確認する。

 ホーキンスさんが立ち会い、俺に書類を渡してきた。

 ゼルフィーさんの指導員としての評価を求めて来ている。

 最高は評価【A】であるが、それを記入するという事は追加で報酬を支払う事を意味していた。

 どんなに良くても評価は【B】までというのが普通だ。

 机を挟んで向き合う俺たち――俺、ノウェム、アリアは、目の前に座るホーキンスさんとゼルフィーさんを見る。

 真剣な表情のホーキンスさんは、俺に説明してくる。

「ライエル君が思った通りの評価を記入してください。これで逆恨みをして危害を加えれば、ギルドが厳重な処罰を下しますから、その辺は安心してください」

 ゼルフィーさんは特に何も言わない。

 ただ、座っているだけだ。

 アリアは、複雑な心境なのかゼルフィーさんを睨むように見ている。

 緊急依頼を受けた後も、俺たちはゼルフィーさんの指導の下に冒険者として必要な知識や経験を得てきた。

 この三ヶ月間を、無駄と思ったことはない。

 書類に、俺は最高評価の【A】を記入する。

「……最高評価ですか。意味は分かっていますね?」

 ホーキンスさんに言われると、ノウェムがお金をテーブルの上に置いた。

 小さな革袋には、金貨が三枚入っている。

 ホーキンスさんは受け取ると、中身を確認する。

 依頼する金額が大きくなると、追加報酬の額もそれなりに必要だった。

 金貨三枚の内、一枚をギルド側が受け取る。

「確認しました。それでは、追加報酬である金貨二枚をゼルフィーさんにお渡しします」

 金貨二枚を受け取ったゼルフィーさんは立ち上がると、そのまま部屋から出て行こうとする。

「まったく、面倒な仕事だったよ。もう二度とやらないからね」

 緊急依頼を受けて以来、俺たちに素っ気ない態度を取ってきたゼルフィーさん。

 いや、素っ気ない態度をしていたのは、アリアに対してである。

 部屋を出て行くゼルフィーさんを見て、ホーキンスさんが言う。

「素直じゃありませんね。もうとっくにみなさん知っているのに」

 ノウェムも同意する。

「こうでもしないと、結婚祝いを受け取って貰えませんからね」

 そう。

 みんな、ゼルフィーさんがどうして素っ気ない態度を取っているのかを知っていた。

 アリアも、それを知っているから複雑なのだ。

 冒険者を引退し、一般男性と結婚するゼルフィーさん。

 俺たちの追加報酬は、彼女に対する結婚祝いの意味合いもあった。

 ノウェムは、アリアの肩に手を触れた。

「アリアさん、ゼルフィーさんは近くにいると思います。最後に話をしてきてください」

「で、でも……最近は話もしてくれないし」

 アリアが落ち込むと、ノウェムは首を振って真剣な眼差しで再度言う。

「ここで行かないと後悔しますよ。私たちはダリオンを離れます。二度と会えなくなる可能性もあります……行きなさい」

 いつもより口調の強いノウェムに言われ、アリアが部屋から出て行く。

 ゼルフィーさんと話をするためだ。

 そして、ホーキンスさんがこれまでと違った書類をテーブルの上に置いた。

「ギルドの異動届になります。そして、こちらはギルドが保管するギルドカードです。本当にすぐに出て行かれるんですね」

 寂しそうにするホーキンスさんは、これでまた私のところに来る冒険者が減ってしまいます、などと冗談を言う。

 ギルドで幹部が抜け、その穴埋めにホーキンスさんの名前が出ていることは俺は知っていた。

「あまり長居は出来ませんから。ゼルフィーさんにもホーキンスさんにも……それに、ベントラーさんにも迷惑がかかるかも知れませんし」

 実家であるウォルト家が、未だに動きを見せずに不気味だった。

 何をしてくるのか分からないのは、恐怖である。

 それに、ベントラーさん――ダリオンの領主は、いざとなれば俺を差し出せる人だ。それが悪いとは言わない。

 領地を守る事を考えれば、逆に当然であった。

 ダリオンは、俺の実家であるウォルト家の領地と比べると規模が小さい。それは、王都であるセントラルに対しての影響力も同じである。

「……ライエル君も色々と事情があるようですから、深くは聞きません。ですが、またいつか会えるといいですね」

「そうですね。ホーキンスさん、お世話になりました」

 書類に記入をする。

 俺、ノウェム、アリアのホーム異動届を提出すると、ギルドから書類を受け取った。次のホームとなるギルドに提出する書類だ。

 俺が立ち上がると、ノウェムも立ち上がる。

 そして、ノウェムもホーキンスさんにお礼を言った。

「お世話になりました。ホーキンスさんもお元気で」

 ホーキンスさんは、頷いていた。

 少し、涙目になっている気がするので、俺たちは部屋を出る。

 涙もろいところがあるのだと、最後に知ることができた。





 ギルド内廊下――。

「ゼルフィー!」

 アリアがゼルフィーを見つけ、駆け寄る。

 ゼルフィーは気まずそうに頭をかいて視線を逸らしていた。

「何? 私はこれから飲みに行くんだけど」

 素っ気ない態度に、アリアはなんと言っていいのか分からなくなる。

 しかし、アリアはライエルたちと共にダリオンを離れる事を決めていた。

 既に家も引き払い、セントラル行きの連結馬車のチケットも買っている。

「……今までありがとう、ゼルフィー。私、世間知らずで一杯迷惑をかけて……それに、ゼルフィーがどんな気持ちだったか知りもしないで」

 言葉が上手く出てこなかった。

 ゼルフィーが冒険者の死体をあさり、貴重品を奪う姿を見て失望したアリア。

 だが、その後にゼルフィーが死亡した冒険者の遺族に、その貴重品を引き渡したことを後から聞いたのである。

 あまり深くも考えず、ゼルフィーに失望した自分を責めたこともある。

 アリアは、そんなゼルフィーにもう心配しないでと言いたかった。

「私は大丈夫だから。私なりの幸せを見つけようと思うの。だから……ゼルフィーも幸せになってね」

 アリアがゼルフィーの顔を見る。

 すると、ゼルフィーは泣いていた。

「……すみません。お嬢様。私も……私は何もできなくて……見ていることくらいしかできなくて……」

 涙を流すゼルフィーに、アリアは抱きついた。

 昔、屋敷で一緒に遊んだ時のように呼ぶ。

「ありがとう、お姉ちゃん……私はもう大丈夫だから。だから、お姉ちゃんも幸せになってね」

 ゼルフィーもアリアを抱きしめる。

 アリアは、ゼルフィーの体に多くの傷があるのを確認した。

 屋敷を追い出されたゼルフィーの一家が、ダリオンで苦労をして生きてきた証拠でもある体の傷。

 そうなりながらも、ゼルフィーは自分のために行動してくれた……。

 領主に協力する対価として、セントラルを追い出されたロックウォード家をダリオンに迎えて貰った。

 見えないところで、色々と苦労をかけてきたのだと……。

「ゼルフィー、今までありがとう。私はもう大丈夫だから」

 アリアは、かつて姉と慕った相手を抱きしめる。

 ――今まで守ってくれた姉に、もう大丈夫だと伝えることが出来たのだった。





 ギルドの中でアリアを待つ俺とノウェムは、お世話になった三人組が近づいてくるのに気が付いた。

「ロンドさん!」

「ライエル君!」

 会えば会話をする仲になった冒険者の中でも、彼らは特に仲良くしている。

 ロンドさんは、迷宮で得た希少金属で短剣を仕上げ。

 ラーフさんは新しい槍に使用していた。

 レイチェルさんは、杖の一部に希少金属を使用している。

 仕上がったばかりの真新しい装備をした三人。

 特に、ロンドさんの短剣は自慢の剣と同じ柄に鍔、そして鞘をデザインしている。はじめて見せてくれた時は、嬉しそうにしていたのを俺は思い出した。

「ロンドさんたちも手続きが終わったんですか?」

 俺がそう言うと、ラーフさんが苦笑いをする。

「ライエルたちより早く来たのに、引き留められて時間がかかったけどな。ダリオンはある程度力のある冒険者が、どんどん抜けるからよ」

 ダリオンの特徴でもある。

 初心者に優しく、そして雑用系の仕事が多く稼げるのがダリオンだ。

 反面、初心者ではない冒険者には稼ぎにくい場所でもある。

 だが、腕の良い冒険者を確保しておきたいダリオンのギルドでは、頭の痛い問題であるだろう。

「ライエルたちもこれから出発? アリアちゃんは? ……さては逃げられたわね」

 レイチェルさんは、いつものように思ったことをすぐ口にする。

 俺は首を横に振った。

「残念ですが逃げられていませんよ。別件があるので、俺たちは待っているんです。それより、馬車の出発時間は大丈夫なんですか?」

 すると、ロンドさんが思い出した、という感じで声が大きくなる。

「二人とも、あんまり話している時間もなさそうだ」

 ラーフさんも慌てはじめる。

「そうだった! それじゃあ行くか。アリアちゃんにもよろしく言っておいてくれよ」

 レイチェルさんは、ノウェムに声をかける。

「ノウェム、ライエルを頼むわね。頼りないから」

 ノウェムはクスクスと笑うと頷いていた。

「ありがとうございます。レイチェルさんたちもお元気で」

 そして、ロンドさんが俺に手を振りながら言う。

「いつか会えたら、その時は一緒にまた騒ごう。ライエル君……また会おうな!」

 爽やかに去って行くロンドさんに、俺も手振った。

「はい。また会いましょう!」

 三人組がギルドを後にする。

 すると、ノウェムが呟くのだった。

「気持ちの良い方たちでしたね、ライエル様」

「そうだね。また会いたいよ。再会する時のためにもっと立派な冒険者にならないと」

 次に会うときは楽しみに思いつつ、俺とノウェムはアリアを待つのだった。





 ――それはどこかの街道。

 血だらけになったロンド、ラーフ、レイチェルは、道に倒れていた。

 ロンドは自慢の剣をズタズタにされ、短剣も奪われた。

 両腕はなく、地面の上でかろうじて息をしている。

 しかし、既にラーフとレイチェルの二人は息をしていなかった。

「な、なん、なんだ……あの化け物は」

 思い出すだけでも恐ろしい化け物は、凶悪な魔物でもなかった。

 ――人だ。

 それも、幼い少女である。

 地面を這いずり、ロンドはレイチェルを見る。

 胸に大きな焦げた穴が空き、その瞳は虚ろで涙を流した跡が残っている。

 ラーフを見れば、最後まで自分たち二人を逃がそうと前に出たために自分より酷い状態だった。

 そんなラーフに近寄ると、軽くなってしまったラーフの一部――髪に噛みついて、レイチェルが倒れている場所まで持って行く。

 這いずった後には、ロンドの血が地面にしみこんでいた。

 自分の剣技では全く刃が立たなかった。

 何しろ、魔具を持った三人がいて、小さな女の子に触れることすら出来なかったのだ。

 原因は連結馬車で目的地手前まできて、徒歩で次のホームと決めていた街に行く途中の出来事だった。

 豪華な馬車が自分たちの近くで止まったのだ。

 貴族の使用する馬車で、見た目からも並の貴族ではないというのが分かった。

「レイチェル……ラーフ……俺たちは、ずっと一緒だ」

 レイチェルの側に行くと、ラーフの髪を離してロンドは額をレイチェルの額に重ねた。

 共に冒険者となったばかりの頃に出会い、馬が合って三人で数年間頑張ってきた。実力もつき始め、念願だった魔具も手に入れた。

 これからというところで……その化け物に目を付けられたのだ。

 化け物の少女が言ったのは、信じられない言葉だった。


「私のものにしてあげる。そっちの槍を持っている奴と、その女はいらないわ。どこかに行きなさい」


 ロンドを気に入った貴族の少女の戯言。

 そう思ったが、周囲の反応は違った。

 馬車に乗っていた少女の両親は、ロンドが少女の好意を無駄にしたと怒りだした。

 ロンドが、すでにレイチェルという彼女がいると言って拒否したからだ。

 そして、付き従っていた護衛の兵士たちが、武器を手に取った。

 そこまでなら切り抜けられると思っていた。

 腕に自信もある。そして、魔具も持っていた。

「あの……化け物が」

 だが、少女は最初にレイチェルの後ろに回り、そのまま魔法を放った。一瞬の出来事だ。

 涙を流してレイチェルが呟いたのは、ロンドの名前。

 激怒したロンドとラーフは、相手が貴族の少女であっても許さないと武器を手に取る。

 しかし、抜いた瞬間にロンドの両腕は吹き飛び、そして自慢の武器は粉々にされていた。

 自分の相棒とも言える剣が、まるで紙切れのようにズタズタにされる。

 短剣は、少女が手に持っていた。宙に浮いたところをそのまま掴むと、ロンドの腰にあった鞘まで手に持っている。

 何が起きたのか理解できなかった。

 そして、ラーフがロンドの前に出てレイチェルと逃げろと叫んだ。

 そんなラーフも、すぐに血だらけにされてしまった。

 興味がなくなったのか、少女はその場から去って行く。

 今でも、その時の会話を覚えていたロンド。

「まったく、セレスの好意を無駄にしおって」
「セレス、せっかく買ってあげた服に血がついているじゃない! もう……これからパーティーなのですよ。向こうで着替えるといっても、身だしなみには気をつけないと。あなた、セレスの服を用意しませんと」

 両親らしき男女は、自分たちなど見てはいなかった。

 セレスの服に飛び散った小さな汚れを気にしているだけだ。

「セレスの服を? そこら辺で用意した服など着せられるか! セレスはウォルト家の宝だぞ」

 セレスという少女は、先程まで剣を握って魔法で人を殺したのに笑顔だった。

「お父様、私はたまには違う服も選びたいです。買い物とかしてみたいから、許してくれますよね?」

 甘えたセレスの声を聞き、両親は納得していた。

 それは可愛い娘の頼みを聞く両親――としては、かなり違和感のある光景だった。

 ロンドは、その家族が周囲をまったく見ていないと気が付いたのだ。

 可愛い娘しか見ていない、と。

 気まぐれに自分たちの命を奪った貴族たちは、そのままどこかへと向かってしまった。

 ロンドは、バラバラに地面に倒れた仲間を一ヶ所に集め、そして満足したのか力尽きようとする。

 最後に呟いた。

「……約束、守れなかったな」

 静かにロンドは目を閉じるのだった――。





 連結馬車を降りた俺たちは、セントラルに到着する。

 訪れたのは二度目だが、今回の目的はセントラルで買い物をすることだった。

 ダリオンでは俺の使用しているサーベルの品数は少なく、同時に次のホームとなる場所を決める必要もある。

 セントラルからなら、移動するのも楽なので訪れたのだ。

「さて、到着したがしばらくは宿屋で過ごすか」

 ノウェムが返事をする。

「しばらくはセントラルで過ごしても悪くないかも知れませんね。ただ、ここをホームにする程に滞在する訳にもいきませんが」

 セントラルは冒険者に冷たい。

 というか、冒険者をあまり必要としない。

 周囲に魔物が出ても、騎士団や兵隊が出動してしまう。

 雑用系の仕事も、人で溢れているセントラルでは奪い合っている状態だ。ダリオンとは違い、ホームにするには適さない場所である。

 だが、国の中枢だけあって物や情報が集まる大都市である。

 アリアは、複雑そうな表情をしていた。

「私は追い出されたからここで冒険者もできないわよ。滞在するくらいはできても、住むとなると許可が降りないわ」

 セントラルを追い出されたロックウォード家の娘であるアリアには、ここで住むことが許されないようだ。

「買い物と情報収集だな。必要な物があれば揃える方向で」

 必要な物は大体揃っている。

 武器もあるにはあるが、魔力を消費しない武器を所持しておきたかった。

 宝玉を必要なときに大剣にできるが、それだけではまずい状況も出てくるだろう。

「ライエル様は武器屋を回りますか?」

 ノウェムが聞いてくるので、俺は答える。

「ついでに防具も見て回るよ。本屋にも寄りたいな」

 本屋はご先祖様たちの要望だ。

 俺は宝玉を触る。

 以前よりも静かな宝玉は、初代がいなくなったのが原因だろう。

 いつも騒がしい人だった。

「では、セントラルのお店を見て回りましょうか。アリアさん、どこか有名なお店はありますか? 武器屋でも防具でも、本でも……ためになるところがあれば、聞いておきたいのですが?」

 ノウェムがアリアに、どこか心当たりはないかたずねる。

 すると、アリアはいくつか自分が聞いたことのある店の名前を挙げた。

「武器とか防具はセントラルだから腕の良い職人は多いわよ。けど、値段が……本屋なら品揃えの良いところがあるわ。図書館もあるけど、流石に時間が……」

 図書館と聞いて、俺は少し考える。

(時間があればしばらく滞在したいけど、あんまり長居をするのもな)

 セントラルは、とにかくお金を消費する。

 なんでもあるのだが、その分だけ他よりも出て行くお金が多かった。物価も高い。

 俺が悩んでいると、ノウェムが助言をくれる。

「図書館でしたら【アラムサース】が世界一と言われていますね。学術都市として有名ですから」

 アリアも頷いた。

「知ってる。確か広く才能ある若者を集めた都市、だったわね。でも、あそこも領主はいなかったわよね? 確か……その都市の学者たちが、代表を出して色々と決めていると聞いたけど。ベイムと同じかしら?」

 ベイムは自由都市として、商人が仕切る都市だ。

 領主がいないので、冒険者にとっては住みやすい都市になっている。

「アラムサースかベイムか……どっちに行くにしても、情報を集めてから決めようか」

 そう言って、俺は荷物を持つと今日泊まる宿を探すために歩き始める。

「ちょっと、自分の荷物くらい持つわよ」

 アリアが慌てて鞄を取り返そうとするが、俺はそれを拒否して先を歩く。

「いいから行くぞ。ノウェムも笑ってないで早く来い」

「はい、すみません、ライエル様」

 俺とアリアのやり取りを見て笑うノウェムを急かし、俺は王都の道を歩く。

 初代と共に歩いた過去の王都を思い出すと、確かに名残が残っていた。

 しかし、昔と違って綺麗になっている。

「ここも変わったな」

 そう呟くと、アリアが首をかしげた。

「あれ? 来た事があるの? というか、この辺はあまり変わってないわよ。ライエル、あんた大丈夫なの?」

 疑わしい視線を向けてくるアリアに、俺は苦笑いをする。

「あぁ、二百年ぶり、かな」

 そう言うと、アリアはジト目で俺を見てきた。

「冗談だよ。これで二度目だ。前はダリオンに来る前に立ち寄っただけ……それだけさ」

 王都の空は、初代と歩いた時のまま青く澄み渡っていた。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ