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06-黒輝在夢の事件簿1
とある土曜日。
授業が午前中に終わり、
生徒たちががやがやと
教室を出て行くなか、
その事件は起こった。

理人:
「ヴェ、ヴェル?」


《黒輝在夢の事件簿1》


在夢:
「ふむむ、
これはまた難解な
事件の匂いがするねぇ」

事件が
起こったのは今日未明。
ヴェルが
教室の教卓の中に
潜り込んでいたのだ。
もちろん故意じゃない。
それはヴェルが現在
意識を失っているという
事実から推測される。

理人:
「ていうか何で
在夢さんがいるの。
そしてその衣装は
どこから
持ってきたのさ?」

今隣りでヴェルを
感慨深く見つめていた
在夢さんは、
制服ではなく、
どこぞの安っぽい
探偵が着ているような
服装だった。

在夢:
「黒輝在夢は
トラブルメーカーから
名探偵に
ジョブチェンジした!」

理人:
「トラブルメーカーは
ジョブじゃないし、
ついに自ら認めたね」

在夢:「しまったぁぁ!!」

何がしたいんだ
この人は‥

在夢:
「ま、それは
それで置いといて‥」

立ち直り早っ!

在夢:
「この状況を見て
何か思わない?」

理人:
「ん…何かって?」

在夢:
「この密室殺人…
ウィアスターズ
メンバーが
絡んでるとみた!!」

理人:
「死んでないから!
勝手に殺さないでね!?」

在夢:
「えー、
いいじゃん
いいじゃんー。
そっちの方がスリルと
サスペンスとムード
たっぷりでしょ?」

理人:
「でしょ?、で
簡単に人を殺すのは
どうかと思うけど?」

在夢:
「と、とにかく!
状況判断は済んだし、
情報収集といこうっ!」
Ι
Ι
壁にこそこそ隠れながら
在夢さんは食堂の方に
見やっていた。

在夢:
「探偵の基本は
張り込み捜査だよねぇ」

理人:
「もう事件
終わったけどね」

しばらくして
在夢さんは息をつき、

在夢:
「理人刑事、
カップラーメンを
買ってきてくれ。
この事件、
夜通しかかりそうだ」

理人:「はいはい」

理人:
「はいこれ。
買ってきたよ」

在夢:
「おおっ!
美味しそうだねぇ…
…美味しそうだな」

一気に
冷静モードに入る。
口振りも
舞風さんさながらだ。

在夢:
「ふむ、
交代の時間だな。
じゃあ理人刑事は
何が欲しい?」

理人:
「あ、いいよ別に」

在夢:
「じゃあサイダーでも
買ってくるか。
じゃあしばらく
待ってて‥‥!!」

素早く翻そうとしていた
在夢さんの腕を
意識的に掴んでいた。

理由はひとつ。

在夢:
「ナ、ナニカナ
リヒトケイジ?」

理人:
「そのまま
帰ろうったって
お見通しだからね」

在夢:
「ナ、ナンノコトダカ」

喋り方が片言な上に
目が泳いでるってことは
図星か、わかりやすいな

理人:「はいはい、
捜査に戻ろう…ね!」

踏みとどまろうとする
彼女を無理やり引きずる

在夢:
「ああっ!
帰って今夜
新しいドラマ見ようと
思ったのにぃ!!」

理人:
「ドラマとヴェル、
どっちが大事なのさ!!」

在夢:「ドラマ!!」

なんて人だ‥

理人:
「ほら、食堂を
見張ってたんでしょ。
行くよ」

在夢:
「えー……
わかったよぉ」
Ι
Ι
理人:
「今食堂には
舞風さんと…誰だろう。
話し込んでるけど」

在夢:
「怪しいねぇ…
よし、囮捜査だ!
理人刑事ゴー!」

理人:
「何で僕が行くのさ。
それに知り合い
なんだから囮捜査
しなくてもいいでしょ」

在夢さんは
「ちっちっちっ」と
言いながらこちらを
再度見る。

在夢:
「甘いなぁ、
甘いなぁ理人刑事は。
その知り合いの中に
犯人がいるんだから
用心深くしないとぉ」

理人:
「まあそうかも
しれないけど、
犯人が身内とも
限んないよ」

在夢:
「そんなことまで
考えてたら面倒だから
そこは省略で」

理人:
「はぁ……ん?」

溜め息をついたところを
舞風さんが
僕に気づいたか、
手招きしている。
在夢さんには
気づいてないようだ。

理人:
「じゃあ行ってくるよ」

在夢:「はいはーい」
Ι
Ι
理人:
「おはよう、舞風さん」

舞風:
「ん、まだ
そんな時間だったか。
おはよう理人君」

いつもどおりだ。
舞風さんがやったとは
考えれない。

?:
「ああ、
この人でしたか、
水無月さんというのは」

理人:
「ど、どうも。
えーと‥」

舞風:
「ん、ああ
紹介が遅れてしまったな
彼女は
《水越 流麗》
(みずこしるれい)
といって、
宇宙と占いとの関係を
じっくりと
教えてもらっていた
ところだよ」

水越:
「はじめまして、
水無月さん」

理人:
「あ、こちらこそ。
水無月理人と
言います‥」

何だか調子が狂うな〜
これが普通なのかな?
だとしたら僕はもう
普通の人間じゃないな。

舞風:
「さてさて。
お互い誰かが
わかったところで、
理人君。
君は何の用事で
私をじっと
覗いていたんだね?」

やっぱり
気づかれてたか‥

理人:
「それはー
そのー……ねえ」

舞風:
「聞きたいことが
あるなら言っていいぞ?
答えれる範囲なら
答えよう」

理人:
「それじゃあ……
ヴェルのこと
なんだけどね‥」

舞風:
「ん、ヴェル君に
君は恋したのか?
それとも直弥みたく、
ロリの対象として
見え始めたか?」

理人:
「どっちも違うよ!
実は‥」

〜〜〜(中略)〜〜〜

舞風:
「ほう、
そんなことがあったか」

理人:
「それで舞風さんは
何か知らないかなって」

舞風さんは
一瞬考え込んだあと、

舞風:
「んん…残念だが
私は知らないな」

理人:「そっか‥」

舞風:
「……いや待て。
流麗君ならば
わかるのではないか?」

流麗:「私…ですか?」

舞風:
「君の能力があれば、
何かヒントぐらい
掴めるかもしれん」

流麗:
「…わかりました。
その事件は少し
興味が惹かれます。
…では少しお待ちを」

そう言うと水越さんは
トランプをテーブルの
上にばらまきだして、
形を整えたのち、
カードを何枚か引いて
絵柄を確認した。

流麗:
「ほうほうこれは…
面白い結果が出ました」

理人:「結果は?」

流麗:
「ズバリ、
黒輝さんが推測した通り
犯人はウィアスターズ
メンバーみたいです」

舞風さんはそれを聞くと
何かわかったようで、
にやけだした。

舞風:
「はっはっはっ。
そういうことだったか」

理人:「え、何が?」

舞風:
「犯人が
誰かわかったぞ」

何故あれだけで
わかるんだ?

理人:
「そしたら犯人は?」

舞風さんは
くすっ、と笑い、

舞風:
「それをあっさりと
教えてしまっては
面白みがない。
まあどうしても
知りたいというなら
夜の12時に私の部屋に
1人で来れば‥‥」

理人:
「遠慮しときます‥」

舞風:
「む、そうか。
なら私たちはもう行こう
また明日だ理人君」

流麗:
「では私も
帰らせていただきます」

理人:
「うん、またね、
舞風さん、水越さん」



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