そもそもの間違いは、両親が結婚したことだと僕は信じていた。かつて、ロフトの女王とまで呼ばれ、芸能界入り間違い無しと思われていた母親が、何を勘違いしたのか平凡な父親と恋に落ちた。いや、平凡な父親ならまだ良かった。僕の父という人は、頭脳明晰にして学術優秀なはずなのだが、徹底的にお人好しだった。それも、ただお人好しというだけではない。信じられないくらい間が抜けていて、しかもどう考えても一般常識に欠落していた。そんな父親が、学歴だけで採用された一流商社の、激烈な出世競争などに勝てるはずもない。簡単に上役の機嫌を損ね、同僚に欺かれると、最果てのアラスカへと左遷された。
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N3193C
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17137文字(約35分)
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通常小説[短編作品]
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コメディー
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1枚の写真から あんのん 氷中 HINAKA 悲喜劇
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ロフトの女王そもそもの間違いは、母が父と結婚したことにあると、僕は思っている。一枚の写真が、残っている。それは、暗い大きな部屋の中で、華やかなカクテル光線を浴びて躍る若い娘の姿だった。写真の中の娘は、長い髪を大きなリボンで束ね、それをさらに大きく上に跳ね上げながら、短いスカート |