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Episode:01 遠出
◇Rufeir
「シーモア!」
 かけた声に、彼女が顔を上げる。
「遅いよ……って、なんだよそのカッコ」
「?」

 あたしは首をかしげた。
 別にいつもと同じで、どこか変わっていないはずだけど……。
 だけどシーモアの目には、そう映らなかったみたいだ。

「もうちょっとなんか、可愛げのある格好してくると思ってたのにさ。それじゃまるで、男子じゃないか」
「あたし一度も、男子に間違えられたこと、ないけど……?」
「そーゆー話じゃないって」
 シーモアが呆れた顔をした。

「――少し期待してたんだけどな。損した」
 損したって……なんだろう?
「まったく、シエラNo.1の呼び声も高い美少女が、なんだってそんなカッコ……」
「いつも、こうだけど……?」

 ショートパンツにジャケットにロングブーツ。あと最近はさすがに寒くなってきたから、中に薄手のハイネックのセーター。
 ほんとだったら冬の戦闘用を着てたいとこ――軽いし、動きやすいし、あったかいし――だけど、そうもいかなくて、たいていこんなふうだ。
 でも他にも、似たような格好をしてる女子は多い。

「もういい、分かった。あんたに期待したあたしが、バカだったよ」
「?」
 やっぱりよくわからない。
 けどシーモアのほうはなんだか、自己解決したようだ。

「さ、行こうか?」
「うん」
 行くというのは、ケンディクの街のことだ。ナティエスたちに誘われて、これからひとまわりすることになってる。
 ただちょっと時間の都合がつかなくて、あたしとシーモアはあとから二人で行って、合流することになった。

「ほら早く、船が出ちまうよ?」
「あ!」
 慌てて、出る寸前の連絡船に飛び乗る。すぐに綱が解かれて、船がすべるように動き出した。

 学院のある島は冬だというのに緑色で、その向こうに広がる海との対比が、とてもきれいだ。温暖なことで知られる、ケンディクならではの光景なんだろう。
 そういえば前にこの連絡船に乗ったのは、真夏だった。シエラへ入学する時に乗って以来、まだ二度目だ。
 そして気がついた。

――もう半年も、過ぎたんだ。
 なんだかとても、不思議な気がする。


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