今回は割とこんな話に仕上がりました。
……ってこれ前書きじゃん。
後書きじゃないじゃん。
その22 夜の戦い 4番目
「お前も今風呂なのか?」
「うん、そうだけど。直樹」
そう、今風呂に入ってきたのは直樹だったのだ。
直樹もまた、あの時間帯に風呂に行くのをやめたみたいだ。
風呂の中だと言うのに、めがねをかけていた。
「風呂の中なんだから、めがねくらいはずしたら?」
「いや、いいんだ。これがオレのポリシーだから」
「は、はぁ……」
直樹の意味不明な発言により、健太は溜息交じりの声を出してしまう。
と、ここで直樹が突然話を切り出してきた。
「ところで、お前に2つ質問したいことがある」
「何?」
「とりあえず1つ目は……」
直樹は、少しだけ躊躇って、風呂場全体を見回し、
「この風呂、どうしてこんなに広いんだ?」
と尋ねた。
恐らくは、この風呂に入った人の誰もが思いつく質問だろう。
もちろん健太もこのことについては突っ込んでいる。
「さぁ……僕だって知りたいよ」
とりあえず健太も答えは分からないので、そう返す。
「200人は楽に入るよな」
「うん……ていうか、これだけ広い風呂に、僕達以外誰も入っていないってことは、
もしかして、もう全員風呂に入っちゃってるってことだよね」
「そうなるよな……」
健太の驚異的洞察力を披露してこの風呂に関する話は終わる。
そして、直樹が第2の質問を聞いて来る。
「2つ目は……」
一旦言葉をそこで切って、そして言った。
「愛ちゃんについてどう思ってる?」
「……は?」
直樹のその質問に、健太は唖然としてしまった。
(ガラガラ)
女子風呂に、誰かが入ってきた。
「ふぅ〜」
黒髪のツインテールは、今はロングヘアーとなっている。
パッチリとした瞳は健在だ。
そう、彼女は愛である。
「それにしても……このお風呂広すぎね〜」
そう愛が呟いたときだった。
(ガラッ)
また誰かが入ってくるような音がした。
と同時に、
「うわぁ〜、広い……」
という感嘆な言葉までついてきた。
金髪のロングヘアーの少女は、かなえである。
「あ……」
かなえは、愛の存在に気づき、
「こんにちは」
と挨拶をする。愛からもこんにちはと返ってきた。
そして、先ほどの出来事を思い出したかなえは、
「あ、あの〜、もしかして、健太君のお知り合い?」
と質問をしてみた。
すると愛は笑顔で、
「そうだよ〜。私は早乙女愛」
と自分の名前を添えて答える。
「私は、相沢かなえ。愛さんは、健太君の友達?」
「うん。ていうか、幼馴染なの。って、どうしてこんな質問を?」
幼馴染と公表した後で、どうしてこんな質問をしてきたのかを尋ねる愛に対してかなえは、
「えっと、さっきのホールでの出来事を思い出したから……」
と、正直に答える。
「あ〜あのこと……見てた?」
「うん、全部」
「全部って、私が健太に抱きついた所とかも……?」
「はい」
その言葉を聞いた愛は、顔が少しだけ赤くなった。
恥ずかしいのだろう。
しかし、あんなに人がいたのに、逆に見ている人がいないと言うのは、かなりと言っていい
ほど奇跡に近いのである。
現に、何人かの女子は、嫉妬の目で愛を見ていたし、健太に対しては、愛ちゃん愛好会の
みなさんが睨み付けていて、最終的には健太を追いかける所まで発展している。
「それで思ったんだけど……」
「ん?何?」
「健太君について、どう思ってる?」
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。