パカリ、と自分の下駄箱を開ける。
漫画でしか見た事無いようなラブレターの数々。
そのたびむけられる男共からの嫉妬と僻みと殺意その他もろもろが混ざった視線。
ラブレターの名前は、ほとんどがこの学校のアイドル。
・・・あえて、一つの真実を言おう。
「・・・私は女だあぁぁぁーーーー!!!!」
うわーーーーーん!!!
今日もむけられる、熱のこもった視線。
一人の女の子が、勇気を振り絞ったように真っ赤な顔で言った。
「あっ、あの!・・・ぇっと、ぉはょぅござぃますぅ・・・」
どうして挨拶にこんな気ぃ使ってんの?
「・・・おはよう。」
私が笑顔でそう言うと、女の子はパァァ、と顔中に嬉しそうな笑みを浮かべ、続いて顔を赤く染め、友達のもとへ走っていった。
・・・むなしい。悲しすぎる。
そりゃ、女の子は可愛いよ?柔らかい体してるし、ちっこいし、なんかいい匂いするし。
でも、私だって女なわけですよ。
そりゃー背高くて顔がかっこよさげで髪型もカッコよくて優しくて運動できて強くて頭良くて・・・ってな夢みたいな男・・・がいたらスゲー良いと思うよ?私も惚れるよ?
でも、この場合私は女なわけで。
ファンクラブもあるし。ちなみに生徒会長だし。(私が立候補したわけではない。ただ、周りの人の推薦だけで生徒会長になっただけだ。)
家に帰ってから、その事を考えた。
「・・・・・どうせなら、男に生まれたかった。」
女の子、嫌いじゃないし。
「・・・ん?」
なんか、急に眠気が襲ってきた・・・。
「起きてんの無理だ。いいや、寝よう。」
眠るとき、変な声を聞いた気がした。
* * * * * * * * * * * * * *
「ふぁ・・・」
んー、なんかよく寝たなぁ。
「そろそろ起きなきゃな・・・」
何か違和感。
「・・・れ?」
なぜ寝巻きを着てるんだ。なぜこんな声が低めの・・・なんつーかせくしぃヴォイス?なんだ。なぜ胸が無いんだ。なぜただでさえ高い目線がもっと高くなってんだ。
嫌な予感がして、体を触って見た。横の鏡を見てみた。
「・・・嘘だろう?」
男になってました。しかもすっっっげぇいい男。
夢ではなさそうだな。
「うん、よし。」
とりあえずクローゼットを見てみると、男物しかなかった。女物があっても困るけど。
ということは・・・・「私が男である」という設定の世界になっている確率が高い。
昨日は月曜日。おそらく学校はあるだろう。
男用の制服を着た私は、学校へと向かった。
なんというか・・・すべて予想通りだった。
基本的な所は変わっていないものの、すべて私が男である、という前提だ。
・・・名前が変わっているのには少々凹んだが。
とにかく、私はこれから男として暮らして行かなければいけない。
結構憧れてたし。 |