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勉強の神さま(⋈◍>◡<◍)。✧♡ 作者:渋谷スクランブルエッグ(⋈◍>◡<◍)。✧♡
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涙を流す!?

陸はお腹が空いたので、自分の部屋から出て、お父さんとお母さんのいるリビング・ダイニングに行く。

「あれ!? お寿司とピザがある!?」

陸は目を疑った。誰かの誕生日の日しか頼まない、お寿司とピザがあった。しかも両方あるのだ。

「お母さん、今日は誰かの誕生日だったっけ?」

陸は今日が家族の誰の誕生日だったのか分からなかった。

「違うよ。エヘヘ~♪」

お母さんは、いつもの眉間にしわを寄せた怒り顔ではなく、不気味なぐらいニコニコと笑っていた。

「お母さんが笑っている・・・気持ち悪い。オエ~ッ。」

陸はお母さんの笑顔に気分が悪くなった。

「どうしてお寿司とピザがあるの?」

陸は気を取り直して、お母さんにお寿司とピザがあることを聞いてみた。

「それは・・・。」
「それは!?」

お母さんと陸はにらみ合い、ためができることで微妙な緊張感が生まれる。

「陸が漢字テストで100点を取ったからです!」

お母さんは嬉しそうに大声で発表した。

「え!?」

陸は、自分が漢字テストで100点を取ったからという、予想外の答えに、鳩が豆鉄砲を食ったよう顔になった。

「陸! よくやったわ! さすが私の息子ね!」
「え・・・。」

お母さんは陸に抱きついて喜んできた。

(漢字テストで100点を取らなくても、あなたの息子ですよ。)

陸はお母さんのいつもと態度が違い過ぎると思った。

「おい、陸。」

今度はお父さんが陸に声をかけてきた。

「なに? お父さん。」
「おまえ・・・カンニングとか悪いことはしてないだろうな?」
「え・・・。」

お父さんは、勉強ができない陸が漢字テストで100点を取ったのが信じられなかった。

(まあ、俺でも、不正したと思うけどな。)

お父さんも学校の先生や漣をはじめとするクラスメートと同じく、陸のカンニングを疑った。

「カンニングなんかしてないよ。疑うんなら、学校の先生にでも聞いてみろ。」

学校でも疑われた陸は、学校の先生やクラスメートの前で、紫という字を黒板に書いて、身の潔白を証明していた。

「そうか! でかした! そこまで言うなら、陸は不正をしてないぞ!」

お父さんもお母さんと同じように、ニコニコ笑顔で大声を出して喜んだ。

「陸が漢字テストで100点を取った!」
「俺の息子が漢字テストで100点を取った!」
「わ~い! わ~い!」

お父さんとお母さんは手を取り合って踊りながら喜んだ。

「お父さんもお母さんも、いったいなんなんだ・・・。」

陸は見慣れないお父さんとお母さんに戸惑った。

「陸、もしかして、テストで100点を取ったのは、初めてかい?」

勉強の神さまのスタディーは、陸に質問した。

「そうだけど。」

陸は何の意識もせずに、普通に答える。

「親っていうのは、自分の息子がテストで100点を取ってくれると嬉しいものなんですよ。」

勉強の神さまのスタディーは、陸のお父さんとお母さんの心情を陸に教える。

「たかが漢字テストで100点を取ったぐらいで、大げさな!?」

子供の陸には、お父さんとお母さんの気持ちは理解できなかった。

「これも陸が悪いんですよ。」

勉強の神さまのスタディーは、いきなり陸が悪いと言い出した。

「はあ!? なんで、俺が悪いんだよ!? 俺は悪いことをしてないぞ!?」

陸は、いきなり自分が悪いと言われて、勉強の神さまのスタディーにムカついた。

「もしも陸が子供の頃から真面目に勉強をしていれば、お父さんとお母さんは、もっと早くに自分の子供がテストで100点を取ったという喜びに出会えているはずです。」

お父さんとお母さんの喜びの裏には、子供の頃から勉強をしないで、ゲームばかりして遊んできた陸の不真面目な態度がありました。

「グサッ!?」

陸の心にお父さんとお母さんに対する罪悪感が突き刺さって痛かった。

「俺が悪うございました・・・。」

陸は自分が勉強してこなかったことが、お父さんとお母さんの喜びを奪っていたと知り、自分が悪かったと反省した。

「ああ・・・うれしすぎて、涙が出てくる。クスン。」

お母さんの目から涙がこぼれた。よっぽど陸が漢字テストで100点を取ったのがうれしかったのだ。

「お母さん、生きててよかったな。」
「はい、お父さん。クスン。」

お父さんとお母さんは、本当に陸がテストで100点を取ったことがうれしかったのだ。

「たかが漢字テストで100点を取ったぐらいで泣かなくてもいいじゃないか?」

お父さんとお母さんの気持ちが分からない陸は気軽に言う。

「そうね。ごめんごめん。さあ! お寿司とピザを食べましょう!」
「そうだな。陸、今日はおまえが漢字テストで100点を取ったお祝いだから、いっぱい食べろ!」
「おお・・・。」

陸はお父さんとお母さんの気持ちが分からないので戸惑ってしまう。

「いただきます。」

佐藤家のお父さんとお母さんと陸は、お寿司とピザを食べ始めた。

「陸、マグロ食べなさい! マグロ!」
「そうだ! ピザも食え!」
「そんなに一度も食べられないよ!?」

陸が漢字テストで100点を取ったおかげで、佐藤家に楽しい食事の時間が訪れた。

「ハハハハハー!」

お父さん、お母さん、陸も、とても楽しそうだった。

「お寿司もピザも、おいしいですね。」

勉強の神さまのスタディーも、テーブルの上で一緒にお寿司とピザを食べていました。


そして、楽しい食事の時間が終わりました。

「ごちそうさまでした。」

陸は席を立とうとしました。

「陸、今日はゲームしていていいわよ。」

いつも勉強しろとうるさいお母さんが、ゲームをしてもいいと言った。

「え?」

陸は自分の耳を疑った。

「良かったな、陸。お母さんがゲームをしてもいいってよ。」

陸の聞き間違いではなかった。お母さんがゲームをしてもいいと言ったのは、お父さんにも聞こえていた。

「ええー!?」

やっと陸もお母さんの問題発言にビックリした。

「お母さん!? いったい何を言ってるんだ!? いつも勉強、勉強とうるさいお母さんがゲームをしろ!? お母さん!? 熱でもあるんじゃないか!?」

陸はお母さんがゲームをしてもいいというので、病気ではないかと心配した。

「熱なんかないわよ。」

お母さんは病気ではないという。

「じゃあ、なんで!?」

陸は理解がいかないので、さらにお母さんに問い詰める。

「お母さんは、陸が漢字テストで100点を取ってくれたのがうれしいの。」

お母さんはニッコリ笑いながら、陸に言う。勉強が嫌いで、ゲームばかりしている自分の息子がテストで100点を取ってくれたのが本当にうれしかったのだ。

「え・・・。」

陸は、こんなに喜んでいるお母さんの笑顔を見たのは初めてだった。陸は頭の中が整理できなくて、パニックになってしまう。

「こ、今度は他のテストでも100点を取ってやるよ。」

思わず陸は照れながらカッコいいことを言ってしまった。

「陸!?」

お父さんとお母さんは陸の発言にビックリしました。

「お父さん!? 聞きましたか!? 陸が!? 陸が!?」
「ああ! 陸、言ったからにはがんばれよ!」

お母さんはお父さんに陸が言ったことを確認し、お父さんは陸を応援した。

「おお! 任せとけ! 俺には勉強の神さまがついてるからよ!」

陸は、お父さんとお母さんに勉強をがんばると言ったつもりだった。

「いや~、サーモンとタコもおいしいですね。お寿司とピザを一緒に食べるのが、わさびがピザに合って、とてもおいしいです。」

勉強の神さまのスタディーは、まだ食事中だった。

「あれ? 陸、どこに行くの? ゲームはしないの?」

陸が席を立って食卓から去って行こうとするのをお母さんが呼び止める。

「ゲーム? しないよ。部屋に帰って、勉強するんだ!」

そう言うと陸は自分の部屋に帰って行った。

「・・・お父さん、陸はどうしちゃったんでしょうね?」
「さあ? あとで薬でも持っていってやれ。」

お父さんとお母さんにも、いつもゲームばかりしている陸が、いきなり勉強をすると言い出して、病気にでもかかったのかと戸惑った。

「陸が自分から勉強してくれるようになる日が来るなんて、私は思いもしませんでしたよ。」
「俺もだ。もしかしたら三日坊主で終わるかもしれないが、それでも今日1日だけは、奇跡というか、幸せな1日だな。」
「そうですね、お父さん。私、うれしいです。クスン。」
「お母さん、泣くなよ。陸、がんばれよ。」

お父さんとお母さんは、自分の息子が勉強に目覚めたと喜びました。例え、数日で勉強をしなくなったとしても、今日はお父さんとお母さんにとっては、幸せな記念日になりました。

「良いお父さんとお母さんがいて、陸は幸せ者です。」

勉強の神さまのスタディーは、佐藤家の様子を見ていて、幸せな気持ちになりました。

「ごちそうさまでした。」

勉強の神さまのスタディーはお寿司とピザを食べ終わりました。

「陸の様子でも見に行きますか。」

勉強の神さまのスタディーは食卓から陸の部屋に向かった。

「あれ!? お母さん!? お寿司とピザが無い!?」
「ええ!? さっきまで、あんなにあったのに!?」
「俺、ほとんど食べてないぞ!?」
「もしかしたら、陸の言ってた、勉強の神さまが食べたのかもしれませんね。」
「・・・そうかもな。」
「ワッハハハ!」

正解! お母さんの言った通り、お寿司とピザを食べたのは、勉強の神さまのスタディーだった。しかしお父さんとお母さんには勉強の神さまのスタディーの姿は見えなかった。


ここは陸の部屋。

「あれ? 真っ暗?」

勉強の神さまのスタディーがお寿司とピザを食べて、陸の部屋に戻って来た。部屋の中は真っ暗だった。

「陸、電気をつけないんですか?」

陸は電気もつけないで、真っ暗な部屋の中で、ボーっと座っている。薄暗い部屋の中で陸はいた。

「お父さんとお母さん、すごくうれしそうだった。」
「え?」
「あんなに楽しそうなお父さんとお母さんの顔を見たのは初めてだった。」

陸は自分が漢字テストで100点を取ったことで、お父さんとお母さんが喜んでくれていることを分かっている。

「俺がゲームばかりして、勉強をしてこなかったから、お父さんとお母さんの笑顔を奪ってきたのかな?」

陸は自分が原因でお父さんとお母さんの笑顔を奪ってきたと感じていた。

「俺が毎日、お父さんとお母さんを怒らしてきたのかな?」

陸はいつもゲームばかりして、勉強をしないので、特にお母さんに勉強しろと怒られてきた。

「もしも、俺が勉強をしていたら、お父さんとお母さんを怒らせなくてよかったのかな?」

陸はお父さんとお母さんを怒らせてきたのは、自分なんだと気づいた。

「俺が勉強をして、テストで良い点数を取っていたら、お父さんとお母さんは喜んでくれていたのかな? お寿司やピザを取ってくれたり、お母さんがゲームをしていいよなんて言うと思わなかった。」

陸は陸で、今日のお父さんとお母さんの楽しくうれしそうな感じに戸惑っていた。いつものお父さんとお母さんと違いすぎるからだ。それほどお父さんとお母さんは陸が漢字テストで100点を取ったことがうれしかったのだ。

「陸。」

勉強の神さまのスタディーは、勉強が嫌いな男の子を、勉強が好きな男の子に変えるためにやってきた。

「お父さん、お母さん、ごめんなさい。」

さすがの勉強の神さまのスタディーも、陸の今までのゲームばかりして、勉強をしてこなくて、お父さんとお母さんから笑顔を奪ってきたことを反省している姿は、神さまでも心にジーンっときた。

「神さま。」
「はい?」
「神さま、俺、勉強ができるようになりたいよ!」

陸は勉強の神さまのスタディーに抱きついた。今の陸の本当の気持ち。まだ陸はなぜ勉強をするのかということは分かっていないが、お父さんとお母さんのために、勉強ができない息子ではなく、勉強のできる息子になりたいと心から思った。

「もっと、もっと、お父さんとお母さんに笑ってほしいよ!」

陸の目から無意識に涙が流れてきた。陸が勉強を自らしようと思ったのは、人生でこれが初めてだった。

「陸。」

勉強の神さまのスタディーも陸の変わりっぷりに、最初は戸惑った。しかし、勉強の神さまとして、勉強が嫌いな子が、勉強をがんばりたいと言ってくれることはうれしかった。

「神さま、今からでも間に合うかな? 勉強。」

陸は、恐る恐る聞く。

「大丈夫ですよ。陸には、勉強の神さまがついていますから。」

勉強の神さまのスタディーは、泣いている子供をあやすように、ニッコリと笑顔で陸の質問に答える。

「神さま! うえええん! 俺、勉強、がんばるよ! うえええん!」

陸は少しだけだけど勉強をする理由ができたような気がした。自分が勉強をすることでお父さんとお母さんは喜んでくれる。今まで勉強をしなかって、お父さんとお母さんを怒らしたり、悲しませていた。陸は今までのサボっていた分も勉強をして、お父さんとお母さんを笑顔にしたいと思った。

「よしよし。」

ゲームでいうところの、勇者リクが勉強の冒険の旅に旅立つのでした。

つづく。
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