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逃避

作者:キママ
 その世界では、わたしはどのような振る舞いをしても肯定された。
 こんなことをすれば間違いなく頭がおかしい人間だと思われても仕方がないと自覚しつつも、そうしないのは、そこが現実ではないことを知っているからだ。
 現実が辛いほど、この世界では夢のような気分を味わうことが可能である。
 ゆえに、現実に戻る際は、全身を切り刻まれ、さらにその上から熱した油をかけられるほどに、辛い。

***

 なぜ逃避先で一生を終えようとしないのか。
 それは、慣れることが恐ろしいからだ。
 贅沢な生活を続ければそれが自身の生活習慣となり、全てが当然のこととなる。
 わたしは、それだけは避けたかった。

***

 しかし、我慢の限界というものが存在する。
 わたしは、とうとう現実でも己の内に溜まった鬱憤を爆発させてしまった。
 周囲から憐れむような、恐れるような、馬鹿にするような目を向けられ、わたしは走り出した。
 今すぐに家に戻り、逃避しなければ、精神に異常をきたしてしまう。
 あと少しで自宅だというところで、わたしは車に撥ねられた。
 鳥のようにしばらく空中を飛んだ後、地面に叩きつけられる。
 周囲の喧騒が遠くなっていき、視界がぼやける。
 それは、いつもの逃避ではなかったが、不思議と今まで一番の幸福感だった。

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