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Episode:05
「父さん?」
「あ、ルーフェイアは知らないか。ここさ、ミルんちなんだよ」
「うそ……」
 実家がブティックやってて、娘がMeSって……?

 息子ならまだ分かる。徴兵逃れで、男の子をMeSに入れる親は少なくない。
 けどミルはもちろん女子だし、実家はブティック経営なんて、どこを見回してもMeSへくる理由が見当たらなかった。

「あはは、やっぱルーフェイアもびっくりしてる」
 あたしの様子に、ナティエスが笑い出す。
「だって、なんか……ぜんぜん関係ない……?」
「ミル、お母さんが軍にいたんだ」

 そんな理由でいいんだろうか?
 事実は小説より――とは言うけど、ここまでくると予想をはるかに超えてる。
「ま、ご多分に漏れず、それなりの事情はあるんだけどさ」
「……そう、なんだ」
 そう言われて少し納得する。
 もっとも抱えている事情って点じゃ、あたしが学院内で一、二を争ってしまうだろうけど。
 と、勢いよくミルが戻ってきた。

「用意できてるって♪」
「そりゃよかった。じゃ、行こうか?」
 なぜかシーモアが、がっちりとあたしの右手をつかむ。
「そだね」
 ナティエスが左手。

「な、なに……?!」
 けど、みんな笑うだけだ。
「は〜い、いってらっしゃぁい!!」
 そのあたしの背中を、勢いよくミルが押した。

 ぜんぜん予想してなくて、思わずよろける。そこをすかさず、シーモアとナティエスに引きずられた。
「ちょ、ちょっと!」
「だめ! ちゃんとこっち来て!」
 なんか勢いにおされて抵抗できなくて、そのまま隣室まで連れて行かれる。

「え、あ、やだ! ちょっと、何……?! やだ、やめて!!」
「だ〜め♪」
「やだ、やだってば!」
「静かにしなさいって」
 まさか、友だち相手に本気を出すわけにもいかなくて、されるがままだ。

「どうだい、出来たかな? おや、いいじゃないか」
 結局ミルのお父さんが覗きに来たときには、しっかり着替えさせられていた。


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