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話、飛ばしてます。何故か? 話の都合上、図書館で剣道の事を調べんとアカンからです。
いつになるか分かりませんので、とりあえず先に進めます。「俺はアンタが図書館へ行くまで待つんや!」と、私の心を震わせる言葉を言って下さる方は、読まずに今暫くお待ち下さい!
徳の驚異 3
徳永さんは下段の構えを取る。ええと下段の構えは73ページに……

「ん? 少し変だな」

本に書いてある写真と違い、左腕が縮こまっている。あれじゃ、残打が遅れてしまうだろう。一体何を考えて……

「っ!? つ、突きあり一本!!」

「なっ!?」

秋姉が少し間合いを詰めると、竹刀はまるでにゅっと突然現れたかの様に秋姉の喉元に突き刺さった

徳永さんの予備動作は殆ど無く、秋姉は反応一つ出来ていない。あれは

「あれは無拍子よ~。完璧では無いけれどあの年齢であそこまで使えるなんてよっぽど努力したのね~」

母ちゃんが細目を更に細め、感心した様に言った

言ったが!

「何でそんな事、知ってるんだよ!?」

「母は何でも知っている~」

「また古いネタを……」

十代どころか二十代すら分からないだろう

「い、いや、そんな事よりも!」

よほど強力な突きだったのだろう、秋姉はよろよろとふらつきながら試合場の中央へと戻った

「あ、秋姉……」

「あ……お姉ちゃん」

弱気な俺の声に触発されたのか、雪葉や花梨達も泣きそうな顔で秋姉を見つめる

……秋姉が負ける?

「秋姉……あう!?」

母ちゃんが俺の頬を引っ張る

「こ~ら。貴方が秋を信じてあげなくてどうするのよ~」

秋の一番近くに居たのは貴方でしょ?

優しくそう言う母ちゃん

「…………ああ!」

俺が凹んでてどうするんだ! 秋姉はまだ諦めていない!!

「頑張れ、秋姉!!」

苦しいのだろう、まだ足取りは悪い。だが中央に立ち、しっかり相手を見据えている秋姉に俺は声の限り応援した

「お姉ちゃん~、頑張ってぇ」

「秋さん、気合いです、根性です!」

「負けたら駄目だよ、師匠~」

「わ、わざわざ見に来てあげたんだから、勝ちなさいよね!」

偉そうな奴が居る!?

思わず花梨の方を見てみると、突然大声援が湧いた

「秋の構えが変わったわ~」


母ちゃんに言われ見て見ると、秋姉の構えは確かに変わっていた

それは徳永さんと同じ下段。視線は徳永さんの手元に向けている

「あ、秋姉が下段?」

初めて見た……

俺と同じ様に秋姉の下段に戸惑ったのか、徳永さんは僅かに竹刀を揺らした

その徳永さんに向かい、秋姉はまるで自分の家に帰ったかの様な気軽さて歩を進めた。俺から見ても分かる隙だ!

「あ、秋姉ー!!」

バシンっ!

試合場に響く弾ける音。

秋姉の面を掠り、通り過ぎる徳永さんの竹刀

「は、外した?」

いや違う、無拍子から来る徳永さんの突きを、下段から打ち上げ外させたのだ。もはや勘で打ったとしか思えない反応の速さ

「……す、すげ」

誰かが漏らした言葉は、会場にいる全員の思いを代弁していただろう、ゴクリと唾を飲む音があちこちから聞こえた

「あら~わざと隙を見せたのね~」

呑気だね母ちゃん。と、それどころじゃない!

「い、いけ~秋姉!!」

「っ! ヤアアアアアアアアアア!!」

一撃必殺の無拍子をかわされ、身体を崩した徳永さんへの面

パアンっ!

澄み切った竹刀の音。

そして――

「面あり、一本!!」

審判の高らかな宣言が、静かな会場に響いた




今日の一本



鼓け


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