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『剣と弓の世界に転生して公爵家三男坊になったんだけど、明日の朝日を拝める気がまったくしない』シリーズ

歴史探訪――新春スペシャル(短編『剣と弓の世界に転生して公爵家三男坊になったんだけど、明日の朝日を拝める気がまったくしない』おまけ)

作者: U字

※本作は拙作『剣と弓の世界に転生して公爵家三男坊になったんだけど、明日の朝日を拝める気がまったくしない』のオマケであり、そちらを読了していることが前提となっております。


 勘違いは、後半に偏ってる感じに。

 特に前半は、裏設定の放出要素が多め。

 まあ、あくまでオマケなので大目に見て下さい。


 その時、歴史が動いた。

「みなさん、こんばんは。『歴史探訪』司会のデニス・ベイリーです。今夜は、我らが王立放送協会と帝国中央放送局の総力を挙げて、新春特別三週連続企画『「爪牙」と「聖女」三大名勝負!』をお送りしたいと思います。

 五百年前に繰り広げられた両国間の戦いの中で、もっとも有名であろうこの二人の戦い。今ざっと思いつく限りでも、軽く片手の数は出てくる名勝負の数々ですが、視聴者投票の結果選ばれた三つの戦いを、三週に渡って取り上げたいと思います。

 それでは、今夜この老骨と共に番組をお送りするゲストをご紹介しましょう。

 帝国一の名門、帝国中央アカデミーにおいて、『獅子王の爪牙』『不敗の聖女』の両名の激闘を研究し、その功績で昨年には同アカデミー最年少の三十一歳で教授となった才媛。アメーリエ・カナリス女史です」

「こんばんは。よろしくお願いします」


「では、さっそく今夜の歴史探訪を開始しましょう。今夜取り上げるのは、『ガリエテ平原の戦い』。当時はアルベマール公爵の三男に過ぎなかった『獅子王の爪牙』後の初代ウェセックス伯爵アランの初陣。そして、当時帝国第三皇女に過ぎず後の『不敗の聖女』であるエレーナの名を大きく高めた戦いでもあります。

 では、まずはガリエテ平原の戦いに至るまでを、VTRでお送りしましょう」





 大陸歴千五百六十年初夏。

 王国軍の外交攻勢の前に、帝国は存亡の危機にありました。

 この地域において圧倒的な勢力を誇る帝国に対し、王国宰相ランダッフ子爵は、帝国に隣接する諸国の取り込みを開始。その試みは成功し、帝国軍は南北に敵を抱えての二正面作戦をいられることとなったのです。

 そして、王国軍はその隙をついて帝国西方から進撃を開始。十万の軍勢を送り込むのです。

 一方の帝国軍。帝国中央にはすでに余剰戦力はなく、帝国西方を本拠地とする母方の実家で静養中だった皇女エレーナが独自に周辺諸侯を糾合きゅうごうしてかき集めた三万の軍勢がこれを迎え撃つことになりました。

 そして、皇女エレーナは、ガリエテ平原にて王国軍を待ち受けるのです。





「さて、教授。ここまでが開戦までの経緯なのですが、帝国はひどいことになっていますね」

「はい。それまでの帝国は積極拡張策をとることで勢力を大きく広げたのですが、その方針が周辺国の危機感をあおる結果となりました。当然の帰結ですね」

「それにしても、そのような中で、よく三万もの軍勢を集めましたね。中央の命令もなく、王国の侵攻に混乱する中、よく諸侯をまとめ上げました。『聖女』と後に呼ばれるだけのカリスマの力なのでしょうか」

「もちろん、それもあると思います。しかし、それ以上に時代が彼女に味方したと言えるでしょう」

「時代、ですか?」

「ええ。当時、エレーナの実家を含む西方諸侯は、政争に敗れて大きく影響力を下げていたのです。かと言って、西方諸侯は代々王国と血みどろの戦いを繰り広げており、帝国大いに不利の状況で王国に降伏したところで、どのような扱いを受けるか分からない。

 エレーナは、そこに目を付けたのです。

 彼女は、母方の実家が失脚して帝都での後ろ盾を失った後、軍事に活路を見出していました。最初は、ままごと扱いで誰も見向きもしませんでしたが、いくつかの戦場で確実に戦果を挙げていたのです。ここで、西方諸侯の復権を恐れた勢力により、静養との名目で帝都を追い出されたのです。

 近く軍籍をはく奪される見込みだったエレーナと、生き残りを賭けて必死だった西方諸侯。

 勝利とまでは言わずとも、王国軍を食い止める程度の功績が必要だった両者は、実家が西方諸侯のまとめ役で皇女であり、将軍位も持っていたエレーナの下で団結したのです」

「なるほど。では、王国側はどうだったのですか? やはり、悠々と攻撃する側だけあって、特にそのような不安はなかったのでしょうか?」

「そうとは言えませんね。確かに、銀竜騎士団などの精鋭を中核とした編成で、戦力的には問題ありません。各部隊の指揮官も、誰が総指揮をとってもおかしくないオールスター編成と言えるでしょう。しかし、それ故に最高指揮官の指示に素直に従わない者も多かったそうです」

「万全で挑んだからこその問題、ですか。難しいものですね。


 ――さて、戦いに至るまでの両軍の動きをここまで追ってきました。

 ここからは『前哨戦』などと俗に言われるガリエテ平原の戦いの決着までを見ていただくことにしましょう。

 では、VTRをどうぞ」





 戦いの序盤は、王国軍の圧倒的優勢に進みました。

 多少の地形の起伏くらいしかない平原での戦いは、数の多い王国軍に有利だったのです。

 開戦間もなく、帝国軍中央部は王国の精兵の前にじりじりと後退を余儀なくされます。

 これを王国軍諸侯は好機と見ます。

 命令もないまま、ただ狂乱的に突撃を行う諸侯軍。先に攻撃を行っていた総司令部直卒部隊も退路を失い、ひたすらに攻撃を継続するしかなくなりました。

 総司令部は繰り返し攻撃中止を諸侯に命ずるも、それを受けた諸侯はすべて黙殺。目前の武功に心奪われ、破滅への道を歩むことになるのです。


 この狂乱を見て、初陣だった『爪牙』アランは次のような言葉をこぼしたと言われています。


「突撃はならぬ。我が王国軍は敗北した。しかし、命令無く味方を見捨てて逃げる訳にもいかぬ。高所に陣取り、戦況の把握につとめよ」


 そして、この不安は的中します。


 ひたすらに攻撃を続けていた王国軍の攻勢が限界を迎えた一瞬。

 その一瞬を逃さず、帝国軍は逆撃に移ります。

 そこからは、一方的な展開でした。

 一歩も引かずに両翼が踏ん張っていた帝国軍は、大きく後退したところから中央が反転攻勢に出たことで、王国軍の主力をほぼ完全に包囲する形になります。

 王国側もこれを救わんと予備戦力を投入しますが、ここで『聖女』エレーナが満を持して投入した帝国側の騎馬隊に妨害され、上手くいきません。

 そんな中、帝国側がわざと開けた包囲の穴から王国兵の逃亡が始まります。

 結果、逃亡する兵と戦線を支えようと戦おうとする兵が交錯し、王国軍は大混乱に陥りました。

 そんな中で踏ん張っていた王国兵たちもついには士気が崩壊し、全軍総崩れとなったのです。





「『聖女』エレーナの手腕の鮮やかさも見事なのですが、それ以上に、攻撃中止命令ですか?」

「ええ。この時代の代表的な歴史書である『獅子王戦記』において、『爪牙』アランが司令部の無能を嘆いているセリフがあることで、狂乱的な大攻勢は司令部の命令であると一般には思われ、学会でもそう思われてきました。

 しかし、近年、この戦いで司令部から諸侯に対してなされた攻撃中止の命令書が発見されたのです。私が最年少で教授になれたのも、この命令書を始め、様々な史料を分析して、この時代の数々の政争・戦争の歴史学会における通説をいくつもくつがしたお蔭なんですよ」

「だとすると、『爪牙』アランが味方の敗北を悟って突撃しなかったのは創作なのでしょうか? 命令書があるなら、それに従っただけになりますよね?」

「いえ、そうではありません。混乱する戦況の中で、この命令書は大部隊を指揮する有力諸侯にしか送る余裕がなかったようです。

 後世の私たちにすれば、『獅子王の爪牙』初代ウェセックス伯爵アランといえば帝国でも王国でも名将の代名詞ですが、当時は公爵家の三男坊でわずか一千の兵だけを率いる初陣の若者ですからね。戦力と言うよりも、死なせると親がうるさい厄介者に過ぎなかったんです」

「なるほど、余裕がなくなれば、真っ先に切り捨てられても仕方ないですね。

 高名な人物にも、無名だった時代はある。仁将として名を馳せた名将も、初陣では何もさせてもらえない。先が見えていたからこそ、黙って見ていることしかできなかった無念は本物なのですね」

「ええ。『聖女』エレーナにしても、王国軍の攻撃開始が半年遅ければ軍籍をはく奪されて軍を率いる名目を失い、その才を発揮することなく見ていることしかできなかった。『爪牙』アランがあと三年早く初陣を果たしていれば、ガリエテ平原の戦いでも戦局全体に影響を与える権限を与えられ、王国に勝利をもたらしたかもしれない。

 歴史は、そのような奇跡の積み重ねの上に成り立っているのです」


「では、皆さま。お待たせしました。

 ついにお待ちかね。ガリエテ平原の戦いの本番、『アランの退き口』と呼ばれる前代未聞、空前絶後の退却戦です。

 老人の語りよりも、見ていただいた方が早いでしょう。

 さっそく、VTRをどうぞ」





 『爪牙』アラン率いる連隊司令部は、緊張感に包まれていました。

 周囲では、味方が帝国軍の反撃を受けて次々と倒れている。しかし、わずか一千の手勢では、出来ることは何もない。

 不幸中の幸いは、小勢であるが故に、敵の攻撃がまだなされていないことだけでした。


 しかし、彼らにも決断の時は迫っていました。


「早急に撤退するしかありません。血路は開きますので、お味方に続いて後退してください」


 しかし、『爪牙』の返答は思いもよらぬものでした。


「ならぬ。私は、みすみす死ぬ気はない」


 死ぬ気はないが、撤退はならぬ。

 矛盾するように見える発言に混乱する部下たちを見回し、さらに言葉を続けます。


「味方の混乱に飲まれれば、身動きできずに討ち取られるのみ。我らの活路はただ一つ。敵の機先を制し、敵がもっともありえぬと思う方向――敵本陣へ向けて突撃せよ」


 とっさには何を言われたか理解できなかった部下たちも、次の瞬間には一気に盛り上がります。

 王国軍人の意地を見せてやる――その思いを胸に、一千人が一つになったのです。


 しかし、幼き日から『爪牙』を見守り続けた男だけは、違う覚悟を決めます。


「このじいや、その才に感服しましてございまする。なればこそ、影武者となることをお許しくださいませ。隠れ潜むがごとき所業は口惜しいでしょうが、どうか、我らが王国のため耐え忍んでいただきたく」


 若き才を潰してはならぬ。

 その覚悟で、『爪牙』アランの幼き頃からの守り役にして、初代ウェセックス伯爵就任までの一番の功臣、後の『鉄壁』ミルナーは主の前に出る。


 これには、流石の『爪牙』も困らざるを得ません。

 自分の名誉などどうでもいい。理屈では正しいことも分かる。

 しかし、幼き日から共に過ごしたこの老臣を、こんなところで失いたくはない。


 それでも、結局は彼の覚悟を認めることになります。


「そこまで言うならば、止めはせぬ。なれど、死ぬことは許さぬ。生きて帰り、自らの口からお役目を報告せよ」

「はっ、必ずや」


 こうして、すべての準備は整いました。

 ついに、五百年の後まで轟く、大胆不敵な退却戦が開始されるのです。


「ただがむしゃらに突撃せよ」


 その言葉と共に、わずか一千の軍勢の猛攻が開始されます。

 影武者となった『鉄壁』ミルナーを先頭に突き進む軍勢は、鎧袖一触がいしゅういっしょく、王国軍の追撃のために送り出されたマイセン辺境伯の軍勢およそ五千をあっという間に粉砕し、さらに突き進みました。


 ――次は、敵の本隊だ。

 全員が死を覚悟し突き進む中、後方に下がっていた『爪牙』アランが最前列へと慌ててやってきます。


「何をしている? 全軍を右へ振り向けよ。街道を通って撤退するのだ」

「なりませぬ! 大将首を目前に退いたとあれば、坊ちゃまの名に傷がつきまする!」

「それがどうした! 名を惜しむな、命を惜しめ!」


 自らの名誉を投げ捨ててでも命を拾ってほしいという、その覚悟の前に、反論できるものは誰も居ません。

 全軍を右へ振り向け、迎撃態勢を整えていた帝国軍の前を悠々とかすめて去るのを、『聖女』は黙って見送るしかなかったのです。





「さて。勝負がついてから、敵本陣への一斉突撃ですか。

 私なら、間違いなく早々に逃げていますね。あはは」

「ふふふ。それが普通の反応だと思います。

 このような危機的状況においても信頼を得られるのが、『爪牙』の仁将たる所以ゆえんとなる部隊運営術にあるのです」

「仁将と言えば、『爪牙』アランは、貴族も平民も公平に取り扱ったことで有名でしたね」

「そうです。彼は父親に連隊長職を贈られた後、自らその経営を行っています。普通、売官で連隊長となった貴族は、実務は副連隊長以下の平民軍人に丸投げするものでした。しかし、彼は、自分の部隊の実情を、自らの手で把握することを選んだのです」

「なるほど。その勤勉さが名将の名将たる理由なのですか」

「それだけではありません。なんと、彼は兵士たちに給与を毎月満額支払っていたのです」

「……それは、当然ではないのですか?」

「いえ。当時、連隊長の肩書につく維持費はバカになりませんでしたからね。その費用のほとんどである人件費は真っ先に削られました。平民のことなど気にもかけない貴族が多い時代だったこともあり、国の規則上定められている給与に対して、三分の一も支払えば上々という時代で、不払いも珍しくありませんでした。だからこそ、脱走が当たり前だったのです。

 ところが、『爪牙』アランは、それを、毎月満額支給をしたのです。

 後に『ウェセックス伯爵家四天王』と呼ばれる当時の副連隊長や連隊付き士官の日記にも、その二人の言葉に耳を傾けず、あくまで給与の満額支給に拘って定数三千の三分の一しか兵士を雇わなかったことが書かれています。

 この待遇改善の結果、『爪牙』アランの就任前には恒常化していた脱走が、一件も起きていないのです」

「今の時代からすれば当然のことでも、当時で言えば画期的なことだったのですね。

 なるほど。そうやって、初陣に過ぎない『爪牙』の命令で死地にも飛び込める信頼を得たのですか」

「はい。加えて言えば、『爪牙』アランのその在りようから、百五十年前の王国での自由民権運動の旗印に、ウェセックス伯爵家の家紋が、平等の象徴としてはじに入れられたのは有名な話ですね。

 何せ、『爪牙』アランは、幼いころから平民も下級貴族も上級貴族も同じように扱うことで、一悶着を起こした人物でもありますからね。

 例えば、メイドたちにも出身によって厳格な格付けが存在し、平民や下級貴族出身のメイドは、上級貴族出身のそれと、待遇も仕事内容も全く違っていたくらいです。ところが、『爪牙』アランは、幼いころから何度言い聞かせても彼女たちの身分の違いでは区別をしなかった。

 当時の記録によると、物扱いが当たり前で用事を言いつける以外は口もきかないのが当たり前の平民・下級貴族出身のメイドに対しても、彼はいくつになっても笑顔で会話を楽しみ、気軽にスキンシップも行っていたそうです。そのことから、身分の低い使用人からは親しみやすいと好かれたものの、身分の高い者からは、あまり受けは良くなかったようです。ただ、身分の高い者には相応の礼は尽くしていたことから、致命的に悪かった訳ではないようですが。

 とにかく、そのような姿勢で多くの人々の支持を得たことが、初陣だけでなく、後も彼の大きな力になったのは間違いないでしょう」

「ほう。

 そう言えば、このVTRには、『爪牙』と『聖女』の舌戦はなかったですね。全余力を持っての追撃命令もなかった。私は、この戦いでは、そのシーンが一番好きなんですがね」

「そんなベイリーさんには申し訳ありませんが、それらはいずれも創作なんですよ」

「え!? 本当ですか!?」

「元々、名誉を失ってでも負け戦で無為に部下が死ぬのを防ごうとした男が、悠々舌戦に挑んだというのが創作だとは、昔から言われていました。

 さらに、『聖女』エレーナの方は、未だに日記が見つかっていない『爪牙』アランと違い、膨大な日記が残っています。その中では、勝負が決まってから敵兵が突入してくることによる陣内の大混乱については書かれていますが、舌戦の記述はなし。さらに、追撃については、王国軍本隊に対して行ったと明確に記述してあります。

 とにかく少しでも多くの勲功が必要な彼女は、追撃のかなめであったマイセン辺境伯の軍勢が打ち破られたことにより、少しでも早く代わりの兵力を追撃隊に補充しなければならなかったのです。無名な小部隊に構っている暇はなかったのです」

「今まで史実だと信じていたのですがねぇ……。

 ところで、教授。『爪牙』アランの日記も、五年ほど前に発見されたとニュースになっていませんでしたか? 筆跡鑑定や紙の年代から、本物だと言われていましたよね?」

「ああ、あの手の込んだイタズラですか」

「イタズラ?」

「ええ。何せ、『激おこ』『パイタッチ』のような現代の単語が当たり前のように使われているだけでも呆れましたがね。自分のことを『日本』なる国の学生の生まれ変わりで、初陣の危難は神罰であるなんて書いていたところは、呆れや怒りを通り越して、笑ってしまいましたよ」

「ハハハ、それは笑ってしまいますね。

 『爪牙』アランの二番目の側室は、『神様がいるのならば、私の眼前に来てみろ!』と言い捨てて、領主権限で生贄にされようとするのを止めたのが出会いのきっかけですからね。

 そもそもが、神がもたらしたと言われていた支配システムの一部である、身分の壁を幼いころから無視してきた男の発想ではありませんね」

「未だに、それが本物で、これだけ気が狂っていたからこそ、常識にとらわれず時代を切り開くことが出来たという者も居ますがね。流石に少数説です。

 その日記とされていたものでは、自分本位な発想で色々と書かれているのですが、現実の人材を何よりも大切にする姿勢との整合性が取れないのです。少数説は、現代語が多用されていることに加え、ここに対しても説得的な説明が出来ない限り、認められることはないでしょう」


「さて、話題はまだまだ尽きませんが、ここでお別れの時間のようです。

 最後に、次回予告と共にお別れです。

 教授、本日はありがとうございました。また次週もよろしくお願いします」

「はい、こちらこそ、よろしくお願いします」





 次週は、新春特別三週連続企画『「爪牙」と「聖女」三大名勝負!』の二週目。


 多くの戦いを経てウェセックス伯爵となったアラン。

 しかし、帝国の一大反攻作戦の前に、居城であるウェセックス城で、五千の手勢と共に籠城することとなった。

 六万の軍勢を率いる『聖女』エレーナの前に落城は時間の問題かと思われるが、粘り強い抵抗の末、反攻作戦の帝国側本隊が、獅子王の軍勢の前に敗北。

 補給線を絶たれた『聖女』は、『爪牙』の苛烈な追撃を受けつつ、一路帝国への退却を企図きとする。


 次週、聖女エレーナ最大の危機『ウェセックス城退却戦』をお送りします。


 ではまた来週、この時間にお会いしましょう。





 ※お会いできません。


 これで、年末年始の短編ラッシュは打ち止め!

 しばらくは、連載作に集中します。


 では、連載作『異世界白刃録 ~転生先で至高の斬撃を目指す~』など、他の作品も含めて、これからも応援よろしくお願いします。



※2016/1/14 23:30ごろ、追記

 本作の続編『剣と弓の世界に転生して公爵家三男坊になったんだけど、もう二ヵ月ぐらいおっさんしか見てない』を投稿しました。

 シリーズ内か、小説一覧から辿って下さい。



※2016/1/16 21:10ごろ、追記

 本作の続編のおまけ『大河ドラマ「爪牙と聖女」第十二話『ラウジッツ攻防戦~火竜の誓い~』(短編『剣と弓の世界に転生して公爵家三男坊になったんだけど、もう二ヵ月ぐらいおっさんしか見てない』おまけ)』を投稿しました。

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― 新着の感想 ―
[一言] ご案内は松○アナウンサーの声で脳内再生完了!!
[一言] 本物の日記が…… こうやって歴史が捏造されていくんだなw
[一言] >そして、皇女エレーナは、ガリエテ平原にて帝国軍を待ち受けるのです。 これだと帝国の皇女であるエレーナが、ガリエテ平原で王国側に寝返ったように読めるのですけど? 主人公がエレーナに宛て…
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