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義男すらっぷすてぃっく
作:栗山ぷにねこ



9ページ目:全自動選択機


 お盆休み―
「って言ってももう墓参りには行ったしなあ。特にする事がねえなあ。」
 俺はタンクトップに短パンという格好で窓からの風を浴びながら言った。
「カラオケもプールもいっぱいだろうから誰もさそえねえしなあ。何かねえかなあ。」
 俺はそう言いながら例の本のページをめくった。
「ん?」
 俺はふとこんな文字を見つけた。
「全自動選択機?」
「それは秋葉原にある「イナクサクンサウ」という店で売ってるぞ。」
 突然本に目、まゆげ、まつげ、鼻、口が付き、しゃべり始めた。
「うわっ!お前何や?!」
「はははははは!この俺がしゃべれるという設定は前から検討されていたではないか!」
「知るかそんなん!」
「とにかく、それが欲しければ秋葉原にある「イナクサクンサウ」に行け!」
「分かった分かった。」
 
 こうして俺は秋葉原に行った。
「で、どう行くねん。」
「こう行くんだ。」
 足が勝手に動き始めた。
 どうやら奴が動かしてるらしい。
 やがて古くてうさんくさそうな店の前に着いた。
 どうやらここが「イナクサクンサウ」らしい。
「ここか?」
「そうだ。中に入れ。」
「言われんでも入るわ。」
 俺は中に入った。
「いらっしゃい。」
 カウンターにいるじいさんが言った。
「え〜っと全自動選択機は・・・・・これやな。」
 俺は「全自動選択機「せんたくん」」と書かれた箱を発見して言った。
 が、値段を見た俺はがく然とした。
「さ・・・3万6千円?!」
 何でこんなもんがこんなすんねん?!
「金なら俺が出すぞ。」
「出せんのか?」
「ははははは!最近の本をなめるでない!金を出すなど朝飯前だ!」
 そのセリフの直後、俺の目の前に3万6千円が現れた。
「おおっ!」
「どうだ?」
「すげえな!」
「さあさっさと買え!」
「おう!」
 こうして俺は全自動選択機を購入した。
 
「なるほど。スイッチを入れて選択したい内容を言うだけでええんやな。」
 俺は説明書を読んで言った。
 全自動選択機は白い立方体で、デカデカとしたディスプレイの下にスイッチがある。
「じゃあさっそくスイッチを入れるか。」
 俺はそう言い、スイッチを入れた。
 するとディスプレイにまゆげとまつげと目と鼻と口が映り、左右から手が、下から足が生えた。
「お呼びでしょうか?全自動選択機でございます。」
 全自動選択機はお辞儀して言った。
「は、はあ。じゃあ今何をすればいいのか教えてくれ。」
「かしこまりました。」
 ジャラララララララララララララララ
 音がし、全自動選択機の目がいきなり回り始めた。
 ジャンッ!
 目の回転が止まる。
「TV鑑賞などどうでしょうか?」
「おっ、ええな。」
 俺はそう言ってTVをつけた。
 すると、目の前に巨乳パラダイスが広がった。
「おおーっ!」
 俺は興奮し、しばらく巨乳パラダイスを見続けた。
 やがて終わった。
「さて、昼飯でも食うかな。」
 俺は立ち上がって言った。
「って言っても何食えばええんや?」
 またしても全自動選択機の目が回り始めた。
 そして止まった。
「ざるそばはいかがでしょうか?」
「おっ、ええな。」
 俺はそう言ってざるそばを作って食べ始めた。
「う、うめえ!」
「お前そのざるそば以外は賞味期限切れてたぞ。」
 本が台所から現れて言った。
「?!そうやったんか!いやあこの全自動選択機、ええ選択するなあ。」
 
 それから俺は事あるごとに全自動選択機を使った。
 そして1週間程経ったある日―
「夕飯は何にしたらええと思う?」
 ジャララララララララララララララララ
 いつものように全自動選択機の目が回り始めた。
 そして止まった。
「ハンバーグはいかがでしょうか?」
「ハンバーグかあ。でも今カレーの気分やしなあ・・・カレーにするわ。」
 その途端、全自動選択機の目が三角になり、全身が真っ赤になった。
「おらあ!俺の言う事に従わんかあ!」
「うわっ!何やこの豹変ぶりは!」
「あっ!お前、まさか」
 本が現れて言った。
「まさか、何や?」
「全自動選択機の選択に逆らったのか?」
「そうや。」
「ダメではないか!そいつの選択に逆らうと大変な事になるぞ!」
「何でそれを最初に言わへんねん?!」
「何をごちゃごちゃ言うとるんじゃ!さっさとハンバーグを食わんかバカヤロウ!」
「分かった。食う、食うから。」
 その時、鍵とドアが開く音がし、やがて足音と声と共に未緒が現れた。
「義男く〜ん、あなたの為に美味しいカレー作ってきたわよ〜。」
「未緒?!何でおんねん?!」
「何でって義男くんの家の合鍵を持ってるのよ。」
「勝手に作んな!!」
「おらあ何がカレーじゃー!」
 全自動選択機はそう言っててっぺんからアンテナを出し、そこからビームを放った。
 ビームは未緒が持っている袋に直撃し、袋は黒こげになった。
 中にカレーが入っていたらしく、カレーの匂いがそこら中に広がった。
 燃え上がり、目を三角にし、顔の至る所に怒りのマークを刻み込む未緒。
「ちょっと!あたしが義男くんの為に愛をこめて作ったカレーを何てことしてくれんのよ?!」
「何がカレーじゃ!今日はハンバーグじゃオラッ!」
「何だか知らないけど、あたしと義男くんの幸せな生活の邪魔は許さないわ!未緒ラブミラクルキーーック!」
 未緒はそう言って全自動選択機にキックした。
 よける選択機。
「センタクロスビーム!」
 アンテナからクロスしたビームを出す選択機。
 よける未緒。
「未緒ラブパワーパーーンチ!」
「センタクルクルパーマー!」
「未緒アクティブさそり固め!」
「センタクルミアタック!」
「未緒マジックかにばさみ!」
「センタクルクミンパワー!」
「未緒スペースジャイアントスイング!」
 2人はさまざまな技をかました。
 が、全て避けられた。
「はあ・・・はあ・・・お前やるな。」
「はあ・・・はあ・・・あんたもね。」
 2人は息を切らしながら言った。
「これで終わりだあ!センタクラーゲー!」
 選択機は飛び上がり、クラゲの形に変形して未緒を襲おうとした。
「それはこっちのセリフよ!未緒ラブヴィクトリーアッパー!」
 未緒はそう言って選択機めがけて思いっきりアッパーをかました。
 飛んでいく選択機。
 そして壁にぶち当たり、爆破した。
 な、何なんや?!
 
「いやあ、やっぱり何でも自分で選択するべきやな。」
 俺は病院でベットに寝ながら言った。
 手にはギブス、足にも包帯が巻かれていて台の上に置かれ、額にも包帯、目には眼帯、両頬にもガーゼが貼られている。
 あの後爆音を聞きつけた容子、竹蔵、好男、竜太郎が来て救急車を呼び、俺と未緒は入院する事になった。
「何が「自分で選択するべきやな」よ!まったく、マンションの人達が大騒ぎするわ警察が来るわ大変だったわよ!」
 容子は激怒して言った。
「うちにまで響いてて大騒ぎだったぞ!」
「まあでも命に別状が無くてよかったわ。」
「そうだね。」
「まさか2人で入院する事になるなんて・・・これは何かの運命だわ。」
「何バカな事言ってんのよ?!」
 芳乃が現れ、妄想に浸る未緒に言った。
「よ、芳乃さん?!」
「お見舞いに来たわよ。」
「ありがとうございます。」
 超絶的に意味不明な100のお題 著作権者mount-root-yy(http://f21.aaa.livedoor.jp/~mtrootyy/)


あとがき

やはり5分以内シリーズは短すぎるので「最低でも10分以内にしよう」と思いました(^_^;)

技名が訳分からん事に・・・。

クルクミンってウコンの成分だし・・・。






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