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Chapter:01 遠出
Episode:03
◇Seamor Side
 ケンディクまでの連絡船の中、隣の美少女をシーモアは、なんとなく眺めていた。
 不思議、としか言いようのない少女だ。
 こうしていると華奢で儚げで、とても独りで生きていけるようには見えない。だがひとたびバトルとなれば、並ぶもののない戦女神と化すのだ。

(ほんと、アンバランスってやつだね)
 まさにその一言に尽きた。
 しかも性格にいたっては繊細としかいいようがなく、すぐ泣き出してしまう。
 ただこれは周りの話では、シエラへ来る前が何かいろいろたいへんだったとかで、その反動もあるらしいが。

(けど、このカワイさで泣くってのは、やっぱ反則だなぁ)
 たとえ彼女に非があったとしても、こちらが悪者にされてしまいそうだ。
 船が揺れる。
 もうそろそろ、ケンディクの街に着く頃だった。

「ルーフェイア、着くよ」
 言って、気がつく。
 少女は泣いていた。

(まさか、さっき言ったことで?)
 思わず心配になる。ふつうならどうという言葉ではなくても、この少女は傷ついてしまうことがあるのだ。
 もう少し、自信を持っていいと思うのだが……。

「ゴメン、あたしなんか言っちゃったかな?」
「ううん、違う、違うの。
 あたしこんなふうに、友達と出歩けるようになるなんて、思ってなかった……」

 シーモアの問いに、ルーフェイアはそう答える。
 聞きようによっては、以前イジメたことを責めているような言い方だ。だがこの少女には、そういったイヤミなところはない。
 本気で嬉しくて泣いている、と思って間違いないだろう。

(……言ってくれるねぇ)
 とても同い年とは思えないほど華奢な少女にこう言われると、とても意地悪など出来なくなってしまう。
 何より、あれだけの騒ぎをすべて水に流してくれているのだ。これ以上こっちから何かするのは、シーモアにしてみればプライドが許さない。

「ばーか。行くよ」
 照れ隠しにわざとそう言うと、シーモアは荷物を肩にかけた。
「あ、ごめん」
 涙を拭いて、ルーフェイアもついて来た。



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